最近よく色んな所で『脳』が話題になっています
日本の脳科学者では、茂木健一郎さんが有名ですが、
こちらはアメリカのJill Bolte Taylor博士
ある日脳卒中に倒れ、回復するまでを
脳科学者としての見方から綴った
"My Stroke of Insight" 奇跡の脳
という本を書いています
脳卒中を脳を研究する科学者として自分の体で体験し、
自分の脳の働きや、右脳の世界の素晴らしさを、
実験的、科学的にではなく、
感覚的に体験し分析しています
そんな彼女のスピーチは、とても情熱的で
想像的で芸術的でとても感動的です。
日本語字幕がなかったので、訳長いですけど、面白いです
私たちの頭のなかには、右脳と左脳が平等に存在しているのに、
私たちの多くは、とらえどころのないその右脳世界を、
無意識に押さえつけて生活しているのではないでしょうか、、
私には脳障害、統合失調症と診断された兄がいたため、成長して脳を勉強するようになりました。
そして妹として、また後には科学者として、なぜ私は自分の夢と現実を関連づけることができて
夢を実現させることができるのか理解したかったのです。
兄の脳と彼の総合失調症の何が原因で兄は自分の夢と
一般的かつ他の人と共有している現実を関連づけることができず、
代わりに妄想となってしまうのでしょうか。
私は重い精神疾患を研究することに自分のキャリアを捧げました。
そして生まれ育ったインディアナ州から ボストンへ移り住み、
そこでハーバード大学精神科のフランシーヌ・べネス博士の研究室で働いていました。
研究室で 私たちは次のような問いかけをしていました。
「正常な制御グループと判断される人たちの脳と、統合失調症、統合失調性感情障害
または双極制うつ病と診断される人たちの脳との生物学的違いは何なのか。」
つまり基本的に私たちは脳の微小回路をマッピングして、
どの細胞とどの細胞がどの化学物質を
どれだけの量を使って伝達し合っているのかを 研究していたのです。
日中はこのような研究を行っていたため、とても有意義生活を送っていました。
一方で、夜と週末には精神障害者のための全国連合(NAMI)
の賛同者として各地をまわっていました。
ところが1996年12月10日の朝、目が覚めると自分にも脳障害があることに気が付きました。
脳の左半分の血管が破裂していたのです。
そして4時間の間に、私は自分の脳が全ての情報処理能力を完全に失うのを観察しました。
(脳内)出血の朝、私は歩くことも話すことも読むことも書くことも、
私の生活の一切を思い出すこともできませんでした。
私は基本的に大人の体をした赤ん坊になってしまったのです。
人間の脳を見たことがあれば、2つの脳半球が完全にお互いから分離されていることは明らかです。
皆さんのために本物の人間の脳を持ってきました。
そうです、これが本物の人間の脳です。
これが脳の正面で、脊髄が垂れ下がっているのが脳の後、
そしてこれが私の頭の中で配置されている状態です。
それから、脳を見てみると2つの大脳皮質が完全にお互いから分離しているのが明らかです。
コンピューターに詳しい方にとっては、右の脳半球は並列プロセッサのように機能し、
左の脳半球はシリアル・プロセッサのように機能します。
2つの脳半球は3億もの軸索線維から成る脳梁を通してお互いに伝達し合っています。
そのことを除けば、2つの脳半球は完全に分かれています。
各脳半球は情報を別々に処理するため、
それぞれ考えることが違い、別々のことに関心を持ち、
あえて言うとても異なる人格を持っています。
すいません。ありがとう。楽しかったです。(助手:そうですね。)
私たち人間の右の脳半球にとっては、「今、この瞬間」が全てです。
「ここにいる、まさにこの瞬間」が全てなのです。
私たちの右の脳半球は画像で考え、自分の体の動きから運動感覚で学びます。
情報はエネルギーという形態をとって私たちの全ての感覚系に同時に流れ込み、
それから今この瞬間がどのように見えて、今この瞬間にどんな匂い、味、感触がしていて、
どう聞こえているか巨大なコラージュ画となって現れるのです。
右の脳半球の意識を通して見ると、
私は私を取り巻くすべてのエネルギーと繋がっているエネルギー的存在なのです。
右の脳半球の意識を通して見ると、
私たちは人類という家族として互いにつながっているエネルギー的存在なのです。
今この瞬間この場所、この地球上において
私たちは共に世界をより良い場所にしようとしている兄弟姉妹です。
そしてこの瞬間、 私たちは完璧であり、 完全であり、そして美しいのです。
私の、そして私たちの左の脳半球はまったく異なる存在です。
私たちの左の脳半球は連続的、方法論的に考えます。
左の脳半球にとっては過去と未来が全てです。
左の脳半球は現在の瞬間を表す巨大なコラージュ画像から詳細を拾い出し、
さらにそれらの詳細についての詳細まで拾い出すようにできています。
それから、それら全ての情報を分類、整理し、今まで覚えた過去の全てと結びつけ、
将来の全ての可能性に向けて投影させます。
それと、私たちの左の脳半球は言語で考えます。
私と私の内面的世界を外の世界に繋げているのは、
その継続的な脳のしゃべり声なのです。
その小さな声が私に「家に帰る途中、バナナを買って帰るのを覚えておきなさい。
明日の朝要るから。」と言うのです。
私が洗濯物をしないと いけない時を知っていて、
私に思い出させてくれるのはその抜け目ない知能なのです。
しかし最も重要なのは、私に「私がいる、私がいる。」
と言うのはその小さな声だということです。
そして左半球が「私は」と言った途端、私は分離されるのです。
私は私の周りを流れるエネルギーから離れ、皆さんから分離された1人の確固たる個人となります。
そして、私はこの部分を脳卒中の朝に失ったのです。
脳卒中の朝、私は左目の奥にズキズキする痛みを 感じて目を覚ましました。
それはアイスクリームにかじりついた時に感じるような激しい痛みでした。
それは私を捕らえて、そして解放し、また私を捕らえ、解放しました。
私にとってはどんなものであれ痛みを体験することは極めてまれなことだったので、
いいわ、ただ通常の日課を始めよう、と思いました。
そこで私は起き上がり、全身の有酸素運動用のカーディオマシンに飛び乗りました。
一生懸命これをやったのですが、
マシンの棒を握っている私の手がまるで
原始的動物のかぎ爪のように見えることに気付きつつあるのです。
そして、「すごく変だわ」と思いました。そして自分の体を見下ろして
「うわ、私ったら奇妙な姿をしてる。」と思いました。
私がマシンに乗ってこの体験をしている という、通常の知覚による現実から、
自分の意識がどこか不思議な空間に行ってしまい、
そこからこの体験をしている自分を見ているようでした。
全てがとても奇妙で 頭痛が悪化してきました。
そこでマシンから降りてリビングルームの床を歩きながら、
私の体内の全てが速度を落としたことに気付くのです。
そして、一歩一歩がとても硬い動きで、とてもゆっくりしているのです。
歩調に流動性がなく、私の認識領域にこのような制限があるので、
私は自分の内部体系だけに集中します。
そして私はシャワーを浴びる準備をしながら浴室に立っていて、
自分の体内で行われている対話を実際に聞くことができました。
「よし、そこの筋肉、縮んで。そこの筋肉は緩んで。」
と言っている小さな声を聞きました。
それから私はバランスを崩し、
壁によりかかりました。そして自分の腕を見下ろして、
私はもはや自分の体の境界が分からなくなっていることに気付きました。
自分がどこから始まり、どこで終わるのかが分かりませんでした。
私の腕の原子と分子が 壁の原子と分子と混ざり合ってしまっているのです。
唯一見つけることができたのはそのエネルギーでした。
エネルギーです。
そして、私は自分に問いかけているのです。
「私はどうしちゃったの?何が起きているの?」
その瞬間、私の脳、私の左の脳半球のしゃべり声が完全に静かになりました。
まるで誰かがテレビのリモコンを取り、ミュートボタンを押したかのようでした。
完全な沈黙です。そして、最初は静かな頭の中にいることが分かってショックを受けました。
その一方で、私はすぐに周りのエネルギーの壮大さに魅了されました。
私はもはや自分の体の境界線が分からなくなっていたので、
自分が巨大で開放的に感じました。
私は全てのエネルギーと一体となっていると感じ、そこは素敵でした。
そして、突然私の左の脳半球が戻ってきて私に言いました。
「ちょっと!問題が発生!問題だ!誰か助けを呼ばなきゃ!」
そして私は「あー!問題が発生!問題が発生!」と認識します。
「そうか、 そうか。問題が起きてるんだ。」という感じです。
しかし私は突然、意識の中に戻されました。
私は親しみを込めてこの空間をラ・ラ・ランド(幻覚の世界)と呼んでいます。
そこは素敵でした。
自分と外の世界をつなぐ自分の脳のしゃべり声から
完全に切り離されるのがどんな感じか想像してみてください。
私はこの空間にいて、私の仕事とそれに関したストレスがなくなったのです。
体が軽くなったのを感じました。想像して下さい。
外界の全てとの関係とそれらに関連したストレス原因が全てなくなったのです。
私は平和に満ち足りた気持を感じました。
それと、37年間もの感情の重荷がなくなるのがどんな感じか想像してみてください
!あー!幸せでした。幸福感です。素晴らしかったです。
それから再び左の脳半球が戻ってきてこう言いました。
「ちゃんと注意を払って!助けを呼ばないと!」
そして私は「助けを呼ばないと。集中しなくては。」と思うのです。
そこで私はシャワーから出て、無意識に着替えてアパートの中を歩き回り、
「仕事に行かなきゃ。仕事に行かなきゃ。運転できるかな。運転できる?」
と考えているのです。
そしてその瞬間、私の右腕が体の横で完全に麻痺してしまいました。
その時私は気付きました。
「何てことなの!私、脳卒中を起こしているわ! 脳卒中を起こしている!」
それから次に脳が私に言ったのは
「わあ!すごいわ!すごくおもしろい!
どれだけの脳科学者に自分の脳を徹底的に研究する機会があるかしら?」
ということです。それから、あることが頭をよぎりました。
「だけど私はとっても忙しい女性だわ。 “脳卒中になってる時間なんかない」と。
私は「いいわ。脳卒中を止めることはできないから1~2週間だけやって、
それからまた通常の日課に戻ろう。
いいわね。だから助けを呼ばなきゃ。職場に電話しなきゃ。」という具合です。
職場の電話番号が思い出せなかったのですが、
仕事部屋に自分の番号が書いてある名刺があったことを思い出しました。
そこで仕事部屋に行き、3インチある名刺の山を取り出しました。
一番上の名刺を見て、心の目でははっきりと自分の名刺がどんなものか分かっているのに、
これが本当に自分の名刺かどうかが分かりませんでした。見えるのは画素だけだったのです。
文字の画素が背景の画素や記号の画素と混ぜ合わさり、見分けがつきませんでした。
それで私は「物事が明瞭となる波」と呼ぶ瞬間を待ちました。
その瞬間は通常の現実に戻ることができて、
この名刺じゃない、この名刺じゃない、
この名刺じゃないと見分けることができました。
その名刺の山を 1インチ見るのに45分かかりました。
その間の45分間に出血は左の脳半球でどんどん大きくなっているのです。
私は番号が理解できず、
電話も理解できませんでしたが、それが唯一私がしようとしたことです。
そして、電話を手に取ってすぐここに置きました。名刺を手にとってすぐここに置き、
名刺に書かれているくねった線の形と電話にあるくねった線の形を一致させています。
しかしまたラ・ラ・ランドへ戻ってしまい、
我に返るとどの番号を既に押したかを忘れていました。
だからまた通常の現実に戻ったときに
「そう、その番号は押したわ」と分かるように、電話の番号を押しながら、
切断されてわずかしか残っていないような感覚に麻痺してしまった腕を
何とか使ってその番号を覆わないといけませんでした。
ついに全ての番号が押され電話を聞いていると、同僚が電話を取って私に言うのです。
「ワン、ワン、ワン、ワン。」 そして私は思います。
「何てこと。彼、ゴールデン・レトリバーみたいに聞こえるわ。」
そして私は彼に言います。心の中でははっきりと彼に言うのです。
「ジルよ!助けが必要なの!」私の声が言うのは「ワン、ワン、ワン、ワン、ワン。」です。
私は「あらまあ、私ったらゴールデン・レトリーバーみたいに聞こえるわ」
と思っています。だから私は自分で試すまで、
自分が言葉を話すことも理解することもできないと分からなかった、知らなかったのです。
彼は私に助けが必要だと分かり、助けを呼んでくれるのです。
そのすぐ後、私はボストンの病院から
マサチューセッツ総合病院へ行くために救急車に乗っています。
私は小さな胎児のように丸まり、
そしてちょうど風船に最後に残されたほんの少しの空気が外へ出て行くかのように、
エネルギーが上に昇って行き、魂があきらめるのを感じました。
そしてその瞬間、私はもはや自分の人生の振付師ではないと知りました。
そして、医者が私の体を助けて私にもう一度人生のチャンスを与えてくれなければ、
多分この世からあの世へ移る瞬間だったんです。
その日の午後に目覚めた時、自分がまだ生きていることに気付きショックを受けました。
私は魂があきらめるのを感じた時、自分の人生にお別れを言ったのです。
私の心は、現実の2つのとても対照的な次元の間に宙づりになっていました。
私の感覚系から入って来る刺激はひどい痛みと感じました。
光は私の脳を野火のように燃やし、
音はとてもうるさくてグチャグチャで背景の雑音の中から声を認識することができず
、ただ逃げ出したかったのです。
この空間で自分の体がどの位置にあるか認識できなかったので、
自分を巨大で開放的に感じ、
魔法のランプから解放された精霊のようでした。
私の魂は、静かな幸福の海を滑るように進む巨大なクジラのように、自由に舞うのでした。
天国です。私は天国を見つけたのです。
もう巨大な自分をこの小さな体の中に押し込めることなんてできないわと思ったのを覚えています。
でもそれから、私はこう気付きました。
「でも私はまだ生きてる!私はまだ生きてる。そして天国を見つけた。
私が天国を見つけたのにまだ生きているのであれば、
生きている皆も天国を見つけることができるんだ。」
私は、美しく、平和的で、思いやりがあって、愛情に満ち、
そしていつでもこの空間に来られることを知っている人ばかりの世界を想像しました。
彼らは意図的に左の脳半球の右側に寄ることを選択でき、
この平和を見つけることができるのです。
そしてそれから、私たちがどうやって人生を送るべきかということについて、
この経験がどんなに素晴らしい贈り物になるか、
どんなに衝撃的な洞察になるかが分かったのです。
それが私に回復する動機を与えてくれました。
大出血の2週間半後、
外科医が私の脳にメスを入れ、
私の言語中枢を圧迫していたゴルフボール大の血栓を取り除きました。
これは私と、私にとって本物の天使である母です。完全に治るまで8年かかりました。
さて、私たちは誰なのでしょう?
私たちは手先の器用さと2つの認識頭脳を備えた、宇宙における生命力です。
そして私たちは、この世界の中でどんな人間でいたいか、どんな状態でいたいか、
瞬間ごとに選ぶ力を持ち合わせています。
今ここでこの瞬間に私は、私たちがいる右の脳半球の意識に入ることが出来ます。
私は宇宙の生命力です。
私は、私の体を作り上げる50兆もの美しく天才的な分子が一体となった生命力です。
または、左の脳半球の意識に入り、一人の確固とした個人であることを選べます。
(私たちを取り巻いている)エネルギーの流れや皆さんからは切り離された存在です。
私はジル・ボルテ・テイラー博士、有識者であり、神経解剖学者です。
これらが私の中の「私たち」です。
あなたはどちらを選ぶでしょうか?どちらを選びますか?
そして、いつ選びますか?
私は、私たちがより長い間、
右の脳半球にある平和的な深層回路を働かせることを選択すれば、
平和がもっと世界に投影され、
私たちの地球ももっと平和になると信じています。
そして、それは広める価値のある考えだと思いました