3月27日、この日は午前中から、今年度最後となる症例研修会で、役員(書記長)として参加する最後の日でした。

そんなテーマは、『パターナリズムとリバタリアニズム(リバタリアン•パターナリズム)』で、私も児童心理カウンセラーとして先生方に対して講演させて頂きながら、恩師である松原先生含め、他の先生方の講演を聴かせて頂き、その後、参加された先生方とディスカッションにて、忌憚ない意見を頂いてきました。

『パターナリズム』とは、簡単に説明すると、強い立場の人が弱い立場にある者の利益になるようにと、本人の意識に反して行動に介入/干渉することを言い、親が子に対しての振る舞いや、他者に対する老婆心等、相手のため、その人にとって良いと思って行う行為が、実はその人の意識や自由を奪っている場合において当てはまり、俗に父権主義と呼ばれています。

『リバタリアニズム』とは、その反対の意味を成し、他者の身体含め、正当に所有された物資、財産を侵害しない限り、各人が望む全ての行動に制限をかけることなく自由で、全ては個人的な自立/自律を重んじ、国家に対しても不平を持つとされ、そういう人をリバタリアンと呼び、俗に自由主義者と呼ばれたりしています。

よく『リベラリズム』と『リバタリアニズム』はごっちゃに考えられがちですが、大きな違いを簡単に説明すると、『リベラリズム』とは、通常の基本的人権としての結社/言論の自由と言った政治的な自由を尊重をしながらも福祉的な権利が重視される一方、『リバタリアニズム』は、政治的自由と経済的自由の色が強く、自分ご都合主義的な面が垣間見られるという違いかと思います。また、『リバタリアン』と『リアリスト』との違いは、『リアリスト』は、国家と権利/権力を所与として発想するのに対し、『リバタリアン』は所与を求めないという違いで、状況化によってその結びつきは変化していくだけに、強まりもすれば、弱まりもするのです。

さらに、この思想/理論を言い始めると、権力闘争によって国際関係が左右されるという『リアリズム(リアリスト)』と、協調的国際関係によって左右されるという『リベラリズム』に加え、『コンストラクティビズム』というアイデンティティ等の主観的認識によって国際関係が左右されるという理論とが比較されたりするわけで、、、

子ども討論会の子らとは、しばしばこれらの理論/思想における議論を行いながら、『思想とは何か?』『社会に潜む様々なニズム=理論とはどう位置付けられ、社会に変革されているのか?』について考えたりします。

今回、私が講演したのは、『教育的パターナリズムとリバタニア二ズム』ということで、子ども討論会や親子討論会を例に出しながら、教育的立場にある人の心理をメインにお話しさせて頂きました。

他には、『患者さんにおける自立/自律と尊厳に向けた対応』というタイトルで、パターナリズムとリバタニアリズムに触れながら、患者さんを中心に、医療従事者や介護士及び支援者との支援体制をどう形作りながら、患者さんその人自身の尊厳等を守るかという私見を述べながら、実際にご自身が取り組まれている活動についてもお話しや、『医療従事者に対するパターナリズムとリバタリアン』というタイトルで、医療現場にて勤務する医療従事者の雰囲気や思考とは、統括する者によって形作られ、それが患者さんにも影響を及ぼすというご自身の経験等から、今の病院経営に関する価値観や考え等も踏まえてのお話しがあり、、、

松原先生は、『インフォームドコンセントによる協同的な医師と個人の価値観~死をどう見つめるか~』というタイトルで、患者さんに対するインフォームドコンセントを中心としたパターナリズムとリバタニアリズムについて、医師と患者における相違的価値観における理解の難しさについて、双方の結果引き起こされた症例/ケースについて提示されながら、『精神的要素』、『臨床的倫理』についてもお話ししてくださりました。

その後の意見交換会も踏まえて、今回も本当に良い勉強と学びになり、来月からはヒラ会員ですが、積極的にこれからも参加させて頂きます🙇。

そして、お疲れ様でしたと、サプライズとしてお花を頂きました✨🎵