I am me.

初めて手がけたインスタレーションのタイトルだった。
当時高校3年生だった私は、
在籍していたイベント企画運営団体卒業のタイミングで
代々木第一体育館の1ブースを担当させて貰った。

女子高生が楽しめる進路相談イベント、
代表達がつけたコンセプトが「I am me.」だった。

進路相談と言ったら大学みたいな所を
色んな専門学校の体験ブースがあって
ダンサーになりたい子、美容師になりたい子、
ヘアメイクのアーティスト、
女優、モデル、歌手、アイドル、アーティスト
芸能が多かったけど
でもなにか自分でやってみたい行動力のある子が
とにかく運営にはたくさんいた。
卒業してから会社を立てた先輩もそれなりに見てきた。
私もその1人だった。

周りのみんなだったり
来場者の女子高生だったり
ひとつ上のステップで活躍しているゲストさん
にこるんも出てたし、みちょぱも出てた。
そんな期間限定の1番キラキラした同世代と何かを作り上げる
あの時間が大好きだった。

大学に進んで就職するのが全てじゃない
私の生き方を決めるのは私。I am me.
とっても素敵なコンセプトだと思った。

私が私である為には、
目を逸らしたい自分の嫌いな所も愛して
そうやって表現にしていかなきゃ行けない。
子供だか大人だかわかんない変な年代、
これからの人生に不安もありながらキラキラしてる
すごく複雑でパワフルなもやもやを
爆発させたような作品を目指して制作を進めた。

今の私からは考えられないくらいパステルカラーの空間だった
夢を見る気持ち、考える気持ち、それでも表層は輝いてる。
半分夢みたいな女子高生の日々を
シュールレアリスムに落とし込んで
ダリのメイ・ウエストの顔のシュルレアル・アパート
ここからインスパイアを受けて、
決してポジティブな作品ではなかったけど
とってもキラキラしていたと思う。

その時のブログもあったけど
ちょうど今読み返したらちょっと恥ずかしかった。
もっとフレッシュだったね。
時間が経って客観視出来るようになってしまった。

あの頃に作った私なりの正解があれで、
一気に落ち着いたOver Flowだって私の正解だった。
途端に輝きは失ってしまったけど、
Carpe Diemでは神聖な儚さを学んだ。
これまで制作してきた個人の作品は
1つだって明るいものはなかったと思う。

強靭なメンタルで皆勤賞だったけと
小中は容姿の事で散々陰口を叩かれてきたし
誰1人許してないし私の方がかっこいいと絶対に認めさせたいし
高校時代はデザイン系で個性的な子達の集まりだったから
私にはすごく過ごしやすかったけど
基本的に後悔や嫉妬や怒りや悲しみは許容している。
マイナスなものを昇華させてパワフルな作品を作りたい。
あわよくばそれでどこかの誰かが
ちょっと元気になれるか
心が動いて、いい時間だったと思ってくれればそれでいい。

やるべきことはインスタレーションなのかな。
Carpe Diemは墓地設計だったけど
大量のスケッチと模型で、
敷地模型なんかほぼコンセプトを伝える絵画みたいになっちゃって
表現手法として模型があっただけで
アートの領域で試行錯誤出来ていたのかもしれない。

I am me.
間違いなくここから私は表現を始めた。
Over Flow
悲しみのどん底で物語を綴って、美しく羽ばたかせた。
Carpe Diem
現代の死生観を追求して、死後の楽園の世界を作り出した。

デザイナーだと刷り込んで、
音楽の世界に強い憧れを持っていた。
それでも私の活動をアートと同じだと
そう声を掛けてくれるミュージシャンに
ここ1年で沢山出会った。
あの時はしっくり来なかったけど
こうしてこれまでの作品と呼べるものを羅列していくと
もしかしたらそうなのかもしれない。

あの頃の私とは違うから
より洗練された、シンプルな領域だけど
でもキラキラした作品を作るべきだと思う。

今なら出来ると思う。

来年、また挑戦してみようかな。