良くも悪くも

私は職場の中で
子どもたちに一番甘い職員だそうです。
 
なので、他の厳しめの職員が怒ると
シュンとなり反省する子たちが
私が怒ると大抵ニヤついています。
 
 
ちなみに、
子どもたちに甘いと
メリットとデメリットがあるなと感じます。
 
メリットは
「子どもたちが心理的に不安や恐怖を
感じたとき、我慢せずにすぐに助けを
求めてくれるようになること」
 
デメリットは
「イヤイヤ期に相当手を焼かされること」
 
 
子どもたちが0歳から2歳までは
自己肯定感の蓄積を重視して
ルールよりも心理的な安定を
優先させたいと思っているので、
たとえ悪いことをしたとしても
怒鳴って言うことをきかせることが
私はあまり好きではありません。
 
とは言うものの、
スキル不足からイヤイヤ期の子どもを
上手く誘導できない時があり、
ベテランの職員たちに
「集団行動をきちんと教える厳しい大人と
上手くいかなくてもフォローする
優しい大人の両方がバランスよくいる
環境が大事なんですよ」
と慰められています。
 
 
ある2歳の男の子も
他の職員の前では
自分で着替えができるのですが、
私の前では仁王立ちになって
強制的に私に着替えさせます。
 
「◯◯くん、
できるから自分でしようよ」
と何度言っても
「イヤーっ、やるのーっ」
と叫び続けます。
 
練習中でしたら本人の成長のために
手を貸さないのですが、
普段我慢していて
心理的に甘えたいだけかな、と思い、
その日もいそいそと
彼の着替えを手伝っていました。
 
その時、男の子が
掴んでいた自分のTシャツを
床に落としてしまいました。
 
そのことに気づいた一人の女の子が
側に寄って来て、
彼のシャツを拾いました。
 
その女の子、性格が大人しく、
いわゆる「ザ・女子」という感じで
とても可愛いのです。
 
彼女がおずおずと「はい」と言いながら
男の子にシャツを手渡すと
今まで私に向かって叫び過ぎて
顔が真っ赤になっていたその男の子、
急に態度を変え、
言いました。
 
 
「あ、ありがとう
ごじゃいましゅ」
 
 
私は驚きのあまり、
心の中で一人ツッコミました。
 
その扱いの差は何だい?
 
私たち、一応ですけど、
二足歩行の同じ人類ですよ。