第二期ウルトラシリーズ「帰ってきたウルトラマン」から「ウルトラマンレオ」まで地球防衛チームで一番、隊長にふさわしい人物は「ウルトラマンA」の竜五郎隊長だと思います。隊長としてのポジションは戦闘においても優秀でなければならないが一番必要とされているのは「指揮能力」である。

 歴代地球防衛チームの隊長は誰しも指揮能力が優れているが特にTACの竜五郎隊長は戦闘時においても作戦会議においても常に冷静で更に部下の隊員達の対立が多く、その度に竜隊長は温厚かつ冷静な態度で対立は丸くおさまっている。これは隊長として態度ばかりでは竜隊長の人格によるもので部下への気遣いを優先する姿勢が明確になっている。

 第10話「決戦! エース対郷秀樹」においては郷秀樹をTAC入隊に推薦する山中隊員に対し北斗は郷の言動に強い疑いを抱き反対したため竜隊長は郷のTAC入隊をしばらく待ち再調査を命じた。これに対し山中隊員は竜隊長に(北斗を)甘やかしすぎではと反論すると隊員の中に一人でも反対する者がいる限り危険とみなしての判断だった。そして竜隊長の判断は正しく郷秀樹はヤプールの使いのアンチラ星人が変身した姿だった。竜隊長は北斗の反対意見だけでなくチームワークの乱れを防ぐための配慮でもあった。

 部下思いの竜隊長が一番印象深いのは第14話「銀河に散った5つの星」でゴルゴダ星へ光速ミサイルの特攻を命じる高倉司令官に対し北斗ウルトラ兄弟が磔にされて救いたい気持ちから反発したため高倉司令官は北斗に特攻を推薦し嫌なら制服を返上(つまり退職)しろと迫る。北斗は渋々命令に従い光速ミサイルでゴルゴダ星へ特攻するもゴルゴダ星を目前にミサイル切り離し装置の故障が発生し竜隊長は地球へ帰還するよう命じるが高倉司令官はなおも北斗にそのままゴルゴダ星への特攻を命ずると竜隊長は怒り高倉司令官を鉄建制裁し本部から追い出してしまう。

 このように他の隊員達もそうだが北斗は竜隊長を誰よりも尊敬しているため超獣がTACの戦闘機を攻撃し墜落や危険な不時着しそうになった時ウルトラマンAに変身し戦闘機を素手でキャッチするのは竜隊長か美川隊員が搭乗しているのみで他の隊員の搭乗は戦闘機を放棄して脱出しているのが多い。普段、自分が見たヤプールによる怪現象の報告を信用されなかったり一笑に付されたり酷い場合だとキチ○イ扱いされている北斗の日頃の恨みではなかろうか?

 考えてみれば第二期ウルトラシリーズの地球防衛チームで最初から最後まで降板もせず全話、隊長をやり遂げたのは竜隊長のみである。「ウルトラマンタロウ」のZATの朝日奈隊長は降板はしなかったものの多忙のため本部や現場にはほとんど顔を出さなかったため印象に欠ける。

 

 そして最後になりますが竜隊長は「ウルトラマンA」を見た視聴者や大人達にとっては理想の上司でもあり理想の父親に見えた方も多いと思います。竜隊長が上司の社内ならパワハラもないし社員や従業員達もより一層仕事に励めるはずです。そして竜隊長が総理大臣だったら国民の誰もが支持し中国も北朝鮮も強い態度には出れないと思います。竜隊長の存在は本当に大きいですね。


 

ズラリ並んだTACのメンバー。画像を見ても竜隊長の存在が大きく見えます。