内海聡の内海塾より

3月9日

腸内細菌

みんなが知りたいらしい腸内細菌の話ですが、腸や菌が健康とか肌とか美容に関係しているとわかっても、どこをどうしたらいいのかよくわかってない人がとても多いです。

「脳はバカ腸はかしこい」なんて本もありましたけど、腸は消化だけでなくホルモン分泌、免疫調節、造血機能などさまざまな機能を備えています。

そもそも腸は脳よりも先に作られる臓器であり、働きは脳に匹敵します。
そして昨今死因の第一位は大腸癌ですがこれも当然ながら理由があるわけです。

腸内細菌は説にもよりますが数百兆個とも言われています。
腸内細菌と言えば善玉菌とか悪玉菌とか言われますが、これは簡単にいうと嘘の概念です。
シャーレの中のことと人体を混同しているともいえますが、単純にいっても自然界に善玉とか悪玉とかいうものは存在しません

これは人間の目先の都合により分けた概念であって、これをにこだわっている人はあまり成功しなかったり、美しくなれない人だと言っても過言ではないでしょう♪。

人間の便には1g当たり1兆個の細菌がいるといわれ、便の量自体も減っていることが統計的にわかっているそうです。
ある説では戦前は一日平均300gで現代は200g~150g低度とか。
日本人の便の腸内細菌も減っていることが推測され、それは抗生物質だったり殺虫剤だったり水道水だったりが原因です。

皮膚は洗い過ぎれば洗いすぎるほど汚くなることがわかっていて、あるデータでは皮膚病の1/3は洗い過ぎだったそうです。

ちなみに抗生物質や殺虫剤などを使うことで耐性菌が出現し、それが社会にはびこって大きな病気をもたらすこともあります。

O-157などはその代表格ですが、だからあの菌には薬が効きにくいわけで、要するに人類が作り出したものでしかありません。
ちなみにO-157は米、日、仏、英、カナダ、北欧等の清潔な国にしかないんだそうです。

ちなみにうんこというのは食べカスだと思っている人がいるようですが、実際には食べカスなのは少しであって、ほかは腸内細菌の死骸と腸粘膜の死骸です。
うんこが大きいほど健康になりやすいという説もありますね。

さらにいうと腸内細菌とは少し離れますが、女性の膣の中にはデーデルライン乳酸菌がいて膣を守っています。
これが膣のグリコーゲンを餌にして乳酸を作って、強力に膣の中を酸性にして雑菌が入らないようにしているわけです。
最近はビデで洗いすぎて膣炎になっている人が多いそうですが、これも清潔病のなせる業ということになります。
洗わない、単一の菌類を摂らない、日本の発酵食品を食べる、というのが結局のところ腸内細菌にいいわけですが、
間違っても「生きたまま腸に届く」とかいう、不健康な健康食品類に手を出さないよう願っております♪。
(内海聡facebookより転載)


幻冬社 GOLD ONLINEより
2017.3.15
村田 公英

巷にはびこる「間違いだらけの整腸法」【第2回】

「乳酸菌」は本当に生きたまま腸に届くのか?

 

前回は、マスコミで紹介される整腸法に疑問を呈しました。
今回は、「乳酸菌」は本当に生きたまま腸に届くのか、検証していきましょう

 

メーカー各社は「生きた菌」の効果を強調したが…

 

腸内で善玉菌が増えれば、悪玉菌が悪さをしないよう抑え込むことができ、腸内環境が良くなります。
「それなら、善玉菌を含む食品をたくさん食べればいいのでは?」と多くの方が思うことでしょう。

 

善玉菌の代表格である乳酸菌を多く含んだ食品といえば、ヨーグルトがまず思い出されるのではないでしょうか。
腸に良いからと、毎日欠かさず食べている、という人も少なくないでしょう。 

 

パッケージを見るとB21菌、LGG菌、ガセリ菌・・・などと、様々な菌の名前が書いてありますが、いずれも乳酸菌の仲間です。
乳製品の大手は各社こぞって、これこそが健康に良い菌、と毎年のように手を替え品を替え、新しい菌を発表、宣伝している感があります。

 

このように、乳酸菌の種類は年々増えても、ここ10年以上のトレンドは「生きた菌」であることに変わりありません。
1980年代の終わりに、生きたまま腸まで届く菌があり、それが腸内環境を良くする、という説が浮上し、「健康のために」を意味するギリシャ語を由来としたプロバイオティクスという言葉が誕生しました。

 

以来、ヨーグルトにおける「生きた菌」信仰は日本の消費者に広がり、生きた菌入りであることがヨーグルトの付加価値となったのです。

 

出始めのころは、生きた菌といっていれば売りになりましたが、十数年も経つとそれが当たり前になってしまったので、今は、メーカー各社が差別化をすべく、あれやこれやといろいろな菌をヨーグルトに入れ、宣伝するようになりました。 

 

ほとんどの乳酸菌は、そのまま体外に排出される

 

ところが、すでに専門家の間では、この「生きた菌」信仰に対して批判的な声が上がっています。

 

というのも、その菌が生きたまま腸に届くかどうかは、あくまで腸に至るまでの消化酵素や㏗といった条件をそろえた装置の中で検証しているにすぎず、実際にヒトの体内に入ってから生きたまま腸に届いているかどうかは、誰も確認していないのです。

 

さらに、腸内フローラの研究が進んだ今では、外から入ってきた菌が、仮に腸まで生きたままたどりついたとしても、腸にもともといる菌の集落に定着することはまず期待できないことが確実にわかってきました。

 

腸の先住人、いや先住菌である常在菌たちは、人の出生と同時に腸壁に陣取り、腸内で長い年月をかけて、そこに長く棲みつける順応性を獲得した菌です。
順応性とは、言ってみれば、人の長い一生の中で、菌が腸や他の菌たちとうまくやっていくための社交術なり、生活の知恵のようなものといっていいでしょう。

 

そこに、何者かもわからない菌がきても、そうそう仲間には入れてもらえません。
同じ善玉菌とはいえ、生まれたときからずっと腸内細菌として棲みついている自前の善玉菌にとって、食べ物として外からやってきた乳酸菌は「よそ者」です。

 

その菌が、どんなに身体にとって良いとされる菌だとしても、腸内フローラという菌社会に定住できなければ、健康に寄与する物質はつくれません。
そして実際、ほとんどの菌は定住できず、そのまま腸を通り抜けて、排出されてしまいます。
これを「通過菌」といいます。

 

何しろ、腸内には400~500種類以上、約100兆個もの細菌が棲みついており、善玉菌VS悪玉菌のみならず、善玉菌同士でも別の種類の菌同士が勢力争いをしていたり、相性の良い菌同士は共存したりしています。よそ者の菌がそうそう簡単に定着できる環境ではないのです。

 

もったいないと思われるかもしれませんが、見方を変えれば、こうした外からきた菌を排除しようとする腸の働きは、人間の身体を守るためになくてはならないものといえます。

 

もし、外から入ってきた菌がたやすく腸内に棲みつくことができたとしたら、食中毒の原因菌などの、身体に害をもたらす菌もたやすく定着、増殖しやすいということになってしまいますし、そうなれば命に関わります。 

 

これが、苦労して生きたまま腸まで届けたヨーグルトの中の菌の宿命です。
私たちが期待する結果には必ずしもならないことが、おわかりいただけたと思います。


ここまで見てくれてありがとうございます❤照れ