当たり前だと思っていたものが当たり前ではなくなり、ぽっかりと空いている。
失って初めて気づく存在の大きさ。
なんの前触れもなかった。こんなに突然お別れがくるなんて、考えてもいなかった。
31歳にして、恥ずかしいけどこんなこと初めて。
今もまだそこにあるような気がして、触れようと思ってやっぱりもう無いのだと改めて気づく。
今までの私と見た目はなんにも変わっていないのに、どこか違うような気がして、でも鏡を見てもやっぱり変わってるわけもなくて。
今は少しズキズキと痛む。
親知らずを抜いた左上の奥。
いつものように虫歯の治療のつもりで歯科を訪れたら、医師から突然「親知らず、抜きません?」と軽く言われた。
その隣の歯が虫歯で、親知らずがある限り虫歯が再発してしまうから治療する前に抜いてしまおうという作戦。
それはわかるし、すごく理にかなってる。
しかし、しかしだよ。
そんなに突然言われても、
心の準備ができてないじゃない、私の。
私の知り合いに親知らずを抜いた人がいたけど、
事前に抜歯する日を決めて、数日前から恐怖におののいていたよ。
翌日の顔の腫れを心配していたよ。
また別の抜歯経験者からは、抜くときのみしみしという音がなんとも言えないというサスペンス的な話も聞いていたよ。
それを、「今日のランチ、ラーメンにしません?」みたいなノリで言われても。
抜きますけど。
そこで頑なに拒む必要もないけど。私も治療スピード上げたいから、抜きますけど。
親知らず抜くのって、軽く外科手術並におおごとだと思っていたからあ然。
されるがままに麻酔を打たれ、
まだ口の中の感覚あるのにもう治療するの?すごい、歯になんか刺してるのに痛くない!というか歯ってものすごく硬いし、そこまで生えてないのにどうやって抜くの?ペンチ?あ、ガリガリみしって音聞こえる、あの人の話はほんとだったんだ。それにしてもこの先生は麻酔打つときもあんまり痛くなくてめゃめちゃ腕がいいんだな…
とか考えてたら、抜けた。
抜けた歯を見たら、マンガみたいな歯の形してた。
「持って帰る?」って言われたけど、いらないですと答えた。
今は麻酔も切れて出血が続くので痛み止めを飲んでいます。
うがいしようと思っても顔半分がうまく動かないからヘンテコな顔になる。
今日は早めに寝よう。
