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海自掃海艦艇18隻 陸奥湾に集結 機雷戦訓練
(2019年7月18日~30日)

2019年8月20日更新
 

 

 青森県の陸奥湾で行われた「機雷戦訓練」の掃討訓練で、掃海艇「あおしま」に搭載された機雷処分具(PAP104)をクレーンで吊り上げ、海上に降ろす乗員たち(7月23日)


 

 奥の乗員が手にする釣竿のように見えるものは、機雷処分具を遠隔操作する光ファイバーケーブルの展張器。乗員の手作りだ(7月23日、「あおしま」艇上で)


 

 日米印共同の「掃海特別訓練」で、ボートに乗り込み潜水地点に向かうインドと海自の水中処分員ら(7月18日、陸奥湾で)=海自提供


 

 機雷敷設訓練で「航空機雷」を空中から投下する海自のP3C哨戒機(7月18日、陸奥湾上空で)=海自提供

・・・他

日米印共同掃海特別訓練も

 海自の全掃海艦艇の3分の2以上にあたる18隻が集結しての令和元年度「機雷戦訓練」が7月18日から30日まで、青森県の陸奥湾で行われた。同訓練は昨年に続き2回目となる日・米・印共同の「掃海特別訓練」も兼ねて実施され、海自艦艇のほか、米海軍掃海艦「ウォーリアー」やインド海軍の水中処分員(EOD)らも陸奥湾に展開し、共同で機雷の掃海・掃討訓練に取り組んだ。7月23日には掃討訓練の一部が報道陣に公開され、掃海艇「あおしま」艇上から水中ロボット(機雷処分具)を活用した機雷掃討訓練を見た。(文・写真 星里美)


「あおしま」艦上から機雷掃討訓練を見る
 高い掃海技量を維持 各部隊が切磋琢磨

太平洋戦争中の苦い経験から

 海自は日本国内各地で年に4回、「機雷戦訓練」を行っている。これは太平洋戦争中、日本の港湾の多くが連合国軍により機雷で封鎖され、経済活動がストップした苦い経験を持つからだ。このため海自は西側の諸国の中でも特に「機雷戦」に力を入れており、常に高い技量を維持している。

 機雷戦訓練は3掃海隊(呉)司令の井窪誠史1佐が統制官を務め、参加艦艇は掃海母艦「うらが」「ぶんご」、掃海艦「あわじ」、掃海艇13隻、掃海管制艇2隻の計18隻。航空部隊は岩国基地から飛来した111航空隊所属のMCH101掃海・輸送ヘリ3機、4空群3航空隊(厚木)のP1哨戒機1機、2空群2航空隊(八戸)などのP3C哨戒機4機の航空機計8機が参加。一方、米海軍からは掃海艦「ウォーリアー」のほか、MH53E掃海ヘリ2機、EOD約10人、そしてインド海軍からはEOD約4人が共同訓練に加わった。

 今回の訓練は「令和」の時代となって最初の訓練で、陸奥湾内の海自大湊基地から沖合に・・・

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航路ふさぐ多様な機雷を安全に除去

 艇内では45掃海隊(函館)司令の中川宏隆2佐が記者にこの日の機雷戦訓練の概要を説明してくれる。

 機雷は航路をふさぐ目的で海中や海底に敷設される。その種類は、船体に接触して爆発する「触発型」のほか、船体の金属やエンジン音といった磁気や音響に反応する「感応型」など、さまざまな種類がある。現在、主流となっているハイテク機雷は深い海の底に敷設され、スクリュー音などで目標を感知すると自分の判断で海面近くまで上昇し起爆する「追尾上昇型機雷」だという。中には・・・

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「水中ロボット」をクレーンで海面へ

 掃討訓練は午前9時40分、大湊基地沖合約8キロの海域で開始された。「あおしま」の水測員が水深約40メートルの海底にある機雷を探知。これを処分するため、乗員約10人がラッタルを一気に降りて後部甲板に集合した。万が一、機雷が爆発して船体が損傷した場合に備え、全員がヘルメットをかぶり、上半身にはカポック(救命胴衣)を着けている。乗員たちは機雷掃討に使用する水中ロボット(機雷処分具PAP104)の動作を一つ一つ確認した後、処分具をクレーンで吊り上げて静かに海面に着水させた。

 海上に浮かんだ処分具は・・・

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ソーナーで海底捜索モニターに機雷の影

 しかし、遠隔操作に当たる隊員には海中の状況が見えているようで、処分具のソーナーとテレビカメラを使って海底の捜索活動を続け、やがてモニターに訓練機雷の影が映し出された。

 処分具の底部には機雷掃討用の「爆雷」がセットされており、発見した機雷付近に爆雷を〝投下〟して機雷処分の手順を終えた。午前10時30分、海面に現れた処分具をクレーンで収容したところで「あおしま」の訓練は終了した。

 本番と同様の「実機雷」を使用した訓練では、処分具から本物の爆雷が投下される。その後、処分具を揚収し、・・・

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 防衛関連ニュース

陸自霞ヶ浦駐屯地と土浦市「子供一時預かり協定」
を締結 茨城県内で初めて
(2019年7月29日)

2019年8月20日更新

 

 「子供一時預かり施設の運営等に関する協定」に調印した権藤霞ヶ浦駐屯地司令(右)と土浦市の中川市長(7月29日、土浦市役所で)

 【東方=朝霞】陸自霞ヶ浦駐屯地(司令・権藤三千蔵陸将)と土浦市(中川清市長)は7月29日、「自衛隊が駐屯地内に設置する子供の一時預かり施設の運営等に関する協定」を締結した。

 この協定は大規模災害が発生し、陸上自衛隊が災害派遣活動を行う際、霞ヶ浦駐屯地内に設置される隊員の子供を一時的に預かる施設の運営を土浦市が支援するという内容で、茨城県内では初めての締結となった。

 同協定により、駐屯地の子供預かり施設の運営に関して、土浦市の保育士から指導や助言を受けられるようになるほか、・・・

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 防衛関連ニュース

空自航空システム通信隊
インターネット集合訓練 修了者1000人達成
(2019年7月11日)

2019年8月20日更新

 

 15年目で1000人の修了生を送り出し、記念写真に納まる空シス隊の隊員と訓練参加者たち。前列中央は三島司令(7月11日、市ヶ谷基地で)

 【空シス隊=市ヶ谷】空自の航空システム通信隊(司令・三島信彦1佐)が実施する「航空自衛隊インターネット系(空自インターネット)集合訓練」の修了者が7月11日、1000人を突破した。

 同訓練は空自インターネットの管理運用や情報保証を適切かつ円滑に進めることを目的に、2005年6月から行っており、今年で15年目を迎えた。

 市ヶ谷基地ではこれまで毎年3回、3日間の訓練が開催され、各回約20人が参加。修了者は全国に所在する空自の各部隊で空自インターネット管理者などとして活躍している。

 今回もサイバー攻撃対処業務などに携わる同隊の隊員が教官を務め、▽情報システムの概要▽サイバー攻撃対処に関する講習▽実機を使用した通信遮断訓練▽ウイルスの排除訓練――など、実任務に即した幅広い内容で行われた。

 特に近年は・・・

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 防衛関連ニュース

帰国途中の「いせ」「くにさき」パプア軍と親交深める
(2019年8月3日~5日)

2019年8月20日更新

 

 帰国途中にパプアニューギニアに寄港した海自の輸送艦「くにさき」。装備品展示では岸壁に陸自車両がズラリと並んだ(8月3日、ポートモレスビーで)

 豪州で行われた日米共同実動訓練「タリスマン・セーバー19」を終えて帰国途中の海自ヘリ搭載護衛艦「いせ」と輸送艦「くにさき」、陸自の水陸機動団と1ヘリ団は8月3日から5日まで、パプアニューギニアの首都ポートモレスビーに寄港し、同国軍との親交を深めた。

 入港行事では、陸自の中央音楽隊が約3年間にわたる能力構築支援で演奏技術を指導した同国軍楽隊が出迎え、艦上レセプションで「ふるさと」など日本の曲を披露した。

 陸自の水陸機動団は・・・

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 防衛関連ニュース

防衛研究所が戦争史研究国際フォーラム
(2019年9月17日)

2019年8月20日更新

 

 防衛研究所は9月17日、「紛争の予想外の拡大」をテーマに戦争史研究国際フォーラムを東京・文京区のホテル椿山荘東京で開催する。シュティーク・フェルスター(スイス・ベルン大学教授)ら内外の専門家が出席し、「紛争の管理」などについて討議する。聴講希望者は防研HPを参照。聴講は無料だが申し込みが必要で、締め切りは9月6日。問い合わせは同フォーラム事務局(070―4018―5027)まで。

 

 

 

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陸自中央音楽隊の定期演奏会
(2019年9月13日)

2019年8月20日更新

 

 陸自中央音楽隊(樋口孝博隊長)は9月13日午後7時、第158回定期演奏会を東京・墨田区のすみだトリフォニーホールで開く。曲目は芳賀傑「時の証明」など。第2部の指揮は東京藝術大の山下一史教授が執る。聴講希望者は中音HPの定演応募フォームで。締め切りは8月26日。未就学児の入場は不可。入場無料。