“事件”が起こったのは、経産相だった西村氏が11月12日から17日にかけて、アジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席するため、米サンフランシスコに外遊した際のこと。西村氏らは高級ホテル「ホテル・ニッコー・サンフランシスコ」に宿泊した。西村氏の部屋と内部のドアでつながる隣室には、何かあればすぐに駆け付けられるよう、SPが宿泊する予定だった。ところが――。


「SPの代わりに、同行していた大臣秘書官の大山三愛(みつえ)氏が泊まるよう、西村氏が内々に指示したのです。慌てたSPや別の秘書官は周囲に連絡。もしもの事態が西村氏に発生した場合、SPらの責任問題に発展するからです。こうして同行者たちの知るところとなりました」(政府関係者)


「週刊文春」が同ホテルに問い合わせると、確かにコネクティングルームは全部で4部屋ある。17階のエグゼクティブスイートとデラックスダブルルームの組み合わせだと1泊約10万円。23階のプレジデンシャルスイートとエグゼクティブスイートの組み合わせなら1泊約60万円に及ぶ。大臣の渡航費は当然、税金だ。


西村氏らの宿泊先となったホテル・ニッコー・サンフランシスコ(ホテルHPより)

複数の関係者には、大山氏の個人情報が綴られたハガキが届く

 コネクティングルームの“お相手”となった大山氏とは一体、どんな人物なのか。

「現在30代で、離婚歴があるシングルマザーです。今年2月に突然、西村氏の私設秘書となり、7月に西村経産相の政務秘書官に抜擢されました」(西村事務所関係者)


ぴたりと身体にフィットし、ボディラインが露わになる服装を好むという大山氏。そんな彼女をめぐっては、こんな出来事もあった。

「西村氏が大臣を辞任した12月14日ごろに、〈岸田文雄様〉という書き出しのハガキが複数の関係者宛てに届いたのです。大山氏に関する個人情報がつづられ、SNSの画像と思しき黒ビキニ姿のスレンダーな女性の写真がプリントされていた。若いころの写真のようですが、顔立ちからして大山氏本人の写真でした」(同前)


『絶対に部屋割りを言うな』西村氏のベテラン秘書が口止め

 黒ビキニ秘書官とのコネクティングルーム宿泊は果たして適切なのか。大山氏を電話で直撃した。

――大臣とコネクティングルームにいた?

「違います。全然別の部屋です」


西村事務所はこう回答した。

「全くご指摘のような事実はありません。代議士の隣室には、両側に(経産官僚の)事務秘書官と警護官が宿泊しました」

 だが、ある経産省関係者はこう明かすのだ。


「文春からコネクティングルームの件を含む取材依頼書が西村事務所に届いた直後、西村氏のベテラン秘書が(今は齋藤健氏が後任を務める)経産大臣室に乗り込んできて『絶対に部屋割りを言うな』と口止めをしてきた。西村氏自ら動くと目立つので、ベテラン秘書に命じたのでしょう」

APECで日本酒を試飲(西村氏のSNSより) 


12月20日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および12月21日(木)発売の「週刊文春」では、大山氏の西村氏との親密ぶりや西村氏の変わった”呼び名”、外遊同行時の“特別扱い”、西村氏が「架空パーティ」報道後も開催予定だった政治資金パーティ、西村氏のパーティでの“荒稼ぎ”ぶりなどについて詳報している。

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↓wikipediaより↓

パーティー券は通常1枚2万円であるため、販売枚数が推計できるが、枚数に対する購入者の比率は2018年から2022年にかけてすべて「0.675」で統一されている。日本大学名誉教授の岩井奉信は「絶対にあり得ない」とし、安倍派は政治資金収支報告書に架空の購入者数を記入したとみられる[83][84]


安倍派座長の塩谷立と、「安倍派5人衆」と呼ばれた松野博一、西村康稔、萩生田光一高木毅世耕弘成[32]

安倍派5人衆の面々は森喜朗と会い続けた。明治大学出身の萩生田光一は12月3日、国立競技場で開催されたラグビーの早明戦を森とともに貴賓席で観戦した[85]。12月5日、西村と世耕弘成と森はパレスホテル東京の日本料理店で2時間半にわたり会食した。この席には高木毅も参加予定だったが「週刊文春につけられているみたいだ」とおびえ、急遽キャンセルした[85]。12月8日、参議院予算委員会で蓮舫は5日の会食に言及。何を話したのかと西村に問うと、西村は「よく覚えていない。覚えていないが、私の担当している政策の状況などを話した」と答えた。蓮舫が「口裏合わせをしたのでは」と指摘すると、「口裏合わせなど一切行っておりません!」と語気を荒げて否定した[86][85]


同年12月8日夜までに、官房長官の松野博一、高木、世耕が直近5年間で1000万円を超える裏金のキックバックを受けた疑いがあることが報道により明らかとなった[87]。12月9日朝、朝日新聞は、松野、高木、世耕のほか、安倍派座長の塩谷立、萩生田、西村についても裏金のキックバックを受けた疑いがあると報じた[32]


同年12月13日、文春オンラインが、西村の事務所関係者や経済産業省の関係者の証言をもとに、西村が2023年10月から12月8日にかけて「架空の政治資金パーティー」を3回にわたって開催したと報じた[88]。平日昼間に開催された会にはパーティー券購入者は参加しておらず、パーティー券購入の『勉強会』の名目で経産省職員をサクラとして使用し、1回で数百万円の儲けが出ていた[88]。企業が不参加を前提としてパーティー券を購入していれば政治資金規正法違反となる可能性がある[88]


同年12月14日、西村は経済産業大臣の辞表を提出し受理された[34]

同年12月20日、『月刊Hanada』2024年2月号が発売。同号が組んだ特集「日本の危機2024」で西村、萩生田、世耕はインタビューに応じ、西村は裏金疑惑について「確認作業中」と述べ、萩生田は「正直、会計のことはよく分かっていない」と述べた。また、西村と世耕はそれぞれ将来の首相就任に意欲を示した[89][90]。12月22日、安倍派においては、議員側の「中抜き」を含む3つのパターンで裏金づくりを行っていたことが関係者の証言により明らかとなった[91][注 2]


同年12月26日、西村が12月21日12時(平日昼間)から、永田町にほど近いビルの会議室でまたしても“架空パーティー”を執り行った疑惑を、デイリー新潮が報じた[94]

同日までに東京地検特捜部は塩谷、松野、高木、世耕、萩生田を任意で事情聴取した[95][96]。次いで12月29日、西村も任意聴取を受けていたことが明らかとされた[97]


12月31日、議員側がノルマを超えて集めた分を派閥側に納入せずに懐に収めた「中抜き」の総額は、2018年 - 2022年の5年間で約1億円に上ることが判明。安倍派の直近5年間の裏金はキックバック分とあわせ約6億円に上るとされる[98]

2024年1月11日、時効にかからない2018年以降の歴代事務総長、下村、松野、西村、高木の4人はいずれも任意聴取で会計責任者との共謀を否定し、そのうち複数が、資金のキックバックは事務局長から会長に直接報告される「会長マター(案件)だった」と供述していたことが、毎日新聞の報道により明らかとなった[99][注 3]。報道を受けてテレビの情報番組や一部メディアなどで「死人に口なし」との指摘がなされ[100][101]立憲民主党小沢一郎は「彼らの主張が事実とすれば、組織犯罪を主導していた人物が、総理や衆院議長をやっていたことになり、日本の信用に関わる」と自身のX(旧ツイッター)に綴った[102]


1月19日、特捜部は安倍派の会計責任者を政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で在宅起訴した[103]。1月26日、特捜部は西村ら安倍派幹部7人について、会計責任者との共謀は認められないとして不起訴(嫌疑なし)とした[104][105]


2月21日、衆議院・政治倫理審査会へ出席する意向を正式に表明した[106]。国会内で記者団に「私の知っていることを全て正直に話したい」と述べ、「予算の審議は重要なので影響のないように対応したい」と語った。議員辞職や離党について考えを問われ「説明責任を果たしていきたい」と答えるにとどめた[106]


2月28日と29日に開催することで与野党が大筋で合意していた衆議院・政治倫理審査会をめぐり、自民党は27日午後、安倍派の西村と武田良太元総務大臣が公開での審査に応じる意向を野党に伝えていた[107]。しかし同日、西村が“安倍派として対応をあわせるため自分だけ公開で応じることはできない”として公開での出席を断り、それを受け武田も出席を拒んだ。そのため、28日に開催予定だった政治倫理審査会は見送られた[107]


4月4日、党は党紀委員会を開き、西村を党員資格停止1年とするなど議員39人への処分を決定した[35]

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↓西村康稔議員/文春より↓

↓安倍派裏金6億8千万円(5年間)↓


↓選挙ドットコムより↓