それまで順調に飛んでいた飛行機が急に傾いた。

『な、何事??』

と同時に、副操縦士の女性が前方を見たままマイクを握って、


「ロイヤルファミリー羽根の下」


と言った。機内の目線は一斉にその方向に注がれ⋯⋯。


このようなアナウンスがあった時は、傾いて下になった方の羽根の先に、パイロットが地上絵を合わせてくれていた。だから我々は、その合図と共に羽根の先端を見つめれば、わりと簡単にお目当ての地上絵を見つける事が出来た。

これは有難かった。なにしろ地上絵は、広い砂漠に点在しており、漠然と飛ばれても素人には見つけられないばかりでなく、また飛行機も、時には上から、時には下から、時には横からと、常にわかりやすい方向から絵に近づくわけではないので、パッと見てすぐ何の絵か認識するのが難しい。それを極力わかりやすくしてくれていたからだ。



時間があればそっちの方も行ってくれるかもしれませんねぇと言われていた、山の斜面にある地上絵【ロイヤルファミリー】。

我々が乗ったセスナ機は、最初にそちらを周ってくれた。


「どこどこどこどこ?あったあったあったあった。あれあれあれあれ。」

「どこ?」

「あれあれ」

「あれ?」

「そうそうあれあれ」

「お、おおぉぉぉ」

「おぉぉぉ」

地上絵周遊はしょっぱなからみんな大興奮で、

うるさかった。笑

探して見つけて感激して写真撮って、と、みんな大忙しだった。

が、動くセスナ機から地上絵を撮るのは結構難しく、特に俺は羽根の真横だったので、絵を見つけても羽根が邪魔ですぐ撮れず、ある程度飛行機が絵を通り過ぎてから後方に向けてシャッターを押すという状態だった。


そんなふうにして撮った写真をあとで確認すると、絵が何処に写っているんだか全然わからない。



でも確かに絵の方向にシャッターを切ったから写っているはず。

どこだ???


そんな点は、今は便利。

指で拡大して方々探すと⋯

♪ジャンジョンジャンジョンジャンジョンジャンジョンジャンジョンジャンジョン、テーーー♪

あった〜。



ナスカの地上絵、ロイヤルファミリー。