F2戦闘機の製造終了 FX未定で生産途絶える 
最終号機完納式典

 完納式後、格納庫前に展示されたF2戦闘機最終号機(9月27日、三菱重工業小牧南工場で=同社提供)
 F2戦闘機の最終号機がこのほど完成、9月27日、愛知県の三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所小牧南工場で完納式が行われ、下条政務官、大宮英明三菱重工社長らが出席。平成12年9月の量産初号機納入から試作機4機を含め累計98機の完納を祝った。
F2はF1支援戦闘機の後継として、米国のF16戦闘機をベースに日米で共同開発。大出力エンジンへの換装や、主翼に一体成形複合材の採用など、日本の運用構想や地理的特性に合わせて生産、平成7年10月に初飛行に成功し、8年度から空自が調達を開始した。
13年3月以降、3空団3飛行隊(三沢)と同8飛行隊(同)、8空団6飛行隊(築城)に各約20機、T2高等練習機の後継として4空団21飛行隊(松島)に約20機が配備されたほか、飛実団(岐阜)に試作機、1術校(浜松)に教材用数機が置かれた。総整備数は07大綱下で130機の予定だったが、16年に98機、18年に94機と変更された。
当初、支援戦闘機として開発されたが、わが国周辺の安全保障環境の変化や空自戦闘機総数の削減などを踏まえて、防衛大綱の平成16年末改定を機に戦闘機部隊の要撃機、支援戦闘機の区分が廃止され、対地・対艦任務だけでなく対領空侵犯任務にも就くなど多用途戦闘機として運用。
東日本大震災の津波で松島基地の教育用18機が冠水し使用不能になる事態が発生。生産終了で新規調達が望めない中、防衛省は6機分のエンジン修理費などを震災復興関連の23年度補正予算で要求している。
F2の生産終了で約55年に及ぶ日本の戦闘機開発・製造はいったん途切れ、再開時期など今後の見通しがつくのは、F4後継の次期主力戦闘機(FX)の機種が決まる年末以降になる。
 
 
 

24年度防衛費 概算要求4兆6906億円 
FX4機分など計上 災害対応 南西防衛を重視

 防衛省は9月30日、平成24年度一般会計予算の概算要求と業務計画案を決め、同日、財務省に提出した。防衛関係費は平成15年度以降、毎年0・6~0・7%程度減少を続けているが、24年度概算要求は東日本大震災の教訓の反映、南西諸島の防衛態勢強化、各種事態対処能力の向上などを重点に前年度当初予算比0・6%増の4兆6906億円を要求。このうち東日本大震災の教訓の反映では、被災時の航空機による輸送力の強化、音声だけでなく画像も送れる新野外通信システムの取得、陸自自衛官の実員増、統合運用体制強化のため統幕に将補級の「運用部副部長」(仮称)の新設などを盛り込んだ。また、「実効的な抑止および対処」のため、沖永良部島の警戒管制レーダーを新型の「FPS7」に換装、次期主力戦闘機(FX)の取得費、サイバー攻撃に備えた指揮通信システム隊の増員、無反動砲の後継となる多用途ガンの取得費などを計上。このほか「日本再生重点化措置」の特別枠には動的防衛力の構築に資する事業662億円を含む960億円を計上している。

与那国は用地費/陸自は実員増

 要求額の内訳は人件・糧食費が前年度比0・2%減の2兆872億円、物件費が同1・3%増の2兆6034億円。物件費のうち歳出化経費は同1・8%減の1兆6024億円、活動費に当たる一般物件費は同6・6%増の1兆10億円。
 概算要求基準では、各省庁に政策的経費を23年度当初予算に比べ1割削減するよう求める一方、削減額の1・5倍を上限に要望できる「日本再生重点化措置」を設定。防衛省は政策的経費を640億円減額し、特別枠は満額を要望した。新規後年度負担額は同19・9%増の1兆9825億円。
 このほか、別枠のSACO関係経費101億円、米軍再編関係経費の地元負担軽減分1027億円を加えると、24年度概算要求の総額は4兆8033億円となる。
 概算要求に際し防衛省は、「実効的な抑止および対処」「アジア太平洋地域の安全保障環境の一層の安定化」「グローバルな安全保障環境の改善」を基本に編成。「島嶼部に対する攻撃への対応」関連では、与那国島に沿岸監視部隊を配置するため用地取得費15億円、三沢基地配備の早期警戒機(E2C)を那覇基地でも運用するために2億円を計上。88式地対艦誘導弾システムの取得に56億円、F2の支援戦闘能力向上のための開発に33億円。
 このほか、潜水艦用新魚雷の開発、希煙化されたミサイルの探知技術に関する研究費なども新たに計上した。
 年末の予算案決定までに機種選定を行うFXについては、4機分の調達費として551億円を計上。F2戦闘機の最終取得年度の1機当たりの予算計上額をもとに仮置きした。弾道ミサイル攻撃への対応では、「あたご」型護衛艦2隻のBMD艦化改修などに399億円のほか、PAC3ミサイルの取得、能力向上型迎撃ミサイルの日米研究費を引き続き計上した。
 宇宙・情報通信関連では27年度に現用通信衛星の設計寿命が到来するため、後継衛星としてXバンド衛星通信の整備費を19年分、1881億円を一括計上した。
 大綱、中期防を踏まえた編成・機構関連事業では、福島第1原発周辺の原子力災害対処に万全を期すとして、陸自自衛官109人の増員を要求。災害対処能力向上のための「防衛政策企画官」「事態対処調整官」「メンタルヘルス企画官」「予備自衛官室」の新設を予定した。
 また、効率化への取り組みとして陸自保有の特別輸送ヘリ(EC225LP)を対象に包括契約するPBLパイロット・モデルを実施。アラビア語取得のためカタール国軍語学学校への長期研修なども盛り込んだ。
 概算要求の機関別内訳では陸自が同0・6%増の1兆7916億円、海自が同1・6%増の1兆1187億円、空自が同1・4%減の1兆452億円、内局が同0・5%増の4866億円などとなった。
 
 
 

南スーダン調査団帰国 2次調査団派遣も 兵站面など確認へ

 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に陸自施設部隊派遣の是非を判断するため9月下旬から同国に派遣されていた政府調査団が10月2日、帰国した。調査団は防衛、外務両省と国際平和協力本部で編成した約30人で、首都ジュバをはじめ同国北部地域の治安情勢や活動環境などを調査した。
 一川防衛相は同4日の閣議後の会見で、「今回の調査結果だけでは施設部隊の派遣を決めるという判断には至っていない」と述べ、追加的な調査が必要との考えを示した。
 その理由として大臣は、アフリカ内陸部にある南スーダンは首都ジュバまで近隣国の海岸から約2000キロ離れていることを挙げ、「兵站支援や物資輸送のルートなどを確認する必要がある。現地の衛生管理にも不安な面がある」と述べた。
 また、大臣は「ジュバは平穏とのことで、施設部隊が入って任務を行うこと自体はある程度可能性は高いなとの感じを受けた」とも述べ、今後、第2次調査団の派遣などを含め政府部内で検討を重ねる意向を示した。
 
 
 

福島原発20~30キロ圏 緊急時避難準備区域の指定解除

 東日本大震災で原子力災害派遣命令に基づき自衛隊による除染活動が続いている福島県では10月4日現在、6化学防護隊などが30人態勢で県内4カ所で除染活動に当たっているほか、東北方総監部と6師団司令部が計約60人態勢で不測事態等に備えて待機している。
 政府は9月30日、原子力災害対策本部の会合を開き、福島第1原子力発電所の事故を受けて同原発から半径20~30キロ圏内の五つの市町村を中心に指定していた「緊急時避難準備区域」について、原発の状況が改善してきたとして指定を解除した。
 
 
 

ペルシャ湾で米英が掃海訓練 掃海母艦 「うらが」など参加へ

 海上自衛隊は10月15日から同30日まで、バーレーン周辺海域で行われる米英海軍共催の多国間掃海訓練に参加する。
 参加部隊は51掃海隊司令の河上康博1佐以下約180人と、掃海母艦「うらが」、掃海艦「つしま」の2隻。ペルシャ湾での掃海部隊の活動は、1991年の湾岸戦争に伴う機雷等の除去で海自掃海部隊が派遣されて以来。
 掃海・潜水に関する技量の向上と参加各国との信頼醸成が目的で、2隻は9月8日に日本を出発、10月中旬にはバーレーン周辺海域に到着の予定。
 自衛隊にとって初の海外任務となった1991年のペルシャ湾機雷掃海では、掃海母艦1、掃海艇4、補給艦1の計6隻が寄港地で補給・整備を受けながら約1万6000キロを長駆。同年6月5日から9月11日までの99日間にわたり、米国などの多国籍軍派遣部隊と協力して掃海作業を実施し、計34個の機雷を処分した。
 バーレーン周辺海域はペルシャ湾の産油国への重要ルートで、中東での原油の主要積み出し港であるラスタヌラ(サウジアラビア)など大型タンカーが接岸できる大規模な施設が多く、日本向けの原油の約8割がこの海域を通るという。
 同海域は平均水深約50メートル、最大でも約90メートルと浅いため、長年にわたり機雷封鎖が懸念されてきた。イラン・イラク戦争(1980~1988年)では、ペルシャ湾に多数の機雷が敷設され、民間船舶の航行を妨げたほか、航行中の米国やイランのタンカーが攻撃を受けた。
 
 
 
 

露海軍の艦艇12隻 宗谷を通峡し帰投

 9月28日午前6時半ごろ、北海道・宗谷岬の東北東約350キロのオホーツク海を南西進するロシア海軍の「ソブレメンヌイ」級ミサイル駆逐艦(満載排水量7940トン)など計12隻の艦艇群を2空群(八戸)のP3C哨戒機が確認。12隻はその後、宗谷海峡を通峡し、日本海に出た。
 9月9日に宗谷海峡を通峡した艦艇群の一部で、オホーツク海などでの訓練を終えての帰投とみられる。