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「高速滑空弾」2段階で開発 射程長く、島嶼間で運用

2018年12月26日更新

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 島嶼間を高速で飛翔し、対地攻撃を行う「島嶼防衛用高速滑空弾」のイメージ(いずれも防衛省の予算資料から)


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 早期に装備化される「ブロック1」(左)と、性能向上型の「ブロック2」のイメージ。弾体の加速用ロケットモーターは共通化される
 自衛隊の島嶼防衛能力を高めるため、防衛省は「高速滑空弾」の開発を進めている。この弾は、砲弾でもなく、ミサイルでもない〝第3のタイプの対地弾〟で、ロケット推進で打ち出された後、弾頭部だけが滑空して目標地点に向かうため、射程が長く、島嶼間で運用できるのが最大の特徴。当初計画では「滑空弾頭」も同時開発を目指していたが、実現に時間がかかる見込みのため、最初に「通常型弾頭」を開発し、早期の装備化を目指す。「性能向上型滑空弾頭」はその後に組み込む「2段階の開発手法」が取られる。

通常型弾頭で装備化 その後「滑空弾頭」へ
 防衛省は2018年度から「島嶼防衛用高速滑空弾」の研究をスタート。島嶼防衛では、敵に上陸を許した場合、水陸機動団などが奪回するには、事前に強力な火力で上陸した敵に打撃を加えておく必要がある。
 だが、沖縄・尖閣諸島の場合、八重山諸島・石垣島から約170キロ、沖縄本島から約410キロの距離があり、陸自が装備する榴弾砲や多連装ロケットシステムでは届かない。
 そこで遠距離攻撃が可能になる対地弾として「高速滑空弾」の開発を目指す。同弾は射程が長いほか、高高度を超音速で飛翔するため、対空火器での迎撃は難しい。さらに突入時には弾頭が滑空して進むため、予測された弾道コースを取らず、・・・






 防衛関連ニュース

<技術が光る(78)>
 災害対応訓練ソフト/リアルビズ
 大規模災害やテロをVRで再現

2018年12月26日更新

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 HMDを装着し、最新ソフト「XVR」の実演を行うリアルビズの技術者。VRで災害発生現場での対処を演練できる(10月12日、東京ビッグサイトで)
 大規模災害が発生した場合、即座に対処する自衛隊。だが、被害の拡大予想や居合わせた避難民を誘導するといったことは単独での訓練では難しく、実際の現場では手探り状態で対応することになりかねない。そんな部隊の悩みを解決してくれるのが、リアルビズ(東京都千代田区)が代理店を務めるフランスのMASA社の統合図上演習シミュレーションソフト「SWORD」。平成30年、統合幕僚監部も導入した世界的なヒット商品だ。
 「SWORD」は訓練や作戦分析を目的としたシミュレーションを容易に実施できるのが特徴。難しいプログラミングを必要とせず、任意の位置に部隊を配置し、それぞれの部隊に〝タスク(任務)〟を割り当てるだけでシナリオを構築、シミュレーションを実施することが可能だ。
 また、同じく同社が代理店を務めるカナダのPresagis社の「STAGE」で再現されたテロ発生シナリオでは、ビルで有毒ガスが発生したという設定で、いくつか設けられた避難場所に群衆が逃げていく状況が3D画面で見られる。一人ひとりがすべてAIで制御されているため、シナリオが始まると・・・





 防衛関連ニュース

<世界の新兵器>
 沿岸任務艦「インディペンデンス級」(シンガポール)
 自動化で乗員数は23人

2018年12月26日更新

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 小型だが、装備が充実しているシンガポール海軍の沿岸任務艦「インディペンデンス」級(同国海軍HPから)
 今回は最新の海軍艦艇でも〝山椒は小粒で〟と言えるシンガポール海軍の最新艦である「インディペンデンス」級をご紹介する。
 本級は1990年代後半に12隻が就役した「フィアレス」級哨戒艇(満載排水量500トン)と順次交代する予定で、2013年に全8隻が計画され、翌2014年から建造がスタート、昨年5月に就役した1番艦の「インディペンデンス」を筆頭に現在まで5隻が就役し、残り3隻が建造中である。
 STエンジニアリング社というシンガポールのグループ企業が設計と全8隻の建造を一括受注し、これを国防科学技術庁(DSTA)が監理監督する形態を採っている。本級は公式には「LittoralMissionVessel」(LMV)と呼ばれ、その名のとおりの沿岸域における低烈度紛争や災害派遣・人道支援などの多目的・多用途のもので、いわば一昔前ならば「フィアレス」級と同じように〝哨戒艦〟(PatrolShip)と言われたであろう艦種である。
 本級の主要性能要目は、満載排水量1,300トン、全長80m、最大幅13.2m、ディーゼル機関2基のCODAD推進で最大出力11,500馬力、最高速力27ノット、巡航速力18ノットで航続距離3,000マイルとされており、この艦型にVLMICA-M短SAM垂直発射機(16セル)x1基、OTO 76mmSuper-Rapid型速射砲x1基に加え、25mm機銃x1基及び・・・





 防衛関連ニュース

<防衛トピックス> ―海外―
「SM3ブロック2A」迎撃試験に成功
 ハワイの「イージス・アショア」から発射

2018年12月26日更新

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 米ハワイの地上施設「イージス・アショア」から発射された弾道弾迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」(米ミサイル防衛庁HPから)
 日米が共同開発した弾道ミサイル防衛(MD)用の能力向上型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の発射試験が12月11日(日本時間)、米ハワイ州の太平洋ミサイル射場で行われた。地上配備型のイージス・アショアの施設から発射された同ミサイルは、弾道ミサイルを模擬した標的の迎撃に成功した。
 試験を・・・





 防衛関連ニュース

笑顔で「ありがとう」療育センターの
移転を支援 陸自40普連
(2018年10月31日)

2018年12月26日更新

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 北九州市立総合療育センターの施設移転支援で、連携を取りながら車いすの入所者を自衛隊の救急車に収容する40普連の隊員たち(10月31日)
 【小倉】40普連は10月31日、社会福祉施設「北九州市立総合療育センター」の移転に伴い、人員や医療器材などの移送を支援した。
 同センターは、開設から35年以上経過し、老朽・狭隘化のため、業務の多様化に対応することが難しくなってきたことから、平成30年7月に旧施設から約200メートル離れた敷地に新施設を竣工した。
 移転支援に・・・





 防衛関連ニュース

海自3空、只野曹長 1万飛行時間を達成
(2018年11月13日)

2018年12月26日更新

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 1万飛行時間を達成した只野曹長(右)を拍手で祝福する3空の隊員たち(11月13日、厚木航空基地で)
 【3空=厚木】海自3航空隊で最新型P1哨戒機の機上任務員として勤務する只野真宏曹長は11月13日、28年かけて1万飛行時間を達成した。
 只野曹長は昭和62年4月に第33期海上自衛隊生徒として入隊。平成2年6月にP3Cの航空士(非音響対潜員)としての人生をスタートさせ、6空(厚木)、松前警備所、航空集団(同)、4空群(同)などの勤務を経て、27年8月からはP1に転換した。
 当日は飛行作業を終えた只野曹長を藤澤豊司令以下多くの隊員が盛大な拍手で出迎え、1万時間達成を祝福した。
 只野曹長は「これまで支えて下さった皆さまに深く感謝するとともに、飛行安全の重要性とその思いを後輩たちに継承していきたい」と語った。