ちと、今日はフェンシングの話でいきます。
この5月からのサーキットで2009年の状勢はガラリと変わった。
2009年、スタートダッシュを切ったのはイギリスのクルーズだった。
開幕戦優勝、フランスGP2位、ヴェネチアGP優勝。
もはや、誰も手がつけられない状態だった。
ランキングも大きく変わり彼がトップに来るだろうと多くの人が予想しただろう。
そして迎えた5月。
クルーズを主役から引きずりおろすには十分すぎる2人が帰ってきた。
ドイツ、北京五輪王者。ベンジャミン、クライブリンク。
イタリア、アンドレア、バルディーニ。
北京後にフェンシングを知った方はバルディーニの存在を知らないかもしれないが、彼こそ北京五輪優勝候補の筆頭だった。
06、07、世界選手権準優勝。07ー08世界ランキング1位
そんな彼に悲劇が訪れたのはオリンピック1週間前くらいだっただろうか。
ドーピング陽性。
成分は利尿剤だった。
彼がやったのかどうかは分からないが、フェンシングでドーピングが有効に働くとは僕は思えない。
真実は今も分からない。
本来なら2年の出場禁止だが、FIE(国際フェンシング連盟)は彼が数多くのドーピング検査で陰性だったことと、オリンピックの出場資格を失ったことから異例ともいれる処置をとった。
半年の出場停止。
この事から、彼は戻って来た。
みんな彼の復帰を待っていた。そう僕も。
クラブリンクはオリンピック以降長期の休みを取っていた。
ワールドカップでの復帰戦は東京GPだった。
これで役者が完全に揃った。
彼らが帰って来た事で試合の雰囲気が変わったようにも感じる。
年明けとは全く違うメンバーがファイナルに残るようになっている。
彼らの試合を見ているとなんだかワクワクしている自分がいる。
それと同時に彼らに負けたくないと強く思う自分もいる。
僕たち3人は85年生まれの同い年。
2005年の世界ジュニア選手権で表彰台に立っていたのもこの3人だった。
真ん中にはクライブリンクがいた。
バルディーニも大事な所では2位が多い(笑)
そんな彼らを必死に追いかけてきた。
ここからは対等に戦っていきたい。
僕も十分経験は積んだと思う。
世界選手権楽しみだな。
試合前緊張するだろうな(笑)
太田雄貴