さて前回わたしは、PEファンドへの転職を選択肢の一つとして考えてほしいと書かせていただきました。今回はその理由について説明したいと思います。
①PEファンドとは
みなさん「ファンド」というとどんなイメージをお持ちでしょうか。
読んでいただいている方のイメージは異なるかもしれませんが、一般的にはネガティブなものでしょう。たとえば、ハゲタカのイメージや数々の敵対的買収で世間を賑わせたりしたときの印象のせいで、とにかく儲けるためなら資本の力にものを言わせてなんでもやる人達みたいな感じかと思います。
そもそもファンドとは何者かというと、法人形態のようなややこしい話をおいておけば、一般的には機関投資家からお金を集めてそのお金で何かに投資をしリターンを得て、機関投資家に分配する。その管理報酬と分配しても残ったお金が自分達のリターンとなる人達の集まりです。
ファンドといっても投資対象や投資ポリシーによって様々に分類されます。
なかでも、PEファンドは非上場株式又は上場株式を投資対象としており、原則として50%超を取得。会社を所有した形で企業価値向上に取り組み、IPOや他社への株式売却によりリターンを得ます。
他のファンドと異なる点は、大きくは流動性の低いものが投資対象(上場株でも非上場化することが多いので)となること、ファンド自ら投資対象企業の事業運営に関わっていくことにあります。
金融プレイヤーとしては珍しい立ち位置にある業態といえます。
②求められるスキル・人物像
PEファンドの仕事の流れは、
ソーシング(案件探し)→投資検討→投資実行→バリューアップ→Exit(売却)
です。
ファンドによってプロセスを何らかの単位に区切り、チーム分けしている場合もありますが、基本的にはジェネラリストである必要があります。
となると、求められるスキルは何かといえば、まずはオリジネーション力です。投資対象となり得る企業を探し当該企業の株主、経営陣を口説きおとす必要があります。そういった方々から信頼されるためにはビジネスセンスはもちろんのこと、人間力が求められます。
投資検討~投資実行のフェーズでは、ビジネスDDの実施、モデルの作成、バリュエーション、ストラクチャーを考えたり、専門家DDのコントロール、ドキュメンテーション、ファイナンスの確保等M&Aに関わることはすべてできる必要があります。つまり、M&Aに係るナレッジ・スキル、ファイナンスについてはLBOローンに関するナレッジ、金融機関との条件交渉等かなり広範なナレッジ・スキルが求められます。
バリューアップのフェーズに入ると今度はコンサルとしてのスキルが必要になります。但し、一般的なコンサルタントの個別プロジェクトとは異なり、そのスコープは無限大です。要は会社の価値をあげるためなら何でもやります。
もっとも、投資前のビジネスDDにおいて、バリューアップに必要なメニューについては優先度も含めて見当をつけていますので、それに従って進めていくこととなります。
但し、PEファンドは一般に数年間にわたって株式を保有することになりますので、その間に起きる事業環境の変化への対応も求められます。
個人的にはこのフェーズがPEファンドの醍醐味であり、最もやりがいを感じている部分です。
会社の社外役員として、少しでも会社がよくなるように管理体制の整備から新規事業の立ち上げ、既存事業の拡販、コスト削減等にひたすら取り組んでいくこととなります。
Exitのフェーズでは、今度は売り手としてM&Aのスキルが求められます。売り手先候補のソーシング、売却プロセスのマネジメント、ドキュメンテーション、クロージング手続き等を実施する必要があります。
③仕事の魅力
上記の通り、会社を買って、事業運営して、会社を売るという各フェーズにかなり深く携わることとなります。求められるナレッジ・スキルはかなり広範です。また、事業会社の株主・社外役員という立場から経営陣、ときには現場の職員とともに議論を重ね会社を変えていくという仕事は極めてダイナミックなものです。
ご自身のスキル・ナレッジを投資先に提供し、会社を変えていくということが30そこそこでできるなんて想像するだけでわくわくしませんか。
また、業界には基本的にはスーパーハイスペックな方しかいません。MBAホルダーが多いです。また、出身も一流の投資銀行、戦略コンサルタントが多いです。一定割合FAS出身の会計士も活躍しています。そのような方々と切磋琢磨して仕事をするのもやりがいの一つでしょう。、
④報酬
ファンドにはキャリーと呼ばれる成功報酬があります。
ファンドにコミットした額以上のリターンを出した場合に、ファンドマネージャーがそれを山分けします。皆さんがご存知であろう規模の会社でファンドがExitした際には数億円がファンドマネージャーに分配されています。
いかがでしょうか?
おもしろそうだと思いませんか?やりがいがありそうだと思いませんか?
皆さんの将来的な転職先の一つとしてPEファンドをご検討いただけたら幸いです。