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16年間、一緒に暮らした愛犬トム。
今しがた、動物霊園で見送ってきた。
お迎えの車で霊園に向かっている時、ふと気付いた。
トムと車に乗るのは、これが2回目だと。
最初は、生後45日目でペットショップから我が家へ来た時。
今しがた、動物霊園で見送ってきた。
お迎えの車で霊園に向かっている時、ふと気付いた。
トムと車に乗るのは、これが2回目だと。
最初は、生後45日目でペットショップから我が家へ来た時。
段ボールに入った小さな仔犬を、子供達が覗きこんで興奮してたっけ。
『触ったらアカンよ。赤ちゃんやし、おうちで落ち着かせてからじゃないと可哀想やから。』って、旦那が諭してたっけ。
2回目の今日も、トムは段ボールに。
2回目の今日も、トムは段ボールに。
ただ、それはあの頃よりもずっと大きな箱で、輝くほどに真っ黒だった毛並みは、黒とグレーと白が入りまざって、少しくすんだ色になっていた。
笑いを![笑い泣き](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/015.png)
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思い出しただけでも泣ける。
泣きそうになった時、霊園に着いた。
泣きそうになった時、霊園に着いた。
家から車で5分。
感傷に浸るには、いささか近過ぎたかも知れない。
霊園も、そう呼ぶには規模が小さく、必要最低限の設備があるだけ。
もう、私は肩がブルブルと震えて、必死の思いで堪えた。
霊園も、そう呼ぶには規模が小さく、必要最低限の設備があるだけ。
けれど、それでじゅうぶんだ。
5分ほどの音楽葬があり、旦那と私の2人でお焼香をした。
5分ほどの音楽葬があり、旦那と私の2人でお焼香をした。
音楽が流れた瞬間、涙が溢れた。
トムの頭を見ながら、泣きじゃくった。
これで最後。
これでお別れ。
もうすぐ姿も見れなくなる。
トムの頭を見ながら、泣きじゃくった。
これで最後。
これでお別れ。
もうすぐ姿も見れなくなる。
嗚咽がもれるほど泣きじゃくっていたら、アナウンスが流れた。
「御家族様に、トムちゃんからメッセージが届いております」と。
ん?メッセージ?
ん?メッセージ?
ああ、よくあるお涙ちょーだい的な言葉を流すのだろうと思っていたら、甲高い女性の声でメッセージが流れ始めた。
「僕だよ!みんなにどうしても伝えたいことがあるんだ!
「僕だよ!みんなにどうしても伝えたいことがあるんだ!
今まで僕を可愛がってくれて
本当にありがとう。
いつもどんな時も、家族として大事にしてくれていたよね。
僕が一番嬉しかったのは、抱っこしてくれていた時だよ。
温もりが暖かかったなぁー。
死んだら土に還るのかな?
でも、僕はずっと空から見ているからね。
今まで本当にありがとう。じゃあね。」
もう、私は肩がブルブルと震えて、必死の思いで堪えた。
今、立ち上がったら緊張が解けてしまう。
こんなにも、堪えた事があっただろうか?
こんなにも堪えるべき事になるものだとは。
笑いを
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どこがトムからのメッセージやねん⁉️
「僕だよ!」って、めっちゃ棒読みやん。やめてーッ。この場で笑ったら、不謹慎なんてものじゃない。
やめてーッ。マジで腹痛い!
ヒイィィィ━━ッ![笑い泣き](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/015.png)
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一瞬で涙が引いた。
16年も一緒に暮らした愛犬の葬儀で、まさか笑いを堪えることになろうとは。
今、こうして書いていても、笑いが込み上げて手が震える。
小さな小さな動物霊園。
意図的では無いのだろうけど、ある意味、悲しみを癒してくれた。
火葬炉の前で、最後のお別れ。
私が選んで活けた花束が、驚くほどに火葬スペースにピッタリと合った。
トムの頭を撫で、いつものようにわざと耳をひっくり返して遊び、耳を戻して顎を撫でた。
そして扉が閉まり、トムの姿が見えなくなった。
そして扉が閉まり、トムの姿が見えなくなった。
霊園の外へ出て、思わず空を見上げた。
雲ひとつない、青い空だった。
トム。
トム。
母ちゃんは、ずっとお前を愛してる。