第14条 天皇ハ戒厳ヲ宣告ス

 ② 戒厳ノ要件及効力ハ法律ヲ以テ之ヲ定ム

 岩波書店発行の『広辞苑』によれば、戒厳とは、「戦時・事変に際し、立法・行政・司法の事務の全部または一部を軍の機関に委ねること。通常、人権の広範な制限がなされる。日本にも明治憲法下でこの制度があった。」とのことである。

 左翼系の岩波だから、特に人権云々と書くのだらうが、治安を維持するために夜間の外出禁止などの措置がとられる。一旦緩急あって、通常の警察力では取締りが困難な場合にとられる非常の措置が戒厳であり、それを宣告することが軍を統帥する天皇に委ねられてゐるのである。

 ここには、国家の危急のときにあっても、国家の秩序を維持し国民の安全を図るために、この憲法が如何に腐心してゐるかが如実に感ぜられる。例へば、2.26事件のときなど、反乱軍を鎮めるには軍の力を用ゐるしか方法がなかったので、戒厳令が敷かれた。

 尚、戒厳は英語では martial law (マーシァル・ロウ)と言ふ。マーシァルとは「軍隊の」と言ふ意味である。軍隊が公布する法律とのことで、通常の国家ならこの非常の備へをしてゐる。日本国憲法は、そもそも非常事態があることを想定してゐない。進駐軍が治安を維持してゐた昭和27年4月まではそれでもよかったかもしれないが、それ以後はご承知の通り、スパイ防止法もなければ国家反逆罪も策定されてゐない、だらしない半人前国家に成り下がってゐる日本だからこそ、スパイは我が物顔に横行し、拉致なども白昼平然と行はれてゐるのである。国民は、明治の初年に心を戻して、もう一度維新をし直さなければならない。

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転載元転載元: koreyasublog