朝っぱらから、近所のおじいちゃんがお茶飲みに来ていました。
茶の間で話し声がするのに聞き耳をたてながら、
「今頃起きたの?」と言われないように、そっと台所の扉を開ける・・・
「食うものなにもなくて・・・」と、近所のおじいちゃん。
貧乏で食べる物がない。
と言っているわけではない。
放射能が怖くて、内部被ばくするんじゃないか・・・と恐れ
地元産の野菜や米が食べられない・・・という意味のようでした。
父の答えが圧巻でした。
「全品検査して、基準値以下だとわかってっから、俺は食ってっと。
この前採って来た銀杏も、勿体ねえけど、一応測ってもらったら
少しは出たんだ。0ってねえからね。
でも、坪倉先生に訊いてみたげんちょ、100キロ食ってもレントゲン1枚撮るより少ない被ばく量だって言わっちゃんだよ。
地元の野菜は新鮮でやっこくてうめえべ。」
(全品検査して、基準値以下だとわかってるから、俺は食べてるよ。
この前採って来た銀杏も、勿体ないけど、一応測ってもらったら
少しは出たんだ。0はないからね。
でも坪倉先生に訊ねたら、100キロ食べてもレントゲン1枚撮るより少ない被ばく量だって言われたんだよ。
地元の野菜は新鮮で柔らかくて美味いだろう。)
坪倉先生のお話し会にも何度も通わせました。
私も噛み砕いて話して聴かせました。
教育のたまもの。
と、台所でほくそえんだ私。
そう、秋になると、我が家の廊下は、銀杏独特の匂いが家中に漂います。