この学校に入ってはや一週間が経とうとしている。
最初こそ落胆したオレだったが、みんなの優しさ、温かさに触れたことで、
徐々にではあるけども、人見知りなりにみんなと仲良くなっている。
みんな距離感を感じるのが嫌いなのか、オレを名前で呼ぶ。
まぁ、確かに距離感は感じない。
そしてそこには、それを嬉しく感じるオレがいた。
オレとみんなに促され、ようやく男子は名前で呼べるようになった。
女子は無理だけど。
もう一回言わせていただきたい。
女子は無理だけど!
さすがに女子の名前呼びは恥ずかしい。
周りは気にしないと思うのだが、自分自身がなんか嫌だ。
そして、みんなのこともだんだんわかってきた。
恋は予想通りアホ。行動がちょっとどっかぬけてる。
だけど、その天然具合と面白さがみんなのムードメーカーたる所以なんだろうな。
大島さんはとにかく明るくて天真爛漫。
この人がいる限り、クラスに沈黙が訪れることはまずないんじゃないかと思う。
割と本気で。
いつも話しかけてくれたりする明るさとフレンドリーな感じは、人見知りオレにはとてもありがたい。
昴希はとてもナイスガイ。優しい、親切、面白い、賑やかなどの、いい人要素が全て揃っている。
おまけにイケメン。一緒にいて楽しいし、その存在はとても頼もしい。
なんでここにいるのか不思議になる。
前田さん。
これと言って明るいわけではないけど、話しやすいし、意外と面白い。
で、清々しいほどにマイペースだ。笑
ただ、あの超能力のことは今だ謎めいている。
あれからは心を読まれていることはないと思う。
知らないうちに読まれているかもしれないけどな。笑
みんなもこれと言って驚いた様子はなく、普通に接している。
こんな賑やかな人たちとずっと一緒に行動したら、仲良くなれないわけがない。
放課後の今も、カフェで雑談中。
カフェでの時間。
この当たり前の時間は、オレにとってとても楽しみな時間と姿を変えていた。
初日は緊張して、焦って、コミュニケーションのコの字もあったもんじゃなかったのに。
これはやっぱりみんなのおかげ。感謝です。
「やっぱそうだよね~!
闘起君もそう思うっしょ⁉︎」
「え?あ、ごめん!ちょっとボーっとしてて聞いてなかった。」
「もー!闘起君ったら、私の話は聞いてくれないし、名前でも呼んでくれないし‼︎私たち女子だって、、仲良くなりたいんだよ⁉︎ちょっとは私たちの事も気にかけてよ‼︎」