プロレスラーの小橋建太が先日、引退を表明した。原因は肉体の限界だった。小橋の本人によると4年前から首の影響で左足に力が入らなくなってきて医師から緊急手術をするか引退をするか、どちらかを決めて欲しいと言われ今年の7月に思い切って首を手術をして、ここまで復帰を目指して頑張ってきたが依然として状態は悪く完全復活は無理だと判断して引退することを決意したそうである。
考えてみると小橋建太は20年前から膝の状態が悪く得意技のムーンサルトプレスを決める際まともに両ヒザを強く打ちすぎたため膝を悪化させ、いつも膝には分厚いサポーターが巻かれていた。長年のレスラー生活で膝を中心に小橋の体はボロボロ状態となっていた。更に2006年6月、精密検査で「肝臓癌」が見つかり手術・治療のため長期欠場。手術は無事に成功し翌年の12月2日の日本武道館で546日ぶりの復帰を果たす。しかし、その後も小橋は試合中のケガにより手術・治療により欠場が続いた。
彼がそこまでしてプロレスを続けたのは誰よりもプロレスを愛していたからである。選手の中で一番練習熱心で後輩レスラー達の面倒見も良く尊敬されていた。そしてファンを大切にし、どんなにケガを負っていた時もファンの前では弱みを見せることはほとんどなくサインや記念写真にも応じていたそうである。どこまでもプロレスを愛しケガや病気にも負けず頑張り続けた小橋だったが肉体の限界には誰も勝てない。しかし小橋は決して自分に負けたわけではない。
今回の小橋の引退を決意したのは3年前の三沢光晴の試合中で意識を失い搬送された病院で亡くなった事も頭によぎったからだと思う。晩年の三沢も長年のレスラー生活で無理がたたり体力面の不安が深刻化し肩、腰、膝に慢性的な痛みを抱え寝返り打つだけでも痛みが走る状態となり右目にも原因不明の視力障害まで起きていたらしい。そんなボロボロ状態で激しい試合を続けた結果、試合中の事故で亡くなったため三沢の死は自分への警告にも感じたのではないかと思う。今回の小橋の引退の判断は正しいと考えるしかない。
小橋引退表明に戻るが小橋はこう言っていた「自分がこうして引退宣言する日が来るなんて思わなかったです。小橋建太に世代交代はないと言ってから、自分でこういうふうに言うときが来るとは思わなかったです。しかし時代は動いています。人間必ずこういうときは来ます。しかし人生が終わったわけではありません。これからもう一度頑張って、この充実したプロレス人生に負けない人生を送りたいと思います。」何となく寂しそうなコメントにも感じられるがそれでも小橋は精一杯の思いをファンに告げた。残り1試合、悔いのないラストファイトを期待している。小橋建太、長年本当にお疲れ様でした。これからまた充実した人生を送ってください。

