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沖縄・宮古島で宮古警備隊が発足 岩屋大臣が隊旗授与
(2019年4月7日)

2019年4月11日更新

 

 隊庁舎群がオレンジ色の瓦屋根と白壁で統一された陸自「宮古島駐屯地」。正門の門柱には魔除けの「シーサー」が設置されている(4月7日、宮古島駐屯地で)


 

 宮古警備隊の隊旗授与式で、岩屋大臣(左)から隊旗を受ける初代隊長の田中広明1佐(4月7日、宮古島駐屯地で)

「南西地域の防衛体制、着実に整備」

 沖縄県で3番目となる陸自の駐屯地「宮古島駐屯地」が3月26日、宮古海峡に面する先島諸島の宮古島に開庁した。その主力部隊となる「宮古警備隊」(隊長兼宮古島駐屯地司令・田中広明1佐)に4月7日、岩屋防衛相から隊旗が授与された。岩屋大臣は、オレンジ色の瓦屋根と白壁の隊庁舎をバックに整列した隊員約380人に対し、「南西地域は沖縄本島と与那国島以外に陸自の部隊が配備されていない〝空白状況〟にあった。本日新たに編成された宮古警備隊の諸君に接し、南西地域の防衛のための体制が着実に整備されつつあることを確認できた」と訓示した。今後、先島諸島には尖閣諸島により近い石垣島にも陸自の駐屯地が整備される予定だ。(文・写真 星里美)


 「宮古警備隊」への隊旗授与式は7日午前11時、真新しい白亜の隊庁舎群が建ち並ぶ宮古島駐屯地で行われた。

 沖縄各地で「海開き」が行われたこの日、宮古島の最高気温は27.7度。夏を思わせる日差しが照り付ける中、田中隊長以下、戦闘服姿の隊員約380人が宮古警備隊本部庁舎前の儀仗広場に整列し、式典に臨んだ。

 式には岩屋大臣をはじめ、湯浅陸幕長、本松敬史西方総監、中村裕亮15旅団長、中村敏弘海自5空群司令、伊藤顕空自南警団司令、中岡絵梨子宮古島分屯基地司令、松永浩二沖縄地本長らが出席。

 地元からは下地敏彦宮古島市長、野津武彦宮古地区自衛隊協力会長らのほか、隊員家族など計約200人が島嶼防衛に当たる新たな陸自部隊のスタートを見守った。

 岩屋大臣は栄誉礼を受けた後、車上から部隊を巡閲。この後、観閲台上で中央に桜があしらわれた赤色の隊旗を田中隊長に授与し、ここに宮古警備隊の歴史の1ページ目が刻まれた。

 引き続き、・・・

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駐屯地の東北東1㌔に空自のレーダーサイトが
先島諸島周辺空域を24時間監視

 宮古島駐屯地(宮古島市上野野原137の1)は、内陸にある宮古空港の南東約2キロに位置し、島中心部のゴルフ場跡地に新設された。周囲にはサトウキビ畑が広がり、東北東約1キロには先島諸島周辺の空域を24時間態勢で警戒監視に当たる空自の宮古島分屯基地があり、駐屯地からもレーダーサイトの白いドームを見ることができる。

 駐屯地の広さは約22ヘクタール(東京ドーム4.7個分)で、隊庁舎群の建物は沖縄の景観にマッチした白壁とオレンジの瓦屋根で統一。正門の・・・

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 防衛関連ニュース

陸自奄美駐屯地、瀬戸内分屯地が開庁
「奄美大島を第二のふるさとに」
(2019年3月26日)

2019年4月11日更新

 

 瀬戸内分屯地の「開設記念市中パレード」の後、集まった地元の人たちと記念撮影する分屯地隊員ら(3月30日、鹿児島県奄美大島の瀬戸内町で)


 

 隊旗授与式に臨む奄美大島駐屯部隊の隊員。後方は生活隊舎のB庁舎(3月31日、奄美駐屯地で)


 

 警備隊の普通科中隊などが入る庁舎。勤務と生活スペースが同じ建物内に配置されている(3月31日、瀬戸内分屯地で)

・・・他

隊旗授与から市中パレードまで

 「皆さん、うがみんしょうらん(こんにちは)」――。九州・沖縄の島嶼防衛で長く〝防衛上の空白地帯〟と言われてきた鹿児島・薩南諸島の奄美大島に3月26日、陸自「奄美駐屯地」と「瀬戸内分屯地」が開設された。最初の週末となった30、31の両日、主力部隊「奄美警備隊」への隊旗授与式など各種行事が行われ、精鋭部隊が初めて地域住民に披露された。瀬戸内町では市中パレードも行われ、分屯地司令が市民に「ここ瀬戸内を第二のふるさとにしたい」と奄美の言葉を交えてあいさつすると、大きな拍手が沸き起こった。最新の対艦ミサイルや対空ミサイルを装備し、周辺海空域に目を光らせる奄美大島配置部隊。部隊誕生の瞬間と地域住民との交流の様子を現地で見た。(文・写真 菱川浩嗣)


抑止力を強化〝空白地帯〟解消へ

 九州の南端から台湾へ連なる南西諸島は、全長が約1200キロある。この列島線上に空自基地、分屯基地(レーダーサイトなど)は8カ所あるが、陸自の駐屯地は長く沖縄本島だけだった。

 この〝防衛上の空白地帯〟につけ込んで中国軍やロシア軍の艦艇・航空機が列島周辺で活発に行動、宮古海峡では中国海軍の空母も航行した。

 この事態に対処するため、陸自は2015年度末、日本最西端の与那国島に沿岸警備隊を配置したのに続き、18年度末に鹿児島・奄美大島と沖縄・宮古島に警備隊を配置した。今後は19年度以降に沖縄・石垣島に駐屯地を開設し、〝空白地帯〟を解消させる計画だ。

 南西諸島北部の警戒・監視に当たる奄美警備隊(隊長・平田浩二1佐)と諸隊は、・・・

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島に溶け込んだ外装、充実した設備

奄美駐屯地

 奄美駐屯地は島の北西岸にある名瀬港の海岸沿いを抜け、山道を約200メートルほど登った先にある。以前はゴルフ場「奄美カントリークラブ」だったため、道路も良く、山間部とはいえアクセスしやすい環境だ。

 敷地面積50万4674平方メートル(福岡のヤフオクドーム約7個分)の駐屯地は「L字型」の形状をしており、正門から先は施設が二方向に分かれている。ここに隊員約350人が常駐している。

 隊舎は奄美の自然にマッチするよう明るい緑色に塗られている。海風が強い場所のためか、整備工場のある高台の奥には風力発電用の巨大な風車のプロペラが勢い良く回っていた。高台もティーグラウンドのような形状で、ゴルフ場の名残がうかがえた。

 正門からすぐに現れるのが・・・

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瀬戸内分屯地

 瀬戸内分屯地は標高500メートル級の山々が連なる山間部の高台にあった。瀬戸内町の市街地から国道58号線を北東に向かい、幾つものトンネルを抜け、曲がりくねった道を20分ほど進むと、緑色に塗られた施設が見えてきた。ここが分屯地だ。

 「三日月」のような細長い形の分屯地の総面積は約48万平方メートル(ヤフオクドーム6.9個分)で、広さは奄美駐屯地に匹敵する。

 「ここの敷地の約3分の2が弾薬や武器を保管する火薬庫となっています。完成は来年度以降になりますが、現在導入された装備品の弾薬はすでに配備が完了しています」と菅広報室長。

 正門を入ってすぐ左側に建設途中の車両整備工場と燃料施設があった。そこから右手に折れながら急な坂を上がっていくと工事途中のグラウンド予定地が広がっていた。高台からは建設中の・・・

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 防衛関連ニュース

廣瀨律子九州局長が着任 防衛省女性初の指定職に
(2019年4月2日)

2019年4月11日更新

 

 着任式で職員に訓示し、決意を述べる廣瀨局長(4月2日、九州防衛局で)

 防衛省は4月1日、廣瀨律子人事教育局人事計画・補任課長を同日付で九州防衛局長に昇任させる人事を発令した。事務官・自衛官を含め、防衛省採用の女性が審議官や局長などの「指定職」に就任するのは初めて。


「職責全う」力強く決意

 【九州局】廣瀨律子局長は4月2日、九州防衛局(福岡市博多区)で行われた着任式に臨み、集まった約200人の職員に対し、初の訓示を行った。

 この中で廣瀨局長は「地方防衛局の・・・

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 防衛関連ニュース

「しらせ」60次南極観測支援終え帰国
(2019年4月9日)

2019年4月11日更新

 南極・昭和基地などでの第60次南極地域観測支援活動を終えた海自の砕氷艦「しらせ」(艦長・宮﨑好司1佐以下乗員約180人)が4月9日、5カ月ぶりに東京・晴海に帰国した。

 「しらせ」は昨年11月10日、晴海を出港。同25日に豪フリーマントルで第60次観測隊員77人を収容し南極に向かった。12月25日に昭和基地に無事到着すると、その後は・・・

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豪射撃競技会「AASAM」に陸自精鋭20人
戦闘射撃部門で3位
(2019年3月25日~4月5日)

2019年4月11日更新

 

 戦闘射撃部門の拳銃種目で利き手を負傷したことを想定し逆の手で射撃を行う陸自隊員(パッカパニャル訓練場で)

射撃技術向上に手応え 参加国との信頼関係強化

 陸自は3月23日から4月5日まで、豪ビクトリア州のパッカパニャル訓練場で行われた国際射撃競技会「AASAM19」(豪陸軍主催)に参加、戦闘射撃部門で3位に入賞した。競技会を通じて射撃技術を向上させ、参加国との信頼関係を強化した。


米、英など20カ国

 競技会には日、豪、米、英など20カ国から射撃技術の優れた兵士らが集った。陸自は富士学校長の高田祐一陸将を担任官に陸上総隊と各方面隊の選手12人(普通科10、特科1、化学科1)を含む約20人で挑んだ。

 競技は2部門で実施され、そのうち戦闘射撃部門は各国の射手10人が小銃(長距離=400~600メートル=、至近距離=10メートル=各射撃など)、機関銃(突撃=25~100メートル=、防御各射撃)、拳銃(通常=5~25メートル=、応用=5~12メートル=、戦闘各射撃)の射撃を行い、得点を競った。

 陸自は小銃で4位、拳銃で・・・

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秋田駐屯地 秋田県警、秋田海保と
「女性公務員意見交換会」
(2019年3月14日)

2019年4月11日更新

 

 女性公務員同士で話を弾ませる隊員と秋田県警察、秋田海上保安部の参加者たち(3月14日、いずれも秋田駐屯地で)


 

 意見交換会に先立ち、駐屯地史料館の研修が行われ、秋田県の郷土部隊について学ぶ参加者たち


 

 グラウンドでは、陸自の災害派遣部隊が使用する各種車両や装備品などを見学した

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 秋田駐屯地は3月14日、秋田県警察と秋田海上保安部の協力を得て、「県内女性公務員意見交換会」を開催した。

 当日は、駐屯地から業務隊衛生科長の保坂美佳1尉以下10人が参加。秋田県警からは5人、海上保安部から4人が駐屯地を訪れた。

 意見交換会に先立ち、駐屯地史料館の研修が行われ、隊員が郷土の部隊について説明。県警・海保の参加者たちは旧陸軍歩兵17連隊などの展示物を興味深そうに見入っていた。その後、グラウンドで陸自の災害派遣部隊が使用する高機動車など装備品も見て回った。

 意見交換会では、主に家庭と仕事の両立をテーマとした「ライフワークバランス」について・・・

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