童話屋 「ちょっとまってね。」

童話屋 「ちょっとまってね。」

なかなか更新出来ませんが、童話書いてます。


こんにちは。本当にお久しぶりです。
今日は、童話の続きではありません。
だいぶ更新していないので、読んでくださっていた方も、忘れられているかも知れませんよね。すみません。

 私の愛猫が、昨日亡くなりました。
19歳でしたが、うちの子になる前に、近所の駐車場で、子育てしているのを見ていたので、20歳は越えていたかも知れません。

昨年、ちょっとおかしな咳をしていたのと、食べこぼしが増えた事が気になり、息子猫の頃からお世話になっていた病院に連れて行ったのですが、「咳は、よくある事だし、食べこぼしも、歯石が付いているからかも知れないけど、まだ大丈夫。」との診断でした。
息子猫の病気が、変な咳から始まったので、念の為、セカンドオピニオンをと、他の病院へ連れて行ってみたら、「下顎に何かが溜まってるね。」との事で、エコーで観てくださって、結果、癌が見つかりました。

他にも、高血圧や、リンの数値が高い等、色々と見つかり、薬やサプリ等が増えて、それでも、出来る限りの事をして、なるべく苦しまずに済むようにと、頑張って来ましたが、癌はもう、どうしようもなくて、点滴しても、ぐったりと寝たきりになり、
なんとか呼吸だけしている状態になってしまい、最終的に、安楽死の処置をしてもらいました。

「昨日の今頃は、まだ生きていたな。」とか、別の部屋に居ても、「様子を見に行かないと。」なんて、ふと、考えてしまいます。その度に、あの子が居ない事を実感して、辛くなるばかりです。

昨日のうちに火葬してもらい、お骨も私が小さな骨壺におさめて、今は、息子猫のお骨の隣にちょこんと置いてあります。

家の中に、猫が居ない暮らしは、何十年ぶりなんだろう。ものすごく淋しく辛いですが、もう、年齢的にも、体力的にも、経済的にも、猫のお世話は出来ないし、猫を遺して、私が先に逝くなんて事にならずに済んだのだから、これで良かったのだと思います。

今までは、猫の為に生きて来ましたが、これからの目標は、私の母と、猫達の納骨を済ませる事です。まだまだ頑張らなくてはなりません。

先日亡くなった、フジコ・ヘミングさんは、生前のインタビューで、「天国に行ったら、神様にお願いして、小さくていいから家を一件もらって、今まで暮らしてきた猫達と一緒に暮らすのよ。」と、お話ししていました。
私も絶対、そうしようと思っています。

猫が亡くなる少し前に、虹の橋のたもとで、先に逝っている猫達と仲良くして、私が迎えに行くのを待っているように、言い聞かせておきました。
きっと、また、あの子達に逢えるはずです。
それだけは、ずっと信じています。

こんにちは。本当にお久しぶりです。

私は変わらず、愛猫と暮らしています。

変わった事といえば、断捨離して、随分と家の中がスカスカになりました。

広くなった分、今年の冬は寒かったです。物が、断熱材変わりになっていたんだなぁと思いました。

後ね、部屋に物が無いと、声がすごく響きます。

厚手のカーテンが欲しいです。




「ただいま。店番すぐ変わりますね。」
昼過ぎになって、タクトが帰って来た。
絵画教室は週に5日、午後にキサラと店番を変わり、仕事の合間と週末に課題を仕上げるという暮らしになっていた。
同時に職探しも続けていたが、都合の良い時間に働ける所はなかなか見つからず、「魔女の大鍋」の手伝いをずるずると続けている状態だった。
授業料、家賃、生活費、画材も本も欲しい。このままでは、貯金が底をつくのも、時間の問題だった。タクトは焦っていた。
これだけ大きな街なのだから、仕事なんてすぐに見つかると思っていたが、甘かった。想定外だった。
「どこか、午後から働ける所、無いですかね。この前面接受けた所、ダメだったんですよ。働ける時間が短すぎるって。」
タクトは今日もボヤいている。
「まあまあ。どこかあるはずよ。画材くらいなら、この店の物使ってよ。お金は出世払いでいいからさ。私もレイも、求人見てるのよ。良さそうな所があったらすぐ知らせるわよ。じゃ、お願いね。」

キサラは気にしていない素振りで、いつも何かしら仕事を作ってくれる。

周りにも気を使わせてしまっている事が、タクトには心苦しいのだった。

店番と言っても、ここには滅多に客が来なかった。

タクトとレイの家賃だけで、キサラがどうやってやり繰りしているのか、不思議なくらいだった。

たまに来る客といえば、キサラと同じ、魔法使い気取りの占い師やお婆さんくらいで、支払いは大体がツケで、買う物は大抵、ハーブやお茶やキャンドルという、それほど高額では無い物ばかりだった。

後は、良く分からない所から届く、良く分からない品物の荷解きと陳列。

この前届いた物は、ここの住所こそ、キチンと印字されていたが、差出人の住所と氏名が、何処の国の文字だかさっぱり分からない書体で書かれていた小包だった。開けてみると中身は空の瓶が1ダース。

それも昔のジュースの様な瓶で、空なのに、しっかりと栓がしてあった。

「誰がこんな物買うんだよ?」

キサラに言われた通り、店のいちばん目立たない、端っこの、キサラが言う「お得意さんの棚」に並べたが、翌日タクトが出掛けている間に、全て売り切れていた。

「あの空の瓶、売れたんですね。何に使うんですかね?」

不思議そうなタクトに、キサラは笑って言った。

「あれね、季節の瓶詰めなのよ。人気あるのよ。なかなか手に入らないの。今度入荷したら、1本分けてあげる。あれを開けたら、何で人気があるのか、タクトにも分かるわよ。」

「はあ…。」

“なるほど、魔女の大鍋だ。”

この時、タクトはまだ、ここがちょっと変わった雑貨屋だとしか思っていなかった。しかし後日、タクトも、この店の名前の意味をしっかりと理解する事になるのだった。




今日はここまで。今回も読んでくださってありがとうございました。

続きは、ちょっとまってね。