トラちゃんは、地元の裏路地に住んでいた3姉妹のうちのひとり。
トラちゃん、プーちゃん、シロちゃん。
プーちゃんとシロちゃんは上のふたりなんだけど、かなり模様も似てて
これはそもそも父親譲りなのかな。トラちゃんだけが縞模様。
3姉妹の母親をあたしは「なかよし」と呼んでた。
あんな美人ネコは今まで見たことがなかったし、これからもないと思う。
スラっとしてて縞模様の毛並みが綺麗でちゃんと気分屋で、
たまに家に入ってこようとして、なつこくてウィッティなコでした。
そんな彼女の娘たちは当然近所でアイドルになりました。
母ほどの美人は産まれなかったけれど、トラちゃんは母譲りの美しい縞模様で、
また一番なつこかった。よく遊びました。
病気だったのを知らなかった。で、亡くなったことも知らなかった。
ふくふく太ってて堂々としてて話しかければみゃあと返事をした美人のトラちゃん。
なかよしもずいぶん前に去ってしまい、トラちゃんにももう会えない。
誰かの記憶だけに残っている命って悲しいものなんだろうか。
それでは悲しさと幸せとではどれだけの差があるんだろう。

