現役の中学校教師です。

3年生の学年の代表をしています。

教育に対して思うこと、考えたことなど書いています。​​



当たり前のことですが、生徒は教師の知らないところでどんどん成長しているんだなと思った話。
中学校1年生で出会った生徒たちも気づけば、もう3年生になっております。
生徒とコミュニケーションをとるなかで、1人ひとりの個性が色濃く出始めたと思います。

授業では、全くノートも書こうとせず、ボーッとしている生徒がいて、普通の教師の感覚では、何をしているんだ?と注意をするような生徒がいます。ここまでの2年間では注意をすることも多くあった生徒ですが、この前話をしていたら、本屋さんに行くのが好きで、最近は自己啓発の本を自発的に買って読んでいると話をしてくれました。
正直驚きました。中学生が自発的に本を読む読書習慣があることは珍しいですし、まさかその生徒がという思いがありました。中学生の段階からそのような読書習慣があることは大きな武器だなと思います。私たち教師の知らないところで生徒は成長していっているんだなと感じました。
面談で話をしている時に、将来に対して漠然とした不安があると涙を流してしまった生徒がいました。その生徒はとても真面目で、よく言う表現で言うと、あまり手のかからない生徒です。涙を流し始めて、その後も話を聞き続けていたのですが、最終的に本人が言っていたのは、1回しかない自分の人生を嫌々生きるようなことはしたくない。自分が本当にやりたいことを見つけた、熱中して生きていきたいと話していました。
内心に秘めた熱い思いに驚かされました。中学校の3年生がここまで考えているのかと。この生徒はこの先、何者にでもなれる可能性が無限にあると感じさせられました。きっとこの3年間の間に自分なりにいろんなことを考えて、成長してきたのでしょう。
また別の生徒の話になりますが、勉強が苦手で、教師の側も進路をどうしてあげようかと考える生徒がいます。その生徒が80年代の洋楽ロックミュージシャンの本を読んでいました。親の影響で家にあったから読んでるのかなと思い、どうしてその本を読んでいるの?と聞くと、自分はこの年代の洋楽ロックが大好きなんだと。私でも知ったいるかギリギリのマニアックなバンド名を話し始めました。
まさかそんな趣味があったなんて。しかもかなりマニアック。私も音楽が好きなので、こんな趣味を持っている生徒がいるのかとテンションが上がったわけですが、生徒はそれぞれ教師が思っている以上にそれぞれの世界を持っているんだなと思わされました。

教師が見えている生徒の姿は本当に一面でしかないんだなと思わされました。
私が見ている生徒には、それぞれが思う道を胸を張って歩んで行ってもらいたい。
その歩もうとしている道を妨害したり、修正しようとしたり、足を引っ張ったりすることはしたくないなと思いました。
教育の現場で見えている、当たり前の尺度に照らし合わせて指導していくのは簡単です。
でも、その尺度に収まらない個性を持った生徒がたくさんいるということを意識しておきたい。
全員が全員、自分らしく幸福な人生を歩んでもらいたい。
そんな思いから、生徒にはこんな言葉を送りました。私も大好きな言葉です。
サッカーのイブラヒモビッチ選手の言葉
「我が道を進めと俺は言いたい。それがどんな道であってもだ。」