今話題の朝ドラ「ブギウギ」で活躍の趣里さん

ちょっとコミカルに演じる福来スズ子役がとてもはまっています。

その物語、歌って踊って楽しい舞台の笠置シヅ子さん、戦後の日本を歌と踊りで活気付けました。敗戦から半年後の昭和21年、喜劇王のエノケンこと榎本健一に招かれ共演した「部隊は廻る」は服部良一の音楽も相まって、その楽しい活気あふれる演技で大盛況となります。

稽古中、エノケンは彼女にアドバイスします。「君は歌手で役者ではないのだから芝居のツボがはずれている。しかしそれがまた面白い効果を出しているので、改める必要はない。僕はどんなにツボをはずしても、どこからでも受けてやるから、どこからでもはずしたまま突っこんでこい」

表情豊かに楽しく、身振り手振りで体を揺らして踊り歌う、笠置シヅ子のコメディアンとしての資質をエノケンは見抜いていました。その後もコミカルなミュ-ジカルで二人は何作も共演を重ね、笠置シヅ子はエノケンを演技の先生と慕っていきます。

笠置シヅ子は昭和23年(1948)に「東京ブギウギ」が大ヒットとなり次々とブギウギの曲を歌っていきます。

その中でも「買い物ブギ」は大阪弁の楽しい庶民の力強さあふれる曲ですよね。

エノケンは舞台の忙しい日々を精力的にこなしていきますが、昭和27年広島公演の時に以前から苦しめられていた突発性脱疽が発症し出演出来なくなってしまいます。

その時に笠置シヅ子は代役を買って出ています。

笠置シヅ子の楽しく歌い踊る姿は多くの人たちを戦後の混乱から立ち直る心の支えとなっていきました。

そんな熱烈なファンの中に、夜の商売の女性もいて彼女達との交流を深めていき、厚生施設の設立にも協力しています。

自身が生い立ちから苦しい思いを経験してきただけに、その立場を理解し共有できる人でした。昭和30年代に入ると女優業に専念し舞台やテレビ・ラジオのドラマやCMで明るくて面白い大阪弁のおばちゃんとして活躍していきます。

昭和60年(1985年)卵巣がんで亡くなられました。享年70歳でした。

垂れ目と大きな口で笑顔がトレ-ドマ-クの笠置シヅ子さん、親しみやすい笑顔で歌い踊り周りを和やかにしてくれました。

そんな笠置シヅ子さんとエノケン、楽しく歌う二人をどうぞ