カーテンを閉めたから、さっきよりももっと何も見えないほど暗い部屋で聞いた陽菜の声は震えていて、その内側の悲しみが伝わってきた。
「あんな風に会いたいって言われたら、そりゃ飛んでくるよ」
「優ちゃん…」
「真っ暗だと思い出すな・・・。陽菜と付き合った日のこと」
あの日もこんな暗さのこの部屋だった。
陽菜に想いが通じた日。
その事を思い出すと今でも勝手に頬が緩む。
「嬉しかったな」
思わずこぼれた言葉。
陽菜の返事は期待していなかった。
けど、陽菜は言った。
「…やっぱりダメだったね」
震えを隠すように押し殺した声。
真意が掴めなくて「ダメだった?」と聞く。
それから、少し間が空いて陽菜が言った。
「別れよっか、優ちゃん」
驚きはなかった。
何で?とか、焦りも感じなかった。
ただ、陽菜がひどく弱っているように思えて。
陽菜を背負っているものを、私にも分けてほしいと思った。
「言いたいのはそれだけ?」
陽菜に近付いて頬を両手で包み込んだ。
「他にももっとあるでしょ?強がんなくていいよ」
「ちがう…」
「私じゃ頼りないかな?」
「そんなわけっ…」
そこまで言った陽菜から、私の両手に涙が伝った。
「わかったから。よく頑張ったから。座って?」
泣きじゃくる陽菜の頭を撫でて、ベッドの端に腰を下ろさせる。その横に並んで座って陽菜が話し出すのをただ黙って待っていた。
「…ごめ…ごめんね、優ちゃん…」
「うん、大丈夫だから。ゆっくりでいいよ」
「あのね…」
そうして、ゆっくりと陽菜が話し出した。