高齢者ドライバーの増加に伴い、今年六月から七十五歳以上の人に罰則付きで義務付けられた「もみじマーク」表示について、警察庁は二十五日、罰則のない努力義務に戻す道交法改正試案をまとめた。
年明けの通常国会に改正案を提出する。


六月施行の改正道交法は、七十五歳以上の運転者に一律にマーク表示を義務付け、違反すれば行政処分の点数一点と反則金四千円を科すと規定。

試案はこの規定について「当分の間、適用せず、七十歳以上―七十五歳未満と同様に努力義務にとどめる」とした。



県交通安全協会には、改正道交法施行前の四月ごろから「なぜあのデザインなのか。いかにも高齢者という色で格好悪い」「車いす用の駐車スペースがあるように、高齢者を守るような施策はほかにもあるのでは」など、疑問の声が数多く寄せられたという。

「マークを付けていることで、幅寄せをされて危険な目に遭った」と逆効果を指摘する声もあった。


同協会からは「高齢ドライバーの気持ちはよく分かる。現状は、周りの配慮が足りていない」と指摘する。

その上で、今回の「努力義務」への変更について「高齢者の車両を目立たせることは、安全確保の面で一定の効果があることは確か。引き続きマークの表示に協力してほしい」と強調した。


試案にはほかに、高齢者が利用することが多い病院などの周辺道路に駐車スペースを確保できるような制度を新設することや、高速道でのあおり行為に「三カ月以下の懲役」を加え罰則を引き上げるなど、高齢運転者を支援する施策が盛り込まれた。

また法改正を伴わない高齢者支援策として、七十歳以上の免許更新時に義務付けられている三時間の高齢者講習を短縮したり、運転経歴証明書の交付申請期間を、現行の免許返納後一カ月から五年程度まで延長したりすることなども決めた。




【主な高齢運転者の支援策】


《法改正》

①もみじマークの見直し
・75歳以上も努力義務に

②高齢者専用駐車区間
・官公庁や福祉施設周辺に指定

③あおり行為の罰則引き上げ
・高速道などで懲役刑も


《それ以外》

④高齢者講習の見直し
・受講者負担を軽減

⑤運転経歴証明制度
・免許返納後の申請期間延長