小柄で、さっきからニコニコしていた男子が、なぜか立ち上がって自己紹介をする。
「はい‼︎榎並 恋(えなみ れん)でーす‼︎
恋って呼んで!これからよろしくです‼︎」
初対面で失礼だが見るからにバカそう。笑
喋り方、仕草などが本当にバカっぽい。笑
いや、一緒に居てたのしそうだし、素直そうだしいいヤツ要素は盛りだくさんだよ?
だけど、、、やっぱりバカっぽい。笑
その時、恋の隣に座っていた女の子が笑いながらオレに話し始める。
「あはは。山本君、もう恋のことよくわかってるんだ!
バカそうじゃなくて、本当にバカだからストレートに言っちゃっていいんだよ!」
え?
「えー初対面でそんなこと思ってたのー⁉︎ひどくない⁉︎」
「ホントにバカだからしゃーないやろー。笑」
「そーだよ。おバカさんなんだから!」
盛り上がるみんなをよそに、オレは一人某然とする。
オレは今決して喋ってはいない。
心を読まれた。
超感覚的知覚。
平たく言えば超能力や第六感という言葉が適切だろう。
テレパシーやインスピレーション、直感や霊感などがこれに分類される。
五感や論理的など通常の手段を用いずに、外界に関する情報を得る能力。
物事の本質を掴む心の働き。人間の本能ともいえるかもしれない。
おそらくそーゆー類のものを持っているのだろう。
まさか、そんなものが本当に存在するとは思ってもいなかったオレは、驚きを隠せずにただ立ち尽くすことしかできない。
「はい。えーと、前田敦子です。
あっちゃんって呼んでください。これからよろしくね!」
超能力を持っているであろう女の子の自己紹介。
オレは正気に戻ることができなくて、ただただその女の子を見つめていた。
「あれ?大丈夫ー?」
「あぁ!はい!だ、大丈夫です。」
いかんいかん。少し落ち着け。
みんな辛い経験をしている。
そして、前田さんの辛い経験と超能力との間には、何か関係性があるのだろう。
当たり前ではないが、よくよく考えると考えてみたら十分あり得る話だ。
人間は何事にも耐性というものがある。
いや、作られると言ったほうが正しいかな。
野球や剣道などの素振りをすればマメができ、その下にもう少し硬い皮膚ができる。
ずっと暑い中で過ごしていれば、そのうち暑さにもなれる。
このような要領で超能力が携わっているのかもしれない。
人の心の何かが原因で傷を負った。
もしくは、その超能力があることで傷を負ってしまった。
それはまだ、俺の知るべきことではないのだろう。
「じゃあ、山本君はあっちゃんの横の席に座って。」
「よろしくね!」
前田さんからの天使スマイル。
か、かわいい、、、。
というか、先生も大島さんも前田さんも、みんなレベルが高い。
落合君と榎並君はさぞかし幸せだろうな。笑
因みに、とてもどうでもいい話かもしれないし、むしろ知りたくない人もいるかもしれないが、
ぶっちゃけ前田さんが一番タイプだ。。
かといって、アピールしようとか彼女にしたいとかそーゆー気は毛頭ない。
そこは勘違いしないでいただきたい。
あっ!
もしかしたらこんなことを考えている間にも心を読まれているかもしれない‼︎
こりゃあ怖いことこの上ないわ。
常に監視されてるようなものだ。
「山本君、大丈夫?」
オレの様子がかなり変だったのか、心配そうに声をかけてくれたのは前田さん。
ふぅ。危ない。読まれてなかったか。
こりゃあ油断できないな。
楽しそうな匂いを全面に醸し出していて、それであって少しスリリングな生徒4人との出会い。
それは、普通を望むオレに対する神様のいじわるだった。