長男はうまれて数週間後に、
新生児壊死性腸炎で緊急手術になった。

腸が破けたのだ。
原因はいまだに分からない。


あの日、
小児外科や小児科の先生方は誰も、
この子は死なない、大丈夫だとは言わなかった。

勿論わたしの気持ちには、
先生方も看護師長さんもとことん寄り添ってくださった。

泣きながら、
助けてください助けてください
そう馬鹿の一つ覚えのように訴え続けるわたしの肩を、
看護師長さんはずっと抱きしめていてくれた。


夫がネットで検索した超低出生体重児の壊死性腸炎からの生存率は、
3割だったらしく、

マジか…そら無責任なこと言えんわなと
先生方の対応を一人納得していたらしい。

わたしにはとてもじゃないが言えなかったと
のちに話してくれた。









NICUの保育器の中で、
お腹が真っ黒に変色しパンパンに張っていた
長男。

身長30cm・体重600gの身体で全身麻酔に耐え、
私達のもとに帰ってきてくれた本当に強い子。


全身麻酔により呼吸が下がっていき、
先生方はヒヤヒヤの連続だったらしいけれど、


彼の運もよく、
メスを入れた場所がちょうど穿孔の起こっていた箇所であり、


急いで洗浄し小腸ろうを造設。


手術は無事彼の命を守り抜き、
終わった。









助かる見込みはたぶん本当になかった。

これでもかとパニックになりながら、

溢れて止まらない涙を拭いながら、

子を失う不安に押し潰されそうになりながら、

だけど、疑いもなく信じていた。

直感があったから。

大丈夫だ、この子は絶対に死なない。

死なせてなるものか。









現在の長男の小児外科の主治医は、
長男は奇跡の子だ、とよく言う。


お母さん、
この子が生きているのはほんとにすごいんです。

全世界でこの子しかいないんです。

大腸を全摘するほどの重い壊死性腸炎になった子で元気に生きている症例は……


 






命は助かったものの、

度重なる重い腸炎、
直腸狭窄、
直腸全摘、
と小腸ろう閉鎖まで色々ありました。


未熟児で生まれたゆえか知的障害もあり、

生まれた瞬間から人生ハードモードです。









めげずに生きようね。
ママへたれやから、
支えになりきらん日たくさんあると思うけど、


この人生も自分自身も、

この世にたったひとつしかないから、

大事に生きよな、一緒に。