東京駅。新幹線。ホームの待合室。
少し混んでるかな
くらいの人口密度の中
運よくベンチに座っていると
急に見知らぬおじさんが
「えー今回の研修旅行は、遊びじゃありませんよ!」
と大きな声でご挨拶を始めた。

僕はすっかり研修のことを忘れて
遊び気分でいたので面食らってしまい、、、

いや、もともと研修なんかに参加してない。
単なる遊びだ。だから遊び気分で、
週刊誌の袋とじヌードを開けようか開けまいか
迷っていたところだった。

あたりを見回すと、
この待合室の8割くらいが
その人の関係者っぽい。

研修のスケジュールや意義
心構え、ここまでの反省、説教
なんかエキサイトしてきたおじさん。
それと反比例して神妙な面持ちのみなさん。
ついには、ニヤニヤしていた若者が怒られた。

こうなると、関係ないこっちも神妙になってしまう
ヌードグラビアを開けようとした途端に怒られたら?
それにびっくりしてビリッと行ったら?

なんでこっちがきをつかわにゃならんのじゃ?

そう強く思ったが
約8割という、圧倒的過半数を占められている以上
うかつに反抗もできない。
現にニヤニヤしていて怒られた若者は
一言も発しないし。

あいつだけでもこっちについてくんねえかな。

無理だ。
いたたまれなくなって来たあたりで、
新幹線の発車準備が整ったので乗車したが、
僕の乗った号車の約8割が、、、

「えー!今からお弁当を配ります!」
僕の分は無いのに。