村上龍氏が編集長をされているJMM(Japan Mail Media)
に掲載していただきました。
JMMより転載します。
------------------------------------------
2016年12月28日発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
JMM [Japan Mail Media] No.930 Extra-Edition
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
http://ryumurakami.com/jmm/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼INDEX▼
■from MRIC
□ 福島の子どもたちへ 「自信をもって生きていきなさい」
■ 番場さち子:任意団体ベテランママの会代表
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■from MRIC
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
昨今、
ます。
これは今に始まったことではなく、
発電事故直後から、
私も、
た。
震災直後に、任意の市民団体「ベテランママの会」
者の声を拾い集めることからのスタートでした。http://
私も避難所にいる時には、
聴かせていただくことが多く、
こしても心が苦しくなる実話ばかりです。
その後、一番多く寄せられましたのが、
の相談でした。
「被災者とバカにされた」
「福島ナンバーの車に、釘のようなもので傷つけられた」
「車に生卵をぶつけられた」
「放射能移るんじゃない?とばい菌のように扱われた」
ひどいものは、「
心して関東へ着の身着のまま避難して来ました。
とができるようになり、
朝、玄関前に、人糞が置かれていた・・・」
されてきた若いお母さんに、私は「それは犯罪だから、
いました。
電話で伺ったことが思い出されます。ご近所の皆様も、
島県民が、自分の近くにやってきたと、
逆の立場なら、
先の方々の気持ちを想像したりもしました。
あの方々は、今どうしていらっしゃるのか・・・
お元気でいらっしゃることを望んでいます。
福島県民の心の闇は、あの原発事故から始まりました。
まぎれもなく、あの日からすべてが始まりました。
放射能や放射線を知らないから、不安が余計に、
ように考えました。避難所にいる時に、
被害はない」がリフレインされても、
傾聴を続けてきた「ベテランママの会」が次に行い始めたのが、
所から、毎週、
会をスタートさせたことです。冊子も作成いたしました。
http://ameblo.jp/1130gokusen/
それもこれも、不安でたまらない人々から、
ての思いでした。
また、東京の大学にデビューした若者たちが、
き、たくさんの悩みや相談が寄せられました。
なった学生さんもいます。
最初は喫茶店などでお話しを伺っていましたが、
る場所があったらいいのに・・との思いで、「番來舎」
http://www.banraisha.com/
この「番來舎」立ち上げには、実に3年半の年月を要します。
「福島の人に貸したら、マンションの価値が下がる」
「福島の人たちが出入りしたら、
つけられた事もあります。ようやく3年半かかって、
ーさんとの出会いがあり、「番來舎」
たのです。
そこでは、福島出身のお母さんや学生の悩みを聴いて上げたり、
の講演会を開催したりしています。
しているわけではありませんので、
私自身も避難所にいるとき、体調を崩し、
ありました。福島県南相馬市の保険証を提示しますと、受付嬢は、
を一瞥し、
のが、何度か病院で受けた私の洗礼です。別室に通され、
室は通らず、裏から入るように指示されたとき、
きた「差別」「ばい菌扱い」はこのことか、
度も聴かされていた話しでしたので、
放射能は移りません。
知らない人には、そう教えてあげましょう。
福島の子どもたちは、正しい知識を身につけ、
げましょう。
私は最近の講演で、「
力の電気を使っている関東の人たちの物で、
りしてあげている」と話して来ます。
ポリエチレンの袋に入れられたそれは、
りあえず置かれています。中間処理施設はたったの2%
処分場の話も決まっていません。予想では、
すると18杯分と言われています。
https://www.env.go.jp
福島は関東のために電気を作り、それを送り、
土をお預かりしてあげているのです。
むしろ感謝してもらうべきです。
いろいろな考えや事情があっての避難生活だと思います。
故郷を追われ、やむなく住まいを変えたストレスは、
できない話です。ある日突然、
ろと言っても、それは土台無理な話です。
ただひとつだけ言えることは、
むしろ胸を張って、自信を持って言いましょう。
「福島の子です。
と。
私は、自分の子どもが小さかったら、
ありますが、なんと言われても、やはり正しいことを教え、
るように育てたであろうと思います。
「自信を持って生きていきなさい」
いたします。
番場さち子プロフィール
1961年3月3日生まれ
任意団体ベテランママの会代表 番來舎主宰
教育アドバイザー 発達支援員 書道教授 上級食育指導士
2011年3月東日本大震災及び原発事故により114名の塾生が
30キロ圏内の公教育機能が停止する中で、
れ、授業・教材を無償提供。
任意団体ベテランママの会を立ち上げ、
科学研究所、南相馬市立総合病院などと協働のもと、
勉強会を主催。
南相馬に留まらず、全国各地からの相談を受け入れる。
2014年「福島県南相馬発 坪倉正治先生の放射線教室」を上梓。
同10月英語版も作成。福島の支援拠点として駒場東大前に「
2015年2月「日本復興の光大賞」受賞。
2016年2月「地域再生大賞優秀賞」受賞。
------------------------------
MRIC医療メルマガ通信 ( http://medg.jp )
MRICの配信をご希望される方はこちらへ > ( info@medg.jp )
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
JMM [Japan Mail Media] No.930 Extra-Edition
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【発行】村上龍事務所
【編集】村上龍
【発行部数】85,479部
【お問い合わせ】村上龍電子本製作所 http://ryumurakami.com/jmm/
【配信解除】上記ウェブサイトにて解除をおこなってください。
【メールアドレス変更】「配信解除」後、
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright(C)1999-2016 Japan Mail Media 許可無く転載することを禁じます。