よく
「物事の一面だけを見ていてはだめだよ、もっといろいろな面を見なさい」
と言われますが、それは、ルービックキューブで言えば、赤の面だけしか見えていないということです。
蟻の視点で見るとルービックキューブは赤だけで成り立っています。
鳥の視点で上空から眺めたときにルービックキューブは6面で成り立っていることに気づきます。
1点に囚われている時に、少し引いた視点で見てみると(俯瞰してみると)物事が解決する場合があります。
こういう昔話もあります。
盲目の数人に象を触らせました。
Aさんは「これは長い管のようなものだ」と言いました。
Bさんは「これは柱のようなものだ」と言いました。
Cさんは「これはひものようなものだ」と言いました。
Aさん、Bさん、Cさん、それぞれが言うことは間違っていませんでした。
Aさんは鼻を触り、Bさんは脚を触り、Cさんはしっぽを触ったのでした。
このように部分だけを捉えると物事の本質が失われる可能性があります。
ミスを繰り返す部下に対して、厳しく叱るというのは、ルービックキューブでいうところの「赤の面」にすぎません。
やさしく声をかけるというのも「青の面」にすぎません。
どれが正しいということではなく、それらが互いに重なりあってひとつの「ルービックキューブ」を作り上げているのだと思います。
ジグソーパズルのピースで考えてみてもいいでしょう。
人それぞれが持つ「価値観」というものはジグソーパズルでいうところの「一つのピース」にすぎません。
その「人それぞれが持つピース」をつなぎ合わせると「全地球」という巨大なジグソーパズルが完成します。
2人がケンカをしている。
どちらも「自分が正しい」と主張している。
一見相いれないようですが、実は元をただせばお互い同じことを言っている。
こういうことはよくあると私は思います。
2人の思想が違うからお互い違う意見をぶつけていると錯覚しているのだと私は思っています。
よくよく2人の話を聞いてみると「源流は同じ」
その源流をたどることが解決策につながることがあります。