タレントの石橋貴明と鈴木保奈美が離婚しました。ここ1~2年前からネットで二人の夫婦仲に亀裂が生じたと報じられ鈴木保奈美は石橋の束縛から解放されたい思いからマンションを購入し自身で事務所を設立し離婚準備を整え三女の高校卒業を機に子育ても一段落したと判断し離婚に至ったそうです。


 その鈴木保奈美が、もうすぐ番組から30年絶とうとするドラマ『愛という名のもとに』で作品の主人公・藤木貴子を演じ本当に良いドラマで2012年に自身のブログで記事にしたほどです。そのドラマにおいて貴子の大学時代の同級生でボート部の仲間の一人、中野英雄が演じる倉田篤、通称チョロは都内の大手証券会社に勤務していたが生真面目な性格が災いし営業成績は最下位で上司の杉本課長(故・加藤善博)に普段から陰湿なパワハラを受けストーリーが進むにつれ、そのパワハラもエスカレートしていった。篤は、やるせない思いから惚れ込んだフィリピン女性J・J(ルビー・モレノ)に騙され顧客のお金を横領してしまう。

 当然、横領したことは後日、杉本に知られ外回りから戻ると杉本から解雇通告された上に人間としても社会人としても冷たく指摘され篤は感情的になって杉本に怪我を負わせてしまい、その場から姿を消し傷害事件で指名手配となってしまう。篤は潜伏先から貴子に泣きながら自分の思いを打ち明け貴子は篤の潜伏先を突き止め仲間達とその場へ向う。そして仲間達が辿り着いた時には篤は首を吊って自ら命を絶っていた。

 最終回では、その杉本が篤の墓参りをした帰り貴子と時男(江口洋介)とバッタリ会うシーンが見られる。杉本が篤の墓参りするまで何があったのか?現在であればオリジナル・ストーリーなどネットで配信されますが私なりに考えてみました。






第1話から上司・杉本課長からパワハラを受ける篤。



篤の傷害事件を起こす直前のシーン。上司・杉本役演じた加藤善博さんも故人となられました。


  『愛という名のもとに』オリジナル・ストーリー「改心、杉本課長」


 社内で篤と揉み合いになり後頭部を床に叩きつけられケガを負った杉本は警備員によって病院に搬送され命に別状はなかったが、しばらく意識は回復せず翌日の午後にようやく意識を取り戻し杉本は警察に篤を告訴しないと告げたが時既に遅く篤は自殺したと聞かされ複雑な思いだった。

 一週間後、職場復帰した杉本だったが突然、支店長に呼び出され今回の篤の顧客の横領事件と自殺で全ての原因は自分にあって上司としての「監督不行き届き」と見なされ全責任を負う形で降格された上に地方の支店への移動を命ぜられた。しかもそれは自分の部下達からの証言で、その証言の先頭に立っていたのは、それまで自分が散々目をかけてきた篤の同期で営業成績トップの高津(鷹津?どちらか不明)だった。更に杉本の後釜の課長も高津が取って代わっていた。

 高津は篤が自殺した同情心ではなく、それまで杉本に忠実だったが以前から杉本の傲慢な性格が内心気に入っておらず普段から篤をいびって自分にはチヤホヤしているが篤は近々退職すると予測し密かに職場の仲間達に呼びかけ杉本を支店から追い出す計画を練っていた。仲間達も篤が辞めた後いつ自分に杉本からのパワハラの標的にされるか恐れていた。当時バブルが崩壊し、これから厳しい時代で営業も苦しくなって、よりイライラが募った杉本のパワハラが現在(いま)の倍以上になる可能性は高いことは明白で高津の呼びかけに賛同した。そして今回の篤の横領と傷害事件に自殺。高津は、ここぞとばかりに杉本が職場復帰する前に支店長に内部告発をしていた。

 全てを知った杉本は高津に「これまで、ずっと君に目をかけて期待していたんだよ。何故こんなことを・・・?」と問い掛けると高津は、これまで杉本に見せることのなかった冷たい眼差しで「あんたは倉田に(営業の)才能がないと罵って来たが、あんたには上司としての才能がないんだよ。まあ簡単にいうと器じゃねえんだよ!!課長・・・いや杉本さん、今後あんたに代わって後釜になった俺が十分な課長業をしますよ。あんた以上にね!!」と不敵な笑顔で罵った。そして、その場にいた社内の部下達も杉本に対し冷ややかな目線を向けて杉本は唖然とする。自分の本当の敵が一番、信頼していた部下の高津だったとは・・・まさに飼い犬に手を噛まれた思いだった。。

 これまで篤に必要以上にいびってきた報いが何倍となって自分に返って来たと絶望し自分がこれまでして来たことを悔いるのだった。そして地方の支店に移動する前日、杉本は篤の墓参りするシーンへと繋がるストーリーです。

 



現在、多くのドラマで活躍する仲野太賀が中野英雄の息子だったのは最近知りました。