こんばんは。夏休みが終わってしまいます。
この一週間、実はとても落ち込んだ日々でした。色々あって、夏休みなのに、全く楽しくなかったのです。
そんな中でも、新しい読者さんが私の童話を読んでくれて、感想まで聞かせてくれたり、友人が気にかけてくれて、お菓子を差し入れてくれたり、占いで良いアドバイスをもらえたり、懸賞に当たったり、気持ちとは裏腹に、嬉しい事が続いて起きました。
何か見えない力が、励ましてくれているようで…。
皆さん、ありがとうございます。
午後6時、工場内に、終業を告げるベルが鳴る。
タクトは、加工していた部品の切り粉を払い、立ち上がって伸びをした。
「慣れて来たな。」
工場長が、タクトの仕上げた部品を見ながら、満足げに声をかける。
「どうも。」
こんな事で褒められたって、少しも嬉しくない。
タクトは熱心に働いていたが、作業中に、ふと我に帰る時がある。
"何で、こんな事しているんだろう。自分が本当にやりたい事は、全く違う事なのに。"
重たい安全靴は、またも、タクトの足を引っ張るようになった。
"昔に戻ったみたいだ。"
仕事が終わると、急いで部屋に戻る。そして、食事もそこそこに、絵を描くという生活が続いたのは、初めの2週間だけだった。
自分に課した義務を、ただこなす為に、そこいらにある物をダラダラと描いていても、楽しい気持ちも、やる気も、全く出るはずが無かった。
そこに、疲れと苛立ちが覆い被さる。
また明日、次の週末にはと、自分に言い訳を繰り返し、結果、夢は遠ざかって行く。
こうして半年は、あっという間に過ぎ去った。
タクトは、何の結果も出せないままだった。
今日はここまで。今回も読んでくださって、ありがとうございました。
続きは、ちょっとまってね。
こんにちは。一人で引き篭もりだとね、寂しくて仕方ないのですよ。気を紛らわすために、今日も更新しますよ。
"続けなさい。暮らしに流されてもね。"
「分かってるよ、そんな事。」
タクトは、帰りに買った雑誌をベッドの上に投げ、机の上のスケッチブックを広げた。
先ずは、あの表紙の様な風景画でもと、鉛筆を持ち、構えてみたが、数十分経っても何も描けなかった。
諦めて、ベッドに横になる。
放り投げた雑誌を掴んで、改めて表紙を眺めていると、"この景色を知っている。" そんな気がして来た。
「前にも見た事あったかな?誰の絵だっけ?」
雑誌を広げ、ようやく最後のページの端っこに作者の名前を見つけた。
「テオ・スウラ あの日の景色」
絵画教室のクラスメイトだ。教室で描いていたあの絵だ。
テオは、タクトより数ヶ月後に教室に入って来た。
教室に通う友人達は皆、それぞれ素晴らしい才能の持ち主だった。何度も受賞経験のある、目立つ者もいる中で、テオはタクトと同じ、目立たない、ごく普通の青年だった。
この絵を描いていた時も、タクトと席を並べて、タクトと同じように描いていた。
あの時の作品が、今や雑誌の表紙を飾り、大勢の目に触れているのだ。
タクトは自分の鼓動が速まるのを感じ、雑誌をゴミ箱に放り込んだ。
そして、激しく嫉妬している自分を嫌悪した。
今日はここまで。今回も読んでくださって、ありがとうございました。
続きは、ちょっとまってね。
こんにちは。夏休みです。休みに入ったらやりたい事が沢山あったはずなのに、ダラダラしちゃいますね。
私は、ダラダラすると、余計な事を考えちゃって、具合が悪くなってしまいます。
なので、読書、手芸、ブログの更新をとりあえずの目標にしました。
…お付き合いください。
タクトは夕暮れ近く、「魔女の大鍋」が店名に相応しくなる時間に、ようやく帰って来た。
店には、占い師の老婆が、キサラと立ち話をして、大笑いしている最中だった。いかにも占い師らしい、黒いレースを被っているお得意さんだった。
「あら、タクト!おかえり!」
キサラは、笑いすぎて出て来た涙を拭いながら言った。
「どうも、ただいま。」
元気なふりをしようとしたが、陽気な二人の前では、タクトの声は、自分でも余計に沈んで聞こえた。
脇を抜けて、部屋に向かおうとするタクトの腕を、老婆は筋張った手で、力強く掴んだ。
「ちょっと。」
老婆はしばらく、驚いた顔のタクトを見つめて、つぶやいた。
「…まあ、しばらくの辛抱よ。続けなさい。続けるのよ。暮らしに流されてもね。」
それだけ言うと、呆気に取られたタクトの腕を離し、何事もなかったかのように、またキサラとの会話に戻った。
よろよろと部屋に向かうタクトの背後から、また大きな笑い声が聞こえた。
ここに居ると、自称魔女だの占い師だの、怪しい客に沢山会うけれど、このタイミングで、あんな事を言われると、あの人達は、ただの怪しい人達でもないのかもしれない。
タクトはそんな自分の考えに呆れながら、部屋のドアを開けた。
絵の具の油っぽい匂いがした。さっきの工場の油の匂いとは、やっぱり違うなと思った。
今日は、ここまで。
今回も読んでくださって、ありがとうございました。
続きは、ちょっとまってね。