彼は一言、

「ついに来たか」

そう呟いて、帰って行った。

それからというもの、彼は一度も私の前に姿を表さなかった。

私は淋しかった。

でも、「また会える日がくる」そう信じて、ずっと待っていた。

しばらくたったある日、近くで声がした。

「久しぶり、僕だよ」

!!

この日も暑い日だった。

私は辺りを見渡した。

しかし、彼の姿は無い。

でも、確かに声はした。

幻聴ではない。

目の前には足のはえた生き物がいた。

まさかと思った。

彼はすっかり変わってしまっていた。

「僕、実は…」

彼は言いかけたけど、私の顔を見てやめた。

彼は最後の最後まで本当に心優しかった。

きっと、私が「それ以上は聞きたくない」そう思っていると察したのだろう。

姿は変わっても、彼は彼だ。


今はたまに見かけるけど、話かけては来ない。

私も話かけない。


だって、


住む世界が違うのだから…





-END-