秋本治先生の
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」
の連載が終わる。

連載40年、単行本200巻
すっげえなあ。

たとえ少年ジャンプがなくなっても
核戦争が起こっても
地球がブラックホールに飲み込まれても
「こち亀」だけは続くと思ってたのに

正直に言うと、
少年ジャンプを手に取らなくなって久しい僕
「こち亀」は東京駅のキオスクで
新刊を見かけると買うという習慣に。

それでも、
僕自身が週刊漫画雑誌というものを
読み始めた頃からの連載が無くなるってすごいなあ
ジャンプに「こち亀」が載ってない月曜日が来るのか。

「始まったものはいつか終わる」ってことなんだなあ

1990年、22歳だったか。
オールナイトニッポンを始めたばかりの僕。
ある日少年ジャンプを読んでいると
「こち亀」の背景に
「伊集院光」の文字が。

「こち亀」の背景に、
ちょっとしたギャグを見つけるのは
漫画ファンの楽しみの一つで
それは、街角にはられた映画のポスターの中だったり
ビルにかかった垂れ幕の中だったりに
「伊集院光のオールナイトニッポン」とか
「オペラの怪人(当時の僕の、全く浸透していないキャッチフレーズ)」
とか、書いてある。

すでに単行本の数も60冊を超えて
超有名漫画だった「こち亀」の中に
超無名タレントの名前を見つけて
感激するやら驚くやらびっくりするやら
驚愕するやら仰天するやら

「背景を描いているアシスタントさんの中に
 僕のラジオを聞いてくださるような
 変わり者がいらっしゃるのでは、、、」

と思いながらも、天下の「こち亀」の一部に
なったことに興奮して、
毎週、穴が空くほど背景をチェック。
そして、「変わり者様」こと「数少ないリスナー」から
「今回のこち亀のどこどこにも、載ってましたね」
などのお便りも来て、うれしいのなんの

程なくして、秋本先生から
少年ジャンプのパーティへの(うろおぼえ)
お誘いがあり、
喜び勇んで出かけると
そこに秋本先生のお姿が

「あなたが伊集院光さんですか、
 ほんとうに大きいんですね
 想像していたお顔よりずっとお若い」

返す返すも当時の僕は超無名で、
テレビにも雑誌にも出ていないから
その外見が誰にも知られていないのだ。

もっとも当時の先生も先生で
メディアに顔出しをしていないから
ジャンプの巻末の目次と単行本に書かれた
「男前」のイラストでしかお顔を知らなかったけど。

聞けば、最初はアシスタントさんが聴き始めて
先生も聴いてくださっているという
身に余る光栄。

なんとその日、パーティ終わりでそのまま
アシスタントさん、集英社の方、秋本先生
のメンバーで食事に連れて行っていただくという大光栄。

さらに、先生がお帰りになったあと、
意気投合したアシスタントさんに連れられるままに
先生の仕事場にある「アシスタント部屋」に行き
朝まで過ごすという、光栄通り越して「ずうずうしさ」

その後、背景のポスターには
僕の外見が出るようになったり、
僕が酔っ払って書いた落書きが
壁の落書きとして登場したり
ついには、単行本の巻末にある
「有名人ファン」のコラムに起用していただいたり

「こちら葛飾区亀有公園前派出所」第64巻の巻末。
あれが出た時の周囲からの反響は半端無かったなあ。

秋本先生、アシスタントの皆さん、両さん、お疲れ様でした。
そして、秋本先生の漫画をこれからも楽しみにしています。