志賀(しか)原発は次の地震でどうなる?
東京新聞が能登半島で次なる地震は起きやすくなっており、心配なのは
北陸電力志賀原発(石川県志賀町)だと報じている。
その要点をピックアップしてみた!
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次なる地震だ。先月、半島北側の断層が大きく動いた影響で、周辺の断層も動く可能性があると指摘されている。懸念が強まるのが北陸電力志賀原発(石川県志賀町)。
今回の地震で、沖合に長い断層があることで隆起が起きることが改めてわかった。
元東芝原発設計技術者の後藤政志氏は「メートル単位で上下や水平方向にズレが生じたら、計算するまでもなく原発はもたない」と指摘する。
ただ核燃料は、まだ志賀原発に。プールは揺れやズレに耐えられるか。搬出すべきか。それは可能か。事が起きた時、被災地に残る方々が避難できるのか。
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要は冷温停止中とは言え、志賀原発の1号機、2号機は核燃料棒も冷却用プールには使用済み核燃料も存在しているのだ。
元東芝原発設計技術者の後藤政志氏は、この志賀原発の地盤が珠洲市で起きた様に上下方向に隆起しただけでも建屋は持たないと言っている!
さらに地震で道路が寸断された場合の避難方法だ。能登半島北端の能登町や珠洲市は震災直後に道路も寸断され、海路も港も津波や隆起で使えず、さらにはヘリコプターによる空からの救助もままならず、孤立を余儀なくされたのだ❗
なぜ、国会は自民党裏金問題だけで、今、そこにある危機、志賀(しか)原発問題を議論しない。
もちろん、全国にある原発も避難計画すら不十分なままだ❗
岸田自公政権は、再稼働させるためにあえて触れないようにしているのか?
↓東京新聞が報じた↓
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断層上にある志賀原発は「次の地震」に耐えられるか 能登半島地震で高まった巨大地震発生リスク
2024年2月3日 12時00分
マグニチュード(M)7.6を記録し、200人余が犠牲となった能登半島地震。発生から1カ月たつ中、拭い去れない危惧がある。次なる地震だ。先月、半島北側の断層が大きく動いた影響で、周辺の断層も動く可能性があると指摘されている。懸念が強まるのが北陸電力志賀原発(石川県志賀町)。立地する半島西側は活断層が少なからず存在する。現状にどう向き合うべきか。(岸本拓也、山田祐一郎)
◆震度5強以上の発生確率「平常時の60倍」
「いずれ志賀原発の近くでも大きな地震が来るんじゃないか」
能登半島の東端に位置し、先月の地震で甚大な被害が生じた珠洲市の元市議、北野進氏はそう語る。
この3年ほど、能登半島は群発地震が活発化した。地震の規模が少しずつ大きくなっていたところに今回の大地震に見舞われた。そんな経緯がある中、志賀原発差し止め訴訟の原告団長も務める北野氏は「次の地震」に気をもむ。
先の地震から1カ月を過ぎ、余震の数は減った。ただ気象庁は1月末に「今後2〜3週間程度、最大震度5強程度以上の地震に注意を」と呼びかけ、その発生確率は「平常時の60倍程度」と付け加えた。
◆周囲100キロ以内で「地震活動は活発に」
研究者らも懸念を示す。
先の地震は能登半島の北側で東西約150キロにわたって断層が活動したとされる。東北大の遠田晋次教授(地震地質学)が周辺の断層に与えた影響を計算したところ、今回動いたエリアの両脇、具体的には能登半島東側の新潟・佐渡沖、半島西側の志賀町沖の断層で今後、地震が発生しやすくなったという結果が出た。
遠田氏は「佐渡島周辺や志賀町沖などで体に感じないほどの小さな地震が増えている。何らかのひずみが加わったサインだ」と解説する。「今後の地震の発生時期や規模は分からないが、陸地を含めて周囲100キロ以内の地震活動は活発になっており、しばらく警戒が必要だ」と説く。
◆「流体」今回の地震のトリガーに?
「流体」の存在も気にかかるところだ。
能登半島で起きた近年の群発地震は、地下深くから上昇した水などの流体が原因とされる。断層帯にある岩盤の隙間に流体が入り込み、潤滑油のように作用することで断層がずれやすくなったと考えられてきた。
「流体が今回の地震のトリガーとなった可能性がある」と話すのは金沢大の平松良浩教授(地震学)。
今後も流体が断層活動を引き起こすのか。
◆「地震を起こしやすくする力がかかった」
平松氏は「現時点では分からない」との見方を示す一方でこう続ける。「今回の地震によって、能登半島の西側を含め、北陸一帯の多くの断層帯に地震を起こしやすくする力がかかったことが分かっている。マグニチュードで7クラスの大地震発生のリスクは相対的に高くなった」
次なる地震に原発は耐えられるか。北陸電の広報担当者は、地震の揺れの強さを示す加速度(ガル)を持ち出し「原子炉建屋は基準地震動600ガルまで耐えられ、今回の地震による地盤の揺れは600ガルよりも小さかった。さらに2号機については1000ガルまで耐えられると新規制基準の審査に申請している。原子力施設の耐震安全性に問題はない」と話す。
◆「想定を超えた」北陸電の言い分
北陸電の言い分はうのみにしづらい。そう思わせる過去があるからだ。
同社が能登半島北側の沿岸部で想定してきた断層活動は96キロの区間。だが先の地震では、政府の地震調査委員会が震源の断層について「長さ150キロ程度と考えられる」と評価した。
なぜ想定を超えるのか。
「海底の断層を調査する音波探査は、大型の船が必要。海底が浅い沿岸部は、調査の精度が落ちる。近年は機器が改良され、小型化されたが、特に日本海側は調査が行き届いていない」
こう指摘するのは新潟大の立石雅昭名誉教授(地質学)。陸の断層も「地表に見える断層が数キロ離れていても、地下で一つにつながっているかもしれない」。
現行の技術水準では捉えがたい活断層の全容。それだけに安心もできない。
志賀原発周辺で注目すべき一つは、北に約10キロの距離にある富来川南岸断層。この断層の全容は見方が割れる。北陸電の資料では陸域を中心に長さ9キロと書かれる一方、研究者からは、海まで延びる可能性を指摘する声が上がってきた。
脅威の程度が捉えづらいこの断層。再評価を求めるのが名古屋大の鈴木康弘教授(変動地形学)だ。
◆地表のずれとたわみ、志賀町内に点在
先の地震後に志賀町内を調べ、富来川南岸断層とみられる地表のずれやたわみが点在しているのを確認した。「1970年代から推定されていたが、今回の痕跡でより確度が高まった」
鈴木氏は「今後の活動が必ずしも迫っているとは思わない」と慎重な見方を示しつつ、「先の地震では、能登半島北西部の沿岸の断層がどのような動きをしたのかは分かっていない。今までの知見に頼らず、断層の評価を検討し直す必要がある」と語る。
志賀原発の近くにあり、多大な影響を及ぼしかねない富来川南岸断層。同様に再検証が必要なのが、原発の西4キロの海域で南北に延びる兜岩沖断層という。北陸電の資料によれば、「活動性が否定できない」とされ、長さは4キロとある。
◆「計算するまでもなく原発はもたない」地盤がズレたら…
鈴木氏は「本当にこの長さか。今回の地震で、沖合に長い断層があることで隆起が起きることが改めてわかった。原発付近も海岸に同様の隆起地形があることから、長い断層がないと説明できない」と訴える。
原発に及ぶ地震の脅威でいえば、揺れ以外にも思いを巡らせる必要がある。地盤のズレもだ。元東芝原発設計技術者の後藤政志氏は「メートル単位で上下や水平方向にズレが生じたら、計算するまでもなく原発はもたない」と指摘する。
原発は、揺れの大きさに対して耐震設計基準が示されている一方、地盤のズレなどにより「原子炉建屋が傾いたり、損壊したりすれば壊滅的な被害となる」。配管にズレが生じると取水できず、核燃料を冷却できなくなる可能性もある。
◆手放しで安心できぬ規制委の判断
志賀原発は2012年、直下に断層があり、これが動いて地盤のズレが生じうると指摘された。原子力規制委員会は昨年、直下断層の活動性を否定する北陸電の主張を妥当と判断した。
ただ、手放しで安心できるかといえば、そうではないと後藤氏は説く。「周囲の断層が起こす地震によって、直下断層の動きが誘発される恐れもある」
地震リスクの懸念が拭い去れない志賀原発。いま、何をすべきか。龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)は「原発が止まっているとはいえ、核燃料がプールで保管されている。金属製のキャスクに移すなどの対策が必要ではないか」と述べ、災いの元凶になりうる核燃料の扱い方について早急に議論するよう求める。
地震リスクは他の原発にも潜むとし「現状で動いている原発も止めた上で断層の再評価など規制基準の見直しが必要だ」と訴える。
◆デスクメモ
被災した方々を考えると、次の地震が起こらないよう願うばかり。ただ核燃料は、まだ志賀原発に。プールは揺れやズレに耐えられるか。搬出すべきか。それは可能か。事が起きた時、被災地に残る方々が避難できるのか。願うばかりでは心もとない。どう備えるかの議論も必要では。(榊)
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デモクラシー・タイムズより
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