心療Cafe.Cachette-カシェットを経営して7年目の年に入ったわけで、飲食店業界は、1年で3割、2年で5割、3年で閉業に追い込まれる率が7~8割を越えると言われており、10年では1割と言われているほど、経営は厳しいわけで、特にカフェや喫茶店は、回転率の悪さなどから、売上は低く、閉店率は他に比べてダントツに高い中、7年目を迎えられたのは、一重に常連さんは勿論ながら、オープン当初から変わらないコンセプトのお陰だと感じています。


そして、クリニックや介護事業所での経験というのも、やはり大きく今の自分に影響をもたらしてくれているわけで、育ててくれた恩師である松原先生方には、本当に感謝しかありません。


心療カフェのコンセプトは、『カフェだからこうあるべき』ではなく、『カフェだけどこんなことができる/している/させてくれる』を顧客に対して意識してもらうことをはじめとしながら、『医療施設でも福祉施設でもない完全なフラットな場所での心療を志ながら、必要なケースには、適切な医療、福祉、市町村へと繋げる医療コーディネーター的立場を取れるように日々活動と視野を広げ、受け皿となる場所』としての居場所及び心療所としてのカフェが、その根底にあるわけで、『真夜中の相談』や『子ども/親子討論会』などを行いながら、年間平均5000件(1日平均13件~15件、長期休暇時は倍)ほどの相談を聴かせて頂いています。


そんな中、私の専門は児童(未就学児~大学生)で、クリニックや介護事業所でも神経発達のお子さんから精神疾患児の精神療法及び支援をしてきたのですが、カフェを経営してからは、大人の方からの相談も増え、最長齢は、89歳の広島在住の方と、関西圏外からの相談者の数もSNSや積水ハウスさんのHP、医療/福祉従事者等を介してお越しになられているから驚いています。


また、最近は公務員(キャリア組)や大手企業に勤めている方、河合隼雄先生の患者さんだった方、経営者さんなどからの相談及び面接(カウンセリング)もさせて頂く機会というのが多く、彼ら彼女らからお話を聴かせて頂いていると、今の企業や、社会というのが、何かと見えたりします。


というのも、公務員や大手企業には、必ず産業医や産業カウンセラー等がいるわけで、そこにかからずにわざわざ私のところに来て相談されるというのは、如何なる理由がそこにあるのか、想像できるでしょうか?中には腹を切る覚悟で、そこに行かなきゃいけないと、真剣な顔で話される方もいて、寄り添いではない面接/診療をされると思われている方も少なくないように感じるのです。


ただ、私は医師ではないため、診断書を書くことなどはできず、投薬(お薬手帳等)を見れば、どういう症状があり、どういう疾患であるかは、理解できますが、あくまで精神療法しかできないだけに、アセスメントやカルテ記帳などは必ず行っていますから、時に彼女ら彼らが働く職場の産業医や産業カウンセラー等に、それらを見てもらうように打診することしかできないため、歯痒さや無力感を感じることもしばしば…。


しかし、それでも彼ら彼女らにとって、少しでも心の捌け口になれるのならば、それほどありがたいことはないわけで、児童心理カウンセラーという職業と、心療Cafe.Cachette-カシェットという居場所作りに誇りを感じている今日この頃。