月日が経って3年目




私は本当に別れを考えだした




この1年も色々あった




正月にカニを食べに温泉旅行に連れて行ってくれたり



USJにも連れて行ってくれた




出だしは良かった、だけど段々悪い方向に向かってる



理由は明快!お金だ




歳を重ねて周りの友達も、さすがに仕事をしだしたリョウは以前よりスロット漬けの日々、借金漬けになっていた




「ゆり悪い!金貸して!明日のイベントどーしても打ちたい狙い台あるんだ!必ず返すから」




これで何度目だろう




私は元々ケチだし男に貢ぐ趣味はない、金を渋々貸しても根にもってしまう




リョウが要求する額が、どんどん増えていく




「もう貸さないよ!てゆーか少しでも働いて返してよ!」




ある日の朝、いつも通りにリョウが金を要求してきたのを断った




私はボコボコにされて財布の金は全て持っていかれた



何の為に働いてるのか判らない




リョウに憎しみが湧いた




ある日久しぶりに友達と遊んだ




パチンコ屋に勤めてる彼女の店にもリョウは通ってた



「ユリの彼、最近スゴく勝ってるよ!」




驚きを隠そうと冷静なフリをした




「へぇ、そうなんだ」




「代打ちのコ沢山使って朝から設定の良い台打って勝ちまくって常連の間では有名だよ」




知らなかった、私の金は何処に流れてるの?




私はリョウを問い詰めた、私の金はリョウのサラ金の借金返済やリョウの実家の家賃にされていた




リョウと同じくリョウの母親もギャンブル狂で自己破産している




なんで私がサラ金の返済やリョウの実家の家賃払わなきゃいけないのよ!




リョウの儲けた金は仲間との遊びや飲み代に流れていた




許せない




「もぅ別れる金も返して」



私は、リョウを侮蔑するような汚い言葉で、なじった



そして実家に帰った、電話にも出ない




〈金は店に持って来て〉




と、だけメールをした




外で会ったら殴られて家に拉致られる、リョウの、やりそうな事はスグわかる




1週間後、リョウは金を持って店に現れた




終わった




無言で金の入った封筒を私に渡すリョウその表情は別れを理解した顔だった




厚い封筒を受け取った




これで終わった




私は悲しくなった




仕事をしないギャンブル狂い、自分を罵倒して連絡も取れない彼女に金を返す為に職場まで来なきゃいけない男




そんな男を嫌いになれない自分がいた




別れたくない、でも私達の関係は、これ以上成長しない




別れて2ヶ月経った時




寄りを戻したのは私からだった
リョウと付き合って2年が経った




リョウと過ごす2回目の私の誕生日




「ユリ海に行こう」




誕生日当日は水商売で1番大事な日、仕事人間になってた私の誕生日明けの休日リョウが誘ってきた




「冬の海とか興味ないょ」



断ったのに、しつこい!




(運転は私なのにマジ勘弁)



渋々、車を出した




「船に乗ろう」




本当に勘弁!リョウも私と同じで我が儘、言い出したら中々折れない




寒い夜のフェリー、人もほとんど乗ってない




「渡したい物があるから外行こう」




リョウは以外とロマンチストな男だった、たまにサプライズをしてくれる




寒いフェリーの外に出てプレゼントの入った紙袋を渡してきた




「ユリちゃんおめでとう!お金なくて安物だけど」




確かに09系ブランドの紙袋だ、指輪欲しいって言っといたのに・・・




「ありがとう見ていい?」



私は作り笑いで答えて紙袋を開いた、真っ白なワンピース、リョウが私に1番似合うと言ってくれる色




「その服は俺と一緒の時以外着ないでね」




リョウが言った




「うんリョウ専用だね!可愛い服ありがとう!」




私も心からの言葉だった




ワンピースを出しても紙袋は重たい、もう一度紙袋を覗いた、小さな箱が入ってる




「驚いた?」




箱に気付いた私の表情を見て得意気にリョウが言った



その当時アユと長瀬が付けて流行ってたBVLGARIのリング




「ありがとうリョウ」




涙が出た、欲しかった指輪を貰えたからじゃない、私を喜ばそうと色々考えてくれた事が心から嬉しかった



仕事しなくても、ロクデナシでもリョウは私にとって1番大切な人だ




これから先、何年経っても一緒にいたい




この気持ちは永遠だって神様にも誓えるよ!




指輪は迷わず左手の薬指にした




周りの誰もが、お前等は別れないと言った




ずっと一緒に居た私達は話し方も笑い方も癖や仕草も似ていた





話し方や笑い方は歳を重ねて変わったけれど、癖や仕草は未だに染み付いて変わらないよ・・・





あの指輪は捨ててしまって、もうないけれど左手にできなくても捨てなければ良かったな。
面接に行った翌日




電車に1時間揺られ私は出勤した




帰りは送迎、通勤に時間がかかる




(来月には、こっちに部屋借りたいな)




私の行ってた地方の箱とは違いヘアメイクさんも居る県内1の繁華街の箱




ビルの1・2階を使った大きな箱だった当然キャストも多い




初出勤で指名してくれたのは有名な家電会社の社長だった




(ここでも頑張っていける)



私はヤル気になってた




そんな私とは違ってリョウは帰りたくなっていた




友達もいなく私は仕事、スロットしかする事がない




遊び人のリョウが耐えれるはずがない




2ヶ月後、結局地元に帰った




「やっぱ地元最高!」




リョウが帰って来たので仲間内で飲み会をした、リョウは、とびきりの笑顔で飲んでる




「久しぶりに街に出るからユリちゃんも実家に帰りなよ」




実家に帰れとか普段なら絶対言わないのに、よほど嬉しいんだろうな




「分かったよ!街で喧嘩しないようにね!」




「ん~了解っ!」




次の日からもリョウは働く事もなくスロットか仲間と遊ぶ日々だった




事故の金は相手の水増し請求にリョウが気付き、逆に訴えると脅して微々たる金額で決着が着いた




それから1年経ち私は水商売に戻ってた




金がない自由もない、何より進歩のないリョウに飽き飽きしてた




そんな時知り合いのママがラウンジを出すから働かないかと言ってきた




「リョウ!私水商売に戻るから」




殴られた




地元に帰って来てからリョウは私に手を挙げるようになった




逃げようとしても何処にでも一緒に行動する




友達とも会わしてくれない



お互いが縛り過ぎて私達の関係は悪い方に進んでいた



リョウに、どれだけ殴られても私は我を曲げれない性格




最後に折れるのは決まってリョウだ




今まで、やる気なく働いては辞めた水商売




復帰したラウンジで私の仕事に対する姿勢は変わった



初めて遣り甲斐を感じた




生活も変わった貯金をして免許を取り車を買った




自分が成長すればする程、リョウが情けなく見えた




でも別れようとは思えなかった




私がいくら発狂しても我が儘を言っても許してくれる



私を理解してくれるのはリョウだけだから




ケンカしたら手を出してくるけど、それ以上に優しい



私は自分でもウンザリする位自分勝手で我が儘だ




自分で分かっているから他人に、とても気を使う




リョウが私の我が儘やストレスを全て受け止めてくれるから




リョウが居ないと私は優しい人間でいられない




そう思っていた




私が絶対リョウと別れないリョウも確信していた