▼前回のはなし



実際、お互いの仕事のことだったり生活のことについて話す時間は至福だった。1ヶ月のあいだに心に溜まった不浄なものがどんどん流れされていく感じがした。




だけどホントのことは別にある。彼が隣にいると、なにかもっと途方もないものがすぐに溢れてきそうになる。それを必死こらえながら、表情を作ってごまかす時間がある。そのなにかを外に出してしまったら、どんなにか楽になるだろうと想像する自分がいる。




ぎこちない笑顔になってないかな。

居心地が悪いのは私だけのはずなのに、なぜか同情を求めるように彼の瞳をじっと見つめてしまう。その褐色がかった所がほのかに潤んでいるのを見つけたとき、私は居てもたってもいられなくなった。