あしたのジョー

 

戦後の貧しさを感じさせる東京・山谷のドヤ街に矢吹丈が登場します。

アル中の元ボクサー・丹下段平は、ジョーとケンカとなり、ボコボコにされるのですが、

そのボクサーとしての素質を見いだし、ジョーを口説き始めます。しかし、

ジョーは、ケンカが絶えず、犯罪を犯し、鑑別所送りになるはめに。

その事実を知った丹下段平は、はがきを送ります。「あしたのために」と題され、

その内容は、ボクシングの技術、トレーニングの仕方など。何通ものはがきを受け取り、

ジョーも体を鍛えるのです。鑑別所で出会った西とともに、やがて少年院に送られます。

そこで脱走をはかり、それを阻止したのが、その後ボクシングで

対戦することになる力石徹でした。ジョーにとって、力石は、

まったく歯が立たない強敵だったのです。

力石徹は、13連続KO勝ちを果たしたボクシングのウェルター級の

プロ選手でしたが、観客を殴って少年院に送られていました。

この力石徹との出会いで、ジョーは、本格的にボクシングを始めるのです。

院内で二人は対決し、クロスカウンターで二人ともKO試合はドローに終わります。

出所後、力石は、白木葉子の祖父が経営する白木ジムへ、ジョーは、

丹下段平の丹下拳闘クラブでボクシングを練習し、プロになります。

ジョーは、力石徹と対戦することだけ目的で、ボクシングにのめり込んで行きます。

力石徹もジョーと対戦するために、フェザー級からバンタム級に移行し、

地下室に施錠を掛け、過酷な減量をします。

その姿を見守る白木葉子は、「水をくれ」と言う力石徹にコップ1杯の水を

渡そうとします。ところが、力石徹は正気を取り戻し、コップを払いのけます。

こうしてジョーと対戦することになった力石徹。試合当日、ジョーはKOされ、

敗れてしまいます。試合後に力石徹に握手を求めると、力石も手を出します。

そして、すーっと倒れてしまいます。そのまま力石徹は帰らぬ人となります。

死因は、ジョーの一撃と倒れて頭を強打したことでした。

力石徹の死にショックを受けたジョーは、頭にパンチできないボクサーに

成り下がっていきます。

そんな折、白木ジムのオーナーになった白木葉子がカーロス・リベラを呼び、

ジョーとスパーリングさせ、弱点を克服させるのです。

 

他のボクサーとの試合をへて、世界チャンピオンの座を賭け最強のボクサー・ホセと

対戦することになります。ところが、自分で洋服のボタンをしっかりかけられないことに

気づくのです。それは、カーロスが煩っていたパンチドランカーと同じ症状でした。

ボクサーとしては、致命傷といえます。

それでもホセとの試合を強行します。この試合直前に白木葉子がジョーの前に現れ、

試合にでるのはやめてほしいと説得しようとします。ジョーは、彼女を振り切りますが、

白木葉子は、ドアの前に立ち塞がります。「好きなのよ。あなたが。」と告白します。

力石徹を失い、ジョーまで失うことができないという思いがあったです。

それでもジョーは、「いかなきゃな。」と言ってドアを開け、リングに向かいます。

ホセとの試合結果は、判定に委ねられます。

敗れたジョーは、「葉子はいるか?葉子は?」と言い、葉子は、リングに駆け寄ります。

そして、グローブを渡すのです。「あんたに持っててもらいたいんだよ。」と。

ジョーは、丹下段平に「まっしろになっちまったよ。」と一言。力尽きます。

 

そのころ、審判が「ホセの勝ち」と。ホセに向かった人々がどよめきます。

そこにいたのは、試合前のホセではなく、まるで老人のような姿のホセだったのです。

 

テレビシリーズでは、試合はとても見ていられず、そこをぬかして、見ていました。

この映画もテレビで見ましたし、実写版は、DVDを買いました。

 

中学の友達に頼んで最終回の放送を録音してもらって何度も聞いて泣きました。

「何で、こんなラストなのよ。」と納得できない気持ちで一杯です。

今でもせめて勝たせてほしかったと思ってしまいます。

 

中2の時、同じクラスの男子から「これ、もう読まないから

あげるよ。」とあしたのジョーの漫画を頂きました。

ありがとうございます。

本当に嬉しくて今での大切に持っています。

 

小さい頃から映画ロッキーも父に連れられ、見ていましたが、

試合となると目を背けていました。

 

 

話は変わります。

 

小学校6の時に、新しい中学ができ、地区によって

小6クラスの半分が別の中学にすすむことになりました。

 

私の進んだ中学には、別の小学校からの生徒が

半数入ってきました。

最初の頃は、〇小対△小で、生徒が分裂している

状態でした。

 

私もまた、新しい環境におびえ、クラスが決まり教室に入って

小6の時に一緒だった女の子を見つけて「一緒にいてほしい」と声をかけ、

友達になりました。

 

その友達が、夏休みに一緒に遊ぼうと誘ってくれて、

彼女の友達と会いました。その兄弟(姉と弟)は、ハワイ出身の

アメリカ人でした。二人とも日本語が上手で驚きました。

その兄弟の家に遊びに行き、色々と話している時に

英語で字を書き始めたのをみて「これスクリプト(筆記体)だね。」と

私が言うとびっくりされ、「私は、実は、昔NYにいたの」とを告白しました。

でも「英語を忘れてしまったけど。」と言いました。

彼らとは、他の日にもプールに遊びに行きました。

その時、とても懐かしい気持ちになったのを覚えています。

 

そのことがあってか、クラスで仲良くなったもう一人の

友達3人で中学の「英語クラブ」に入りました。

 

英語クラブの先生が、「アメリカのベースの学校を

見学に行きましょう。」と言ってくれて制服を着たまま

ベースを訪ねました。

先生が「ここは日本であってもアメリカだから」と

気を付けるように言いました。

本当に一歩入るとそこはアメリカで、売っているもの、

食べ物もサイズがアメリカそのものでした。

 

先生は、私たちを、アメリカンスクールへと

連れて行ってくださり、勉強している風景や体育館を

見学したり、別の教室で学生の話を聞いたりと

貴重な時間を過ごすことができました。

 

帰りには、方面別のスクールバスに

乗ることが許され、アメリカ人にまじって

自宅付近に帰ってきました。

 

スクールバスから制服で降りていくと

道を歩いていた人が驚いていました。

 

後日、英語クラブで、「白雪姫」の劇を

行うことになり、私は、友達と

ナレーションをすることになったのです。

裏方で文章を読み上げるのかと

思っていたら、壇上の脇で

ナレーションをすると言われ、

心臓がばくばくいっていました。

 

それで、文章をつっかえてしまって、

皆から「なにやってんだ。」と

やじを飛ばされるようなへまをして

しまいました。

迷惑をかけてしまって

本当にごめんなさい。と

後から謝りました。

 

あの時も顔から火が出るほど

恥ずかしかったです。

 

それでも、劇の方は、順調に進んで

ほっとしました。

 

ある日、女子の間で「男子に告白されたことある?」と

の話になって、皆があれこれ話す中、私は、

思いを巡らし、ふと思い出したのです。

「あぁあった1度だけ、アメリカ人に告白された。」と

ずっと忘れていましたが、その時の光景が浮かんできたのです。

「皆がえー英語で言われたの?」って騒いでいたのですが、

私はというと、何とも言えない、嫌な気分が蘇ってきたのです。

 

でも、その時はまだ、おぼろげでそれが誰だったのか

はっきりしませんでした。