新型色鉛筆サクラクーピーペンシルが
僕の前に現れたのは小学校3年生の時だったか
まず何より驚いたのが
色鉛筆なのに消しゴムで消せることと
芯が折れないこと。
さらにそれまで12色が当たり前だった色の数が
24色36色48色ついには60色と増えていったこと。
とはいっても、中流家庭の僕たちが買ってもらえたのは
相も変わらずの12色が関の山。
それでも買ってもらえるだけ中流の上で
買ってもらえないのが普通。
「今の色鉛筆がなくなったら」と言われて
白い紙をひたすら塗って
必死に減らしたりする悪知恵も。
で、上流家庭の子が24色
リッチもリッチなおぼっちゃんK君が
夢の60色を買ってもらった。
もう宝石箱のような色彩の鉄製の缶に並ぶ60色のクーピー
この世の色はすべてここにあるんじゃないか
と思うほど。もう頭がくらくらした。
当然K君は自慢する自慢する。
「K君様、どうか私にあおみどり色とたまご色を貸してくださいませんか」
なんてこびる僕たち。
勿体ぶるK君。
当然嫉妬する嫉妬する。
「なんだよえらそうにしやがって、たいして絵がうまいわけでもないのにさ」
「さくらがい色とかふじむらさきとか何に使うんだよ」
「ねずみ色と灰色の差ってなんだよ!」
と言いたい放題。
すると、K君はよほど悔しかったのか、
次の夏休みの絵の宿題に、60色すべてを使った絵を描いてきた。
その題材は
「クーピーペンシル60色」
そのままクーピーペンシルの絵を描いてきたのだ。
これには笑うやら恐れ入るやら。
ついでに思い出したことは、
図工の女性の先生が、写生会で行った森林公園で
「色数が少ないから上手に森が描けない」と
拗ねる僕の前で、緑と黄緑と青と黒と黄色を使って
鮮やかな森を描いたのを見て魔法に見えたこと。
あれを機に好きだった図工が大好きになったと思う。
藤沢先生といったか。
どうしているかしら。
僕の前に現れたのは小学校3年生の時だったか
まず何より驚いたのが
色鉛筆なのに消しゴムで消せることと
芯が折れないこと。
さらにそれまで12色が当たり前だった色の数が
24色36色48色ついには60色と増えていったこと。
とはいっても、中流家庭の僕たちが買ってもらえたのは
相も変わらずの12色が関の山。
それでも買ってもらえるだけ中流の上で
買ってもらえないのが普通。
「今の色鉛筆がなくなったら」と言われて
白い紙をひたすら塗って
必死に減らしたりする悪知恵も。
で、上流家庭の子が24色
リッチもリッチなおぼっちゃんK君が
夢の60色を買ってもらった。
もう宝石箱のような色彩の鉄製の缶に並ぶ60色のクーピー
この世の色はすべてここにあるんじゃないか
と思うほど。もう頭がくらくらした。
当然K君は自慢する自慢する。
「K君様、どうか私にあおみどり色とたまご色を貸してくださいませんか」
なんてこびる僕たち。
勿体ぶるK君。
当然嫉妬する嫉妬する。
「なんだよえらそうにしやがって、たいして絵がうまいわけでもないのにさ」
「さくらがい色とかふじむらさきとか何に使うんだよ」
「ねずみ色と灰色の差ってなんだよ!」
と言いたい放題。
すると、K君はよほど悔しかったのか、
次の夏休みの絵の宿題に、60色すべてを使った絵を描いてきた。
その題材は
「クーピーペンシル60色」
そのままクーピーペンシルの絵を描いてきたのだ。
これには笑うやら恐れ入るやら。
ついでに思い出したことは、
図工の女性の先生が、写生会で行った森林公園で
「色数が少ないから上手に森が描けない」と
拗ねる僕の前で、緑と黄緑と青と黒と黄色を使って
鮮やかな森を描いたのを見て魔法に見えたこと。
あれを機に好きだった図工が大好きになったと思う。
藤沢先生といったか。
どうしているかしら。