後半で、ネタバレあるので

「花物語」を読んでない人は

読まないで下さいね。m(_ _)m


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「薬になれなきゃ毒になれ。

でなきゃあんたはただの水だ。」


ちょっと、この言葉を

深掘りしたいと思いました。


作中の人物、神原駿河が

母親から言われた言葉です。


この言葉だけ見ると、

真っ先連想するのは

「毒にも薬にもならない」

だと思います。


そちらの意味に偏ると

「ただの水にはなるな!」みたいな

叱咤激励の様になるのですが。


ニュアンスとして違和感があって

小説「花物語」を購入して

全部読んでみました。


ここからは、ネタバレ注意。


結論から言うと、やはり

叱咤激励では無くて

不器用な母親から娘へ贈られた

優しさに溢れた言葉でした。


作中の最後に、母親との夢で

こんな、やり取りがあります。


「もっともあの子は、毒にも薬にも

ならない水は水でも、泥水だったって

感じかな。あんたは

どうなんだろうね、駿河?」


「さあ・・・向こう見ずって

いうのはどうです?」


「寒いよ」


最後に、神原駿河自身を

見ず(水)と認めています。


薬でも毒でも無くて水で

良いんだよって母親からの娘への

優しいメッセージなのかな?


考えるまでも無いのですが、

「薬」と「毒」は無くても

暮らしていけますが、

「水」は人間にとっても

無くてはならない物質です。


考えてみると、持続可能性が

求められる現代で、最も必要なのは

「薬」でも、「毒」でも無くて

「水」の様な人間なのかも

しれませんね。