昨年、試合中に倒れて病院に運ばれ,そのまま亡くなった三沢光晴の体格はメタボだと言うものが多いが、これは最近のプロレスファンの見方だと思う。

 昔、WARの天龍、石川、冬木、北原が新日本のリングに上がった時、放送席の解説をしていた山本小鉄は「WARの選手は練習不足でお腹が出てる」と言った事に対し、後から批判の声もあった。そう、あれがプロレスラー本来の体格なのだ。

三沢光晴の体格もあれがプロレスラーらしき体つきなのである。

 小橋健太もデビューから3~4年ほどはボディービル並みの体をしていたが、ジャイアント馬場に「何だこの体は!!もっと肉を付けろ!!」と叱られた。どこまで本当かわからないが「プロレス・スーパースター列伝」のブルーザー・ブロディ編でもブロディが馬場の体格を見てやせっぽっちのノッポめとバカにしていたが「馬場はプロレスは筋肉でやるものじゃない」と言い返した。ザ・グレート・カブキ編でも若き日のカブキにカンフーの師匠も実戦の役に立たない筋肉などつける必要は無いと言っている。

 最近はスマートな体格やボディービル並みのプロレスラーがやたら目立っている。

そのためファンの間からプロレスラー本来の体格が忘れつつあるのだ。天龍も石川も普段、腹が出ているように見えても、いざ技をかけるときは物凄い筋肉の鎧と化す。逆に外人レスラーでボディービルダー並みの体格で期待されてもパワーだけで技も受身もなってなかったレスラーが多数見られた。ハルク・ホーガンやザ・ロード・ウォリアーズのように筋肉質で強さが伴ってこそ一流のレスラーといえる。