肝付兼太さんが亡くなった。

世間的にはスネ夫の声優さん。
僕的にはジャングル黒べえ、ドカベンの殿馬一人
元祖天才バカボンの本官さんの声。

数回しかお会いしたこと無いけど、
いい人だったなぁ。かっこいい人だった。

「今と違ってね、僕らの頃は、
 映画に出たくて俳優目指して、
 それがだめで、それでも諦めきれなくて
 声優になってね。
 でも、この世界で生き残りたいから一生懸命やったのが
 なんとか『私は声優でございます』ってなったんだよ」 

って言うんだ。
あの声で。

「だって、自分のおばあちゃんが
 『あんたは映画に出る容姿じゃないよ』
 って言うんだよ(笑)
 可愛い孫にさ(笑)」

とも。
テレビ局の楽屋でのことでした。

そう言えばついこの間
ルフィの声、クリリンの声、はに丸の声でおなじみの
田中真弓さんが「肝付さんには頭が上がらない」って
言ってたっけ。
偉大な人だ。

ちょっと話変わって毒蝮三太夫さんが
マムちゃんがね。

「ウルトラマンシリーズに抜擢されたのはなぜですか?」

って聞かれて

「暇と体力があるやつが選ばれたんだよ
 安くて丈夫
 当時テレビの子供番組に出る俳優なんて
 そんなもんだよ
 でもさ、呼ばれたからには張り切ったねえ」

って包み隠さず言う。
すごくカッコいい。

「ロケの途中でションベンしたくなってさ
 トイレなんかないから
 森で立ちションしようとしたら
 見に来てたジャリに見つかっちまってよ
 『あ、アラシ隊員だ』なんていいやがる
 仕方ねえから
 『この辺に透明の宇宙人が潜んでる
  君たち危険だから避難したまえ!』
 なんて言って追っ払ってションベンしたよ」

がっはっはと笑う。
いろいろいい話が詰まってる。
肝付さんの話から、脱線しちゃった。
要は、大先輩方の、飾りすぎない、臭くない
でも、プロ意識の垣間見える昔話がグッと来るって話。

肝付さんのご冥福をお祈りします。
蝮さんの、、、
あの人はしぶとい。僕より長生きする。