IT/インターネット業界 求人/求職情報 最前線
不況で冷え込んでいたIT業界の転職市場に、回復の兆しが見え始めている。
だが、業種や職種によって採用数や条件に大きな差異が生まれている。
転職市場の動向を追い、自身のキャリア戦略立案に生かしてほしい。
新年度を迎え、多くの企業で新たな採用方針が策定された。それに伴い、
これまでは採用を見合わせていた企業から、続々と求人が発生している。
低迷が続いていたデザイナー職の求人や、Webインテグレータ(Web制
作会社)やシステムインテグレータ(SIer)からの求人も緩やかな増加傾
向にあり、業界や職種によって差はあるものの、転職市場全体として採
用ニーズは確実に上向いている。
特にソーシャルメディア、ソーシャルアプリの勢いは衰えず、関連求人が
多く発生している。わずかではあるが、昨年度中はほとんど見られなかっ
た若手のポテンシャル採用を開始する企業も現れた。
「急募」や「厳選採用」の傾向は続いているものの、これまで苦境を強い
られていた求職者にとって、可能性は大きく広がりを見せている。ただし、
いまだ競争率の激しい情勢に変わりはない。企業に対していかに有効な
アピールを行えるかが、転職成功の鍵といえるだろう。
【Web業界】--------------------------------------------------
Web業界は、4カ月連続で求人数が増加した。Webサービスのさらなる
拡充を目的とした、インフラエンジニア、Webエンジニア、ディレクターな
どの募集を開始する企業が目立った。Web広告営業を中心に、営業職
のニーズも高い。
ただし、Web業界の求人は「すぐにでも採用したい」という急募案件が多
く、早期に募集終了となる傾向がある。
また、Web業界はシステム業界に比べて年収水準がやや低い傾向にあ
るため、他業種からの転職では、「年収」において企業側と求職者との
合意が得られないケースが目立った。
●エンジニア:求人数の増加が続く。
受託系企業からの求人は応募条件が低め
Webエンジニアの採用ニーズは高く、求人数の増加が続いている。好
調を維持してきた自社サイト運営企業からの求人だけでなく、Webサ
イト開発を受託している企業からの募集も見られるようになった。
受託系企業からの求人は、自社サイト運営企業からの求人と比べ、
応募要件(求められるスキル)がやや低く設定されていることが多い。
自社サイト運営企業がLAMP(Linux、Apache、MySQL、PHP/Perl)で
の開発経験を必須とするのに対し、受託系企業では「PHP経験のみ」
を必須にするなど、求職者にとっては応募しやすい条件になっている。
また、自社サイト運営企業においては、サービス拡大のためにイン
フラエンジニアを採用する企業が増えている。
●クリエイター:緩やかな回復傾向。
「プラスアルファ」のスキルが求められる
急増とはいえないが、Webデザイナーの求人数は少しずつ増加して
いる。ただし、デザイン、コーディング、画像加工などの業務にとど
まらず、「PHPを使用したページ修正」「DTPデザイン」「Webマーケテ
ィングの知識」など「プラスアルファのスキル」を求める企業が多い
。Webサイト全般を一手に担える人材のニーズが高く、デザイナー
としての技術力だけでは内定を勝ち取るのが難しい状況だ。
新規求人のほとんどが「急募」であり、少ない求人に応募が殺到す
ることが少なくない。募集を開始したその日に即日募集終了となる
ケースもあった。ディレクターやプロデューサー職では、ソーシャ
ルアプリ関連の求人が目立った。
【モバイル業界】-------------------------------------------
ソーシャルメディア/ソーシャルアプリを中心に求人ニーズが拡
大している。モバイルコンテンツプロバイダやモバイルインテグレー
タが、新規事業としてソーシャルアプリに力を入れるケースが増え
ている。
モバイルやソーシャルアプリは新興分野であるため、書類選考で
大きくふるいに掛けるのではなく、「積極的に会って話をしたい」とい
う企業が少なくない。他業界(特にWeb業界、ゲーム業界)の経験を
生かした転職が十分に可能な業界といえる。
●エンジニア:ソーシャルメディアを中心にニーズ高まる。
若手ポテンシャル層の採用も
ソーシャルメディアやiPhone/Androidアプリ開発エンジニアのニー
ズが高まっている。これまでは自社サービスの開発を目的とした求
人に限られていたが、受託開発を行う企業からも新たな求人が見
られるようになった。自社内での教育を前提に、若手エンジニアを
ポテンシャル採用する「育成枠」での募集を開始する企業もあり、
業界全体の勢いを感じる。
●クリエイター:キーワードは「ゲーム」「エンタメ」「企画力」
ソーシャルメディア/ソーシャルアプリを中心にニーズが拡大し
ている。特に「企画センス・企画力」を求められる傾向が強い。
応募時に企画書を添えるなど、企画力をアピールすることで選考
通過の可能性が高まるだろう。
Webサイト制作・デザイナー職においては、ゲーム/エンタメ系
クリエイターの募集が大部分を占める。クリエイターとしての技術
力だけでなく、企画・制作・ディレクションまでを幅広く担える人物
が求められるケースが多い。
●モバイルゲーム:コンシューマゲームの
経験者を求める傾向が強まる
コンシューマゲームの経験者を求める企業が増えつつある。
モバイルやソーシャルアプリの経験がなくても、コンシューマゲー
ム(特にニンテンドーDSやPSP向け)やオンラインゲーム(PC向
け)の経験があり、「今後モバイルゲームやソーシャルゲームに
携わっていきたい」という志向の人は、十分に採用の対象となる
ようだ。
【システム業界】---------------------------------------
SIerやソフトウェアハウスでは人員削減・採用凍結などが続い
ていたが、新年度の採用計画策定とともにエンジニア採用を再
開している。受注案件の増加により、エンジニア確保が急務に
なっている企業もある。
ただし、エンジニアとしてのスキル・経験だけでなく、転職回数
、学歴、資格の有無なども考慮した厳選採用を行っている企業
が多い。
現在は「Java/.NET系の求人」や「金融系システム開発の求人
」が多く、該当するエンジニアは順調に転職を成功させている。
●自社プロダクト系:特定領域でニーズを維持。
介護施設向けソフトウェアが好調
ハードウェア業界からの採用ニーズは年明けから微増傾向にあ
ったが、現在はやや下降に向かっている。ハードウェアメーカー
各社はいまだに様子見の傾向が強く、携帯電話やカーナビなど
の特定分野では採用ニーズがあるものの、全体としては積極的
な採用には踏み切っていない。
新規の求人は少なく、既存の求人は人員充足に向かっているこ
とから、全体として求人数の減少につながった。
一方、ソフトウェア業界ではおよそ10%の求人数の増加が見
られた。ERP・CRMパッケージや、介護施設向けソフトウェア分
野が比較的好調だ。
●SIer:2次請け・3次請けSIerからニーズ回復の兆し
金融、生損保、銀行システムのエンジニアニーズは変わらず、
一定の求人数を維持している。これに加え、通信キャリアや官
公庁向けのプロジェクト要員として人材を募集するケースが増
えている。
大手電機メーカーからの2次請け・3次請けを扱うSIerからも新
たな求人ニーズが発生した。「年齢30歳前後(28~33歳)/年収
450万~520万円」の人材が転職に成功している事例が多い。
●インフラエンジニア:上流工程経験者にニーズが集中。
若手には苦境が続く
先月から引き続きニーズは上向いているものの、上流工程の
経験者にニーズが集中している。プロジェクトリーダー/マネー
ジャの経験や、ネットワーク(サーバ)の設計・構築経験を必須
とする求人が大半を占めるため、保守・運用のみの経験者には
厳しい状況が続いている。
【ゲーム業界】------------------------------------------
ソーシャルゲーム関連の求人が、先月から引き続き好調を維
持している。コンシューマゲームやモバイルゲームを主軸として
いた企業が、ソーシャルアプリへの参入に力を入れるケースが
増えている。また、オンラインゲームが勢いを取り戻している一
方で、コンシューマゲームでは採用ニーズに大きな変化は見ら
れなかった。
●オンラインゲーム:韓国系企業の勢いが回復
オンラインゲーム関連で求人の増加が目立った。一時は日本撤
退も目立った韓国系オンラインゲーム企業が積極的な採用を行
っている。また、
オンラインゲーム企業のWebサイトデザイナーの募集も目立ち
始めている。
オンラインゲーム業界は、ゲーム業界での経験がなくとも採用
に至る可能性がある。他業界で経験を積みながらゲーム業界を
目指す求職者にとっては、比較的狙いやすいポジションといえる
だろう。
●パチンコ・パチスロ:競争率が低く、業界経験者は転職しやすい
パチンコ・パチスロ関連はニーズが高い一方で、採用に成功した
事例はあまり耳にしない。パチンコ・パチスロ分野はほかのコンシ
ューマゲームと比べて希望者が圧倒的に少なく、応募者が集まり
にくいのが実情だ。
また、パチンコ・パチスロ分野での経験を十分に積んでいる人材の
絶対数が少ないため、経験者にとっては転職しやすい市況といえる。
●求職者の動向:パブリッシャーから
現場志向のクリエイターが流出
大手パブリッシャー企業からの転職者が目立つようになった。大手
パブリッシャーでは制作をデベロッパーに依存し、企画のみに力を
入れる傾向が強まっている。そのため、現場志向の強いクリエイタ
ーが、新たな制作現場を求めて転職活動を行うケースが増えている。
【営業・バックオフィス系】-----------------------------------
●営業:求人数は堅調な伸び。地方都市でも求人ニーズが発生
営業職は6カ月連続で増加が続いている。Web業界からの求人
が多く、とりわけWeb広告営業職の求人が堅調な伸びを示している。
これまで採用を控えてきたSIerからの営業職募集も見られるよう
になった。Web制作の受託企業や、ECサイトのコンサルティングを
行う企業など、「BtoBtoC事業」を主軸とする企業からのニーズ回
復がうかがえた。SEO・SEM関連の営業経験や、顧客折衝能力を
求める企業が多い。
また、各社の業績回復に伴い、少ないながらも第二新卒の採用
を始める企業が現れた。経験業界や扱ってきた商材を限定せず、
ポテンシャル採用を行う傾向が強いため、20代半ばまでの若年層
にとっては好機といえる。
東京以外の地方主要都市でも、求人ニーズが回復に向かって
いる。東京に本社を構える企業が地方の営業拠点での人員拡大
を図るだけでなく、地方企業が東京在住のUターン・Iターン層を狙
って募集を行うケースが増えている。
●経理・財務:IFRSが鍵
バックオフィス系職種では、経理・財務職が安定した求人ニーズ
を維持している。上場企業では連結決算の経験に加え、国際会
計基準(IFRS)や米国会計基準(US-GAAP)の経験を求められ
る傾向にある。2015年のIFRS導入に向けて、経理体制を整えて
経理組織の強化を図りたい考えのようだ。
非上場企業でも、親会社が上場している場合、親会社の経理
組織変更に伴って、経理職を増員する動きが見られる。本年度
より試験的な運用を考えている企業も多く、今後も求人数の増加
が予想される。
2010年 謹賀新年
明けましておめでとうございます。
昨年後半は厳しい経済情勢の中、本当に「苦」毎日でした。
そんな中、社員の弛まぬ努力と、関係者、皆様のご支援の
お陰で新しい年を無事に迎えることが出来ました。
感謝と御礼を申し上げる次第です。
2010年 年も改まり経済情勢は最悪期を脱し一条の光が舞
い込みそうな気配はあります。
しかし急速な回復など期待してはいけません。
全ての仕事においてプラスαの努力なくして躍進はありません。
創業から実践している「一日一改善」+「プラスα」という新たな
決意で一層の努力、精進してまいります。
本年も何卒、ご指導ご鞭撻賜りたく、宜しくお願い申し上げます。
