キャスト

曽我笙子・・・伊藤麻衣子(現・いとうまい子)

久樹哲也・・・国広富之

長沢真琴(通称モナリザ)・・・伊藤かずえ

西村朝男・・・松村雄基

葉山恭子・・・岡田奈々



 これまで大映ドラマでは「スクールウォーズ」の記事や動画などを貼りましたが、その「スクールウォーズ」の前作のドラマ「不良少女とよばれて」も感動エピソードがあったのを長年すっかり忘れていました。その感動エピソードは最終回も感動でしたが14話も私が見た限り最終回に負けず劣らずの感動シーンがありました。


 14話では主人公の曽我笙子は不良少女で悪の限りを尽くし哲也に説得され少年院で罪を償い人生をやり直す努力をしていた。しかし笙子の弟・健二は中学生で姉が不良で少年院に行っているという理由から同級生から理不尽ないじめを受けていた。その場は何とか哲也に救われたものの健二は哲也に励まされるも姉・笙子に対する憎しみと怒りは凄まじかった「姉ちゃんなんて大っ嫌いだ!姉ちゃんが不良でさえなければ僕はいじめられたりなんか・・・姉ちゃんなんか死んじまえ!!」と泣きながら走り去る。

 そして健二は学校も不登校となり学校外でも理不尽ないじめが起こり、その場に不良グループのリーダーの西村朝男がいじめグループに往復ビンタを食らわし「てめェら何で殴られてるのか、わかってんだろうな!!」と健二を助ける形となり、いじめグループは逃げ去ったが哲也は朝男の言動に「大人気ないぞ!!」と言うと朝男は「俺も近頃のガキ達の悪さにはあきれ返るぜ!ぶっとばさねェ限りイジメはなくならねェぞ!」ともっともらしい言葉に哲也は「いや、それは違う! いくら殴りつけて、もうしませんと言わせても陰に回れば、またイジメは続くんだ!」と反論。そんな二人のやりとりに当の健二本人はその場を去ってしまう。

 後日、健二はイジメグループとその父親達と出くわし不良に息子を殴らせた仇と言わんばかりに父親達が健二に鉄拳制裁を加えた。子が子なら親も親である。しかもイジメグループは親達に普段、健二をいじめていることは当然話していないらしい。その頃、少年院から外出許可を得て親友の店に行ったモナリザこと真琴は健二が店に来て泣きながら「ちきしょー!やってやる!僕をいじめる奴らを殺してやる!」と叫んで店を飛び出した事を少年院に戻ったモナリザは笙子に話し、それを聞いた笙子は弟の健二は一度決断すると必ず実行する性格を知っているだけに外出許可を申し出るもやはり簡単に外出許可は降りないものです。

 その夜、花火を楽しむイジメグループを健二は物陰からナイフを手に近付こうとしたが間一髪で哲也が制止し、その様子をイジメグループと親達が気付き哲也と健二に近付くと哲也は「あなた方は、どうして子供の喧嘩に手を貸すんですか?子供は大人の真似をしていじめるんですよと言うと父親の一人が「私達は子供達に人をいじめろとは一度も言ってない。人並みに生きろ、そう言い聞かせているだけだ」と反論すると哲也は「その人並みという言葉が差別を生むんです。人並みというのは慎ましいどころか驕った言い方です。必ず人並みでないものへの軽蔑がこもっている。貧しい子、勉強の出来ない子、動作の遅い子、健二君のように少年院にいる姉を持った子、そういう子供達をあなた達は無意識のうちに蔑んでるんだ。それがイジメとなって現れるんですよ!確かにこの子の姉さんは少年院にいます。だが人生やり直しが出来ると信じて一生懸命罪を償って努力しているんです。お父さん方も君達(イジメグループ)も、もう少しいじめられる者の立場になって見て下さい。」と哲也の言葉にいじめグループも親達も頭を下げ反省し、もはや反論する事すらしなくなってしまう。更に哲也は健二にも「健二君、君も逃げちゃダメだ!学校から逃げたって、この世の中に隠れる場所は無いんだよ!男らしく立ち向かっていくんだ!!」健二は無言だったが哲也の言葉に涙していた・・・。哲也の「立ち向かう」というのは単にイジメグループに立ち向かうだけでなく姉が少年院にいるという理由で差別や迫害する冷たい世の中全体に全身全霊ぶつかって強くなれという意味ではないでしょうか?そして、いつか出所した姉を弟の君があたたかく迎えてやれという哲也の願いにも感じました。本当にこのシーンは感動しリアル放送された当時、中学生だった私も思わず涙が出そうでした。今このシーンをまともに見たら絶対に涙ボロボロです・・・。

 一方、笙子は弟を思うばかりに脱走を考えるが哲也との脱走しない約束を思い出し躊躇するとモナリザは笙子に暴行を加える。さすが名アンチヒロイン、伊藤かずえの演技がまた凄まじい。その時、塀の外から哲也達の声が聞こえモナリザは引き上げると哲也は塀によじ登り「笙子さん、脱走はやめるんだ。君の事を心配して皆も来てるぞ。健二君もだ」と言うと笙子は驚き健二は「姉ちゃん、心配かけてゴメンよ。俺、明日から学校へ行くよ。哲也さんのおかげで俺、少し勇気が出せそうだよ」という言葉に笙子は「健二、頑張ってね」と涙ぐむ。「姉ちゃんもな、姉ちゃん、もう泣くな。じゃ、またね」と健二の明るい言葉を聞き「哲也さん、ありがとう・・・。私・・・」と泣きながら言うと哲也は「もう何も言わなくていい。早く部屋に戻りなさい」と言われ笙子は少年院の部屋に戻った。


 熱く書き込みましたが「不良少女とよばれて」のドラマ、また見たくなりました。