何度終わりにしようと思っても、彼の笑顔、優しさに触れると、その気持ちが一瞬にして消えてなくなってしまうのだった。

優柔不断……。

まさにこの言葉が今の私にはぴったりだろう。

独りぼっちの夜を過ごす度に、温かい家庭の中にいる彼が思い浮かび、寂しくて、悲しくて、辛くなるのだった。
そんな思いをする度に彼との別れが頭に浮かぶのだ。

『好きでもどうにもならないことがあるんだよ。』

以前、彼が言った。
初めは好きだと言ってくれたのだと、大はしゃぎしたものだが、今となっては、いい言い訳なのかもしれない。
そんなふうに思ってしまう私は嫌な女?

終わりにするにはやっぱり、もう少し時間が必要だ。
でも、自分から連絡をとるのは止めよう。
まずはここから始めてみる。
そして、いつかきっと……。


続く
私は今、職場恋愛している。
職場恋愛と聞けば、毎日会えて、一緒に働けて楽しいなんて思うが、私達の関係はそんな純粋な関係ではなかった。
そう、彼には妻子がいたからだ。
関係が始まって、もう半年が経っていた。
その間、何度も関係を終わりにした方がいいと話し合った。
でも、お互いの気持ちを抑えることが出来なかった。

月日が流れる中で楽しい思い出が増えるにつれて、罪悪感や警戒心が薄れていった。

職場で話したり、こっそりデートしたり、飲んだり楽しく過ごしていた。

徐々にそれが、周りに不信感を抱かせるようになっていた。

確実にバレたわけではないが、疑われているような空気が漂うようになっていた。

これをきに終わりにした方がいいのか……。


一体どうしたらいいのか……。
久しぶりに彼と飲んだ。
嬉しいことに彼から誘ってくれたのだ。
嬉しい気持ちと、仕事が次の日お休みだったこともあり、お酒がいつも以上にすすんだ。

そして、お酒の力も借りて、一番聞きたかったことを聞いた。
『私のこと好き?』
『好きだよ。』

予想だにしない答えが返ってきたのだった。
きっとまた、はぐらかされると思っていたので、驚いた。
それと同時に嬉しさがこみ上げてきた。
例え、2人に未来がなくてもその言葉が聞けただけでも幸せだった。
そして何度も彼の温もりを感じ、幸福感でいっぱいになった。
愛情すら感じられた。

今なら、人生が終わってしまっても全く悔いはないとすら思った。

ずっと彼を好きでいたいと思った。



続く