35年間ありがとうございました。

毎日、教室の片付けに追われています。

 

 

思い出の品々を手に取って眺めては、

これ、本当に処分して後悔しないのか?と、

自問自答しながら、ゴミ袋に詰めていく作業。

 

 

7年9ヶ月前、

震災直後に5部屋ある教室の品々を処分する時は、

スタッフと保護者の方が手伝いに来てくれていて、

3日でトラック4台分の荷物を処分しました。

 

 

時間がないので、スタッフたちは、何も考えず(考えないようにしてくれていたと思います)とにかくトラックの荷台に投げ込むという状況でした。

 

 

今回は一人で作業しています。

たった7年の思い出に浸りながら。

 

 

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震災後に出会ったお一人。

社本先生は奇異な医師かもしれません。

適当な言葉が見つからないですが、

淡々とオールマイティーをこなします。

偏った医師が多い中で、珍しいかもしれません。

 

 

「駅マエ保健室」も

社本先生がいらしたから、好評を博して幕を閉じました。

(あれ、本にしたかったです)

 

今年は、「ダイエット講座」「認知症予防講座」をお願いしておりました。

本日、「認知症予防講座」は好評の中、最終回を終えました。

 

帰り際に、「また来年も!」「次はいつからですか?」のお声を頂戴しました。

 

南相馬市立総合病院での講座は出来なくなりますが、

社本先生と、みんなが健康を維持して、元気で人生を全うできるよう、

また何か考えたいと思います。

 

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社本 博

南相馬市立総合病院脳外科医医師

 

 

 

 

番場ゼミナールの家主を見守る『彼』

 

その彼が、初めて駅前門馬ビル2階にある番場ゼミナール事務所の入口をノックしたのは、

今から2年前の11月下旬でした。

 

彼は心優しい知人に連れられて

入口までやってきましたが、あいにく家主は出張で不在でした。

 

次のスケジュールがある知人に別れを告げ、

彼は入口で家主の帰りを待ちました。

 

 

ほどなくして家主が戻ってきて、彼はゼミの中に足を踏み入れました。

 

 

彼には一つの理想がありました。

 

震災後、

 

家主が主催する番場ゼミナールは、

時に街の保健室、

時に多くの人々の交流所、

そして時に子ども達の集会所として慕われていました。

 

 

彼の理想は、多くの市民の皆様に健康や幸せをもたらすために活動し、

自分の健康や幸せが後回しになっている家主の健康を支えることでした。

 

 

早速彼は自分の理想を家主に提案しようとしましたが、

忙しい家主とちゃんと話ができたのは、訪ねてから4日後のことでした。

 

 

彼の提案を聞いた家主は

早速彼の理想を実現しようとしました。

 

 

しかし、わずか数分で、家主は彼の提案が簡単には実現できないことだと悟ったのでした。

そう、彼の提案は、思った以上に難しかったのです。

 

 

日を追うごとに彼は、自分の理想とは違った役割を担うことになりました。

 

時に彼は事務所内で開催されるイベントのために自分の居場所を市民の皆さんに提供して、

 

部屋の片隅で皆さんを見守りました。

 

 

事務所に訪ねてきた多くの方々と、

いつもの定位置で記念撮影に付き合うことも多々ありました。

 

 

家主もそんな彼を温かい目で追ってはいましたが、

いつしか事務所を訪ねる人も彼の存在に気付かなくなるようになりました。

 

 

そして、なかなか彼は自分の理想を実現することができないまま、2年が経ちました。

 

 

平成30年初秋、彼は家主から、

今年いっぱいでゼミを閉め、住み慣れた事務所を引き払うことを告げらました。

 

 

彼は驚きました。

 

 

でもいつかは自分の理想を家主とともに実現できることを夢見て、家主といつまでも一緒に行動できることを夢見て、その話を受け入れました。

 

 

一抹の不安は、家主がちゃんと彼といつまでも一緒に過ごしたいと思っているのか、

自分の理想を一緒に実現しようと思っているのかを直接伝えられていないことです。

 

周りの皆は『大丈夫!』と言ってくれるけれど、

もしかしたら、家主と離ればなれになってしまうのではないかと、ちょっと心配しています。

 

 

彼はずっと家主の体を気づかい、幸せを祈っています。

 

だからいつか自分の存在が家主にとって唯一無二になることを願っています。

 

そんな彼は、「ワンダーコア スマート」と呼ばれています。

 

 

 

南相馬に住む人、南相馬を訪ねる人、

 

多くの人々の『拠所』だった番場ゼミナール。

 

 

番場さんは、

自分以外の人の暮らしや幸せや健康を願ってばかりでした。 

 

 

自分のことを振り返る暇がないのではないかと思ってプレゼントしたワンダーコアスマートでしたが、

 

最後は部屋のオブジェになってしまいました(笑)。 

 

 

でもきっといつかワンダーコアスマートで

筋肉もりもりになった番場さんが皆さんの前に登場するだろうと、

 

今から微かに期待しています。

 

 

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先生、プレゼントありがとうございました。

 

きっとこれを活用して、

筋肉モリモリになって帰ってきます。

驚かないで下さい。