出会い*1
「今日から1か月間よろしくお願い致します!」
いよいよ今日から地獄の実習が始まる。
緊張しながら職員の前で挨拶をしたのは
“佐倉まこ”。
心のなかでは早く帰りたい、
友達と遊びたいと
今にも泣きたい気分だった。
―佐倉まこ―
私は、社会福祉を学ぶ大学3年生。
人と関わるのは嫌いではないけど、
緊張しいで社交的とは言えない。
そのうえ、とてもネガティブ。
そんな私は人の役に立つ仕事がしたくて
福祉の大学を選んだ。
ごくごく普通の、なんの取柄もない私。
男運はとても悪い。自覚している。
それなのにとても恋愛体質で、
いつもいつも片想いをしている。
“まこは本当に懲りないよね”
そんなふうに友達に言われてしまうほどだ
「よろしくね、佐倉さん、
じゃあ、とりあえず入居者様と話してきて!」
元気だけはいい実習指導者だ。
いきなり放置プレーですか。。。
実習って何をすればいいの?
こんなので1か月持つのか私!
そう思いながらとりあえずユニットに足を運び、
入居しているおばあちゃんとおじいちゃんに
挨拶しながらお話をしていた。
毎日、お話をするなかでだんだんと
おばあちゃん、おじいちゃんも心を開き
家族の話や昔話、
なかには自分が結婚した時のこと、
旦那さん、奥さんのことなど懐かしそうに、
笑いながら話す入居者様が沢山居た。
気づけば、実習担当者に放置し続けられ、
1週間が過ぎていた。
「佐倉さん、また放置されてるよね?」
そう話しかけてくれたのは優香さんだ。
私の大学の卒業生で、
大学の先生が
何かあったら頼りなさいって言っていた人だ。
明るく、パワフルな人である。
そのうえ、とても視野が広く、
気が利き頼りになるお姉さんみたいな存在だ。
実習担当者は毎日、同じことしか言わない。
優香さんはそんな私を見かねて、
話を聞いてくれたり、
一緒にお昼を食べてくれたり
すぐに打ち解けることができた。
本当に優しい先輩だ。
「優香さん、実習ってこんなのでいいんですか?
私、どうしたらいいか分かりませんよ~」
「大丈夫。
あの人は実習生みんなのこと放置してるから。
だいたい入居者の名前覚えてきたなら、
話しやすいおばあちゃんとかおじいちゃんと
話してれば大丈夫よ!」
「分かりました~。ありがとうございます!」
「じゃあ、頑張るんだよ~。
私会議いかなくちゃ~」
優香さんはすごいな。。。
まだ働いて3年目なのにいろいろ任されて、
私もあんな風に働けるのかな。
絶対無理だ~!
*恋、まこ*
今日も恋していますか?
読んで頂いてありがとうございました😊