モンテッソーリ教育で重視する成長、発達と子供の敏感期の種類

モンテッソーリ教育で重視する成長、発達と子供の敏感期の種類
今回のテーマは、

モンテッソーリ教育で重視する
成長、発達と子供の敏感期の種類

について紹介します。

モンテッソーリ教育で重視するのは
子供の敏感期に何をするのかと言う事、

この敏感期と言う概念こそが
モンテッソーリ教育の大きな特徴です。

どんなタイミングで
どんな教育を子供にすれば良いか、

親であれば誰しもが気になるところですが、

その答えの一つとして
考えられるのが、

脳の発達に合わせた
適切な教育をする事、

前回まで、前頭葉や
シナプスの成長と幼児教育
と言う観点を見てきましたが、

マリア・モンテッソーリさんは

子供の心や身体の成長は
定規で測ったように徐々に
完成されるのではなく

ある特定の時期に急進的に
あるいは爆発的に完成されると考えました。

つまり、子供の能力が
伸びるには一定の時期と言うものがあって

その時期に適切な環境が
与えられると、

子供自身の内的な要求と相まって
大きな成長が望めるのです。

これが敏感期です。

敏感期と幼児教育の関係

敏感期(Sensitive periods)
と言う概念は

オランダの生物学者
ユーゴー・ド・フリース

によって提唱されました。

1917年、ド・フリースは
モンテッソーリに、

この概念を彼女の教育に
取り入れるよう勧めたと言われています。

モンテッソーリの敏感期は

「発達の初期の頃に、
ある能力を獲得するために、

身の周りの特定の要素を捉える
感受性が特別に敏感になってくる一定期間」

の事を指しています。

この敏感期の概念を子供の発達と
教育に取り入れる事により、

モンテッソーリの幼児教育は

大きな特色とより高い
教育的効果を持つ事になりました。

敏感期の概念は、その後
教育学者ロバート・ハヴィガーストの
発達課題の提唱や

ローレンツの臨界期の概念へとつながり
心理学や動物行動学にも
大きな影響を与えました。

これあら幼児教育と言う点で
子供を天才に育てる…と言う際に、

どんな教育メソッドを取り入れるにせよ、

『敏感期』というキーワードは
ぜひ覚えてほしい言葉と言えます。

敏感期はいつでもあるものではない…

私たちは誰しもが大なり小なり、

「失ってから始めて気づく大切さ」

と言う経験をした事があると思いますが、

タイミングと言うのは非常に重要です。

敏感期と言うのは
ずっと続くものではないからです。

「子供の敏感力はしばらく経つと
消滅してしまうので、

そうならないようにする事が
この上なく大切な事です。

なぜなら、その後、
そのような大事な機会は永久に
現れないからです。

いくつか種類があるのですが、

一定の敏感力の続く間、

子供はものを楽々と覚えて
文化を吸収していくのですが、

それが消滅してしまうと、
意志力を働かせ、骨打って努力しなければ
吸収できなくなるのです。」

これはモンテッソーリさん自身の言葉ですが、

「鉄は熱いうちに打て」

の熱いうちがまさに敏感期に当たる訳です。

冷たい鉄を加工するのは
非常に労力がかかりますが、

熱いうちなら簡単かつ
精巧に加工する事ができます。

従って敏感期を有効なものにするためには

その時期に適した環境が子供に
準備され、与えられなくてはなりません。

子供の成長、発育と敏感期の関わり

子供の発育障害や精神発達の多くは、

そうした環境の準備が不十分だったため、

種々の敏感期を上手く活用できなかったり

むなしく終わらせてしまった事による

とモンテッソーリさんは指摘しています。

もしかしたら、キレる子供や
少年犯罪とも関わりがあるかもしれません。

さらには出生直後の環境ほど
大切なものは無いと述べ、

生まれてから乳児期の身体発達のみならず

精神発達に及ぼす
環境の影響を重視しています。

最近では、胎児教育と言う
事も良く言われているようですが、

出生直後の赤ちゃんの脳は
私たちの想像以上に敏感だそうです。

では、何歳頃にどのような
敏感期が来るのでしょうか。

脳科学の世界では

敏感期はそれぞれの機能によって異なり、

しかもそれは原則として一生のうちで
1回だけ現れると考えられています。

さらに敏感期に習得したものは
脳がしっかり記憶しているので、

たとえ長い間その機能を使わなくても

必要な時はすぐに使えるようになる

と言う特質もあります。

モンテッソーリの考える6つの敏感期

そう考えると、

子供の各種の機能が大きく
成長し伸びる敏感期に、

適切な経験と学習の機会を
与える幼児教育の役割は

特に重要だと言えるでしょう。

適切なタイミングを知っておく事は
非常に大きなアドバンテージとなります。

モンテッソーリさんは

幼児期に現れる主な敏感期として

1.秩序への敏感期
2.細部に対する敏感期
3.手の使用の敏感期
4.歩く事の敏感期
5.感覚の敏感期
6.言語の敏感期

などの種類をあげ

この時期の幼児教育の
重要性を指摘しています。

秩序や細部に対する敏感期など

モンテッソーリの幼児教育に
特有と思われるものもありますが、

手の使用、歩行、それに
言語に関わる敏感期などは

一般的なものと考える事が出来ます。

ここに示されたそれぞれの
敏感期の具体的な年齢については

モンテッソーリは必ずしも
明らかにしていませんが、

敏感期に関する研究をもとに、

ある程度、相当する年齢を示しながら、

それぞれの敏感期の種類について
詳しく見ていく事にしましょう。